ニュース | NEWS

2010.11.8

全日本フォーミュラ・ニッポン第7戦
MOTUL TEAM無限、今期初入賞を果たし、有終の美で今シーズンを終える。

シリーズ名:全日本フォーミュラ・ニッポン第7戦
大会名:2010年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦 鈴鹿サーキット
距離(レース1):5.807km×20周(116.14km)
距離(レース2):5.807km×28周(162.60km)
予選:11月6日(土)晴れ ・観衆:12,000人(主催者発表)
決勝:11月7日(日)曇り ・観衆:16,000人(主催者発表)

2010年フォーミュラ・ニッポンの最終戦「全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦鈴鹿サーキット」がホンダ陣営のホームコース、三重県鈴鹿サーキットで行われた。4月にここ鈴鹿サーキットで開幕した2010年度フォーミュラ・ニッポンも早くも最終戦。フォーミュラ・ニッポンに活躍の場を移し3年ぶりに自社チームとして全日本選手権に参戦した「MOTUL TEAM無限」。

今年、初めてのステージであるものの、ノーポイントで向かえた事もあり、是が非でも入賞を獲得したいところ。チームは毎戦、データを基に、モディファイを重ね、トップチームに追いつく力をつけており、また随所で光る走りを見せているドライバー井出有治選手にも周囲の期待が大きく、それに応えるためにもチームは最終戦に向け万全の体制でサーキットに乗り込んだ。


■11月6日(土)
●フリー走行
公式予選日を迎えた6日(土)。鈴鹿サーキットは快晴。11月に入り、比較的厳しい寒さになる時期にも関わらず、朝から気温は18℃まで上昇、路面温度24℃。強い日差しがサーキットを照りつけ、絶好の観戦日和となった。9:25からフリー走行が開始され、明日朝のフリー走行が無い為、予選セットと決勝セットシュミレーションを行うこととなる。

我がチームは予選上位を獲得する作業に専念。まずはユーズドタイヤでマシンチェックを行う。そしてニュータイヤを履き予選用のセット出しを行う。穏やかな気候と裏腹に路面の状況はかなり、悪いようで第1セクターS字付近でのアンダー・ステア傾向に悩まされる。

チームもフロントグリップを得る為にさまざまなアジャストを繰り返す。井出選手は果敢にプッシュするものの、全体的なアンダー・ステアの状況を脱却できずにこのセッションを終えた。
(フリー走行 ベストタイム 1'41.881 12位)


11月6日(土)フリー走行

P
No.
Driver
Team
Engine
Time
Delay
Gap
km/h
1
36
アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
1'40.751
-
-
207.49
2
1
ロイック・デュバル
DoCoMo TEAM DANDELION RACING
HONDA HR10E
1'40.815
0.064
0.064
207.36
3
32
小暮 卓史
NAKAJIMA RACING
HONDA HR10E
1'40.928
0.177
0.113
207.13

12
16
井出 有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
1'41.881
1.13
0.011
205.19

タイヤはブリヂストン(BS) シャシはSwift FN09 ワンメイク


●予選Q1セッション
14:00より、公式予選が恒例となったノックアウト方式で行われた。しかし最終戦は2レースで決勝が争われる為、変則的なルールが採用される。Q1のトップがレース1のポール、Q3のトップがレース2のポールという特別ルール。井出選手も、今期ポール獲得していないため、どちらかのレースでポールポジションを獲得したいところ。

20分間で争われるQ1は上位12台が次のQ2に進出する。開始から全マシンがコースイン。各陣営、特別な動きはなく、これまでと同様にまず、開始からセットアップを確認するためにユーズドタイヤで走行を行う。しかし我がチームは走り出しからニュータイヤを履き、早いタイミングでタイムを出す作戦をとる。丁寧にタイヤに熱を入れ3周目にアタックに入る。1'42.321を記録し5番手につける。そして、時間をかけ、再びマシンをアジャストし、2セット目のニュータイヤを履き、全力でQ1突破を狙う。

残り6分となったところで再びコースイン。ここでライバルチームも一勢にコースに入る。残り3分になるとライバルチームがアタックに入りタイムを塗り替えていく。序盤に出した、井出選手のタイムも次々に塗り替えられ、ポジションを落としていく。最終ラップ、3周目に出したタイムを上回る1'42.157を出すものの13位でこのセッションを終える。これでQ1敗退となり、明日のレース1・2共に13番手からのスタートが決定する。

予選終了後、上位マシンにスキッドプレートの車両違反が発覚。予選タイム抹消となった。このため井出選手のポジションが一つ繰り上がり12番手からのスタートとなった。
(予選タイム1'42.157 13位 予選終了後繰上げにより12位)

11月6日(土)予選Q1(レース1スターティンググリッド)

P
No.
Driver
Team
Engine
Time
Delay
Gap
km/h
1
1
ロイック・デュバル
DoCoMo TEAM DANDELION RACING
HONDA HR10E
1'40.828
-
-
207.34
2
19
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
Mobil 1 TEAM IMPUL
TOYOTA RV8K
1'40.839
0.011
0.011
207.31
3
36
アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
1'40.872
0.044
0.033
207.24

12
16
井出 有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
1'42.157
1.329
0.02
204.64

タイヤはブリヂストン(BS) シャシはSwift FN09 ワンメイク


11月6日(土)予選総合結果(レース2スターティンググリッド)

P
No.
Driver
Team
Engine
Q1
Q2
Q3
1
19
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
Mobil 1 TEAM IMPUL
TOYOTA RV8K
1'40.839
1'41.086
1'40.379
2
32
小暮 卓史
NAKAJIMA RACING
HONDA HR10E
1'40.910
1'40.576
1'40.427
3
31
山本 尚貴
NAKAJIMA RACING
HONDA HR10E
1'41.079
1'40.945
1'40.519

13
16
井出 有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
1'42.157
-
-

タイヤはブリヂストン(BS) シャシはSwift FN09 ワンメイク


■11月7日(日)
●レース1決勝 10:20〜
昨日の天気とうって変わり、上空は厚い雲に覆われ、今にも雨が降り出しそうな朝を迎えた。しかし天気予報は昼には回復するとあって、チームは大きなセットアップの変更は行わずに、レース1に備える。通常の日曜日であれば、9:00からフリー走行が行われるところであるが、そのフリーセッション設定が無く、午前中からレース1決勝となる。

レースは20周で行われタイヤ交換、給油義務が無く、ピットインがないためノーピットインの超スプリントレースとなる。気温15℃、路面温度18℃と冷え込む中、9:35からチェック走行が行われ昨日のQ1 予選で使用したユーズドタイヤでマシンチェックを行う。井出選手のインプレッションとしては、まだマシンが万全の状態に決まっていない状況であった。ダミーグリッドにマシンを止めるとスタート進行が始まる。

是が非でも入賞したい井出選手。緊迫した空気がチーム内に張り詰める。この頃から厚い雲は消え、秋の日差しがサーキットを照らし始める。国歌斉唱、大会宣言が行われ、フォーメーションラップの後、10:20シグナルブラックアウトとともにスタート。

スタートダッシュを得意とする井出選手は6列目イン側の12番グリッドから、今回もロケットスタートを決め、3コーナーまでに4台を抜き去り、一挙に入賞圏内の8番手にジャンプアップを果たす。順位を上げた井出選手は大型ビジョンにも大きくクローズアップされ、観客を沸かせる。

1分44秒台の安定したタイムを刻み、徐々に7番手、#6石浦選手との差を詰める。その後膠着状態が続く。トップを走る#1ロイック選手のマシンがオイルを吹き始め、路面状況が急激に悪くなる。井出選手の無線から前を走る#6石浦選手もオイルを吹いているという報告が。しかし20周の超スプリントレースはこのままゴールを迎える。井出選手は8位でレースを終え、「MOTUL TEAM 無限」に初入賞をもたらした。


11月7日(日) 決勝 レース1

P
No.
Driver
Team
Engine
Lap
TOPTIME /BEHIND
1
1
ロイック・デュバル
DoCoMo TEAM DANDELION RACING
HONDA HR10E
20
34'31.275
2
32
小暮 卓史
NAKAJIMA RACING
HONDA HR10E
20
1.377
3
36
アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
20
2.033

8
16
井出 有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
20
33.678

タイヤはブリヂストン(BS) シャシはSwift FN09 ワンメイク

●レース2決勝 14:30〜
第2レースは28周で競われる。レース1とはルールが異なり、10周目以降にタイヤ交換の義務あるため、ピットインの必要がある。しかしタイヤ交換の本数に規定は無い為、1本でも変えると義務をクリアできる。また給油も出来るため、チームには幅広いレース戦略が立てられる。我がチーム「MOTUL TEAM 無限」 は無給油、リヤのみのタイヤ交換を行う作戦を立てレースに臨むことに決定。

今シーズン最後のシリーズ戦レースとあって井出選手もいつもより気合が入っているようだ。天候も回復し気温は19℃、路面温度は25℃と午前より暖かくなり、スタート前のグリッドには井出選手のF1参戦時のチームメイトの佐藤琢磨選手も激励に駆けつけスターティンググリッドは最終戦に相応しく華やかなものとなった。

14:30にフォーメーションラップがスタート。井出選手は左右にマシンを振りタイヤに熱を入れていく。そして全車スターティンググリッドに着くと、14:33、シグナルブラックアウトとともに、スタートが切られた。ここでも井出選手は抜群のスタートダッシュを決め、S字コーナー進入までに8位にジャンプアップ。一挙に入賞圏内に入り、更に7位のマシンの背後につける。1分46秒台の安定したタイムで周回を重ねる。

13周目にピットイン。予定どおり、リヤタイヤのみ交換し、7秒弱でピット作業を終わらせ、マシンを送り出す。井出選手は、一つでもポジションを上げようと猛プッシュをかけ、22周目には自己ベストとなる1'44.562を記録。前を走るマシンとの差は僅か1.8秒、後方はすでに13秒後方。

しかし28周の超スプリントレース。膠着状態のまま、7位#37大嶋選手との差は僅かコンマ6秒差まで追い上げたものの追い抜くまでには至らず、8位でゴールを迎え連続入賞を果たした。

次回レースは11月13日〜14日に行われる特別戦、「FUJI SPRINT CUP」となります。※選手権外特別戦
2011年シーズンは4月17日、鈴鹿サーキットで開幕します。引き続き皆様の応援宜しくお願いします。


11月7日(日) 決勝 レース2

P
No.
Driver
Team
Engine
Lap
TOPTIME /BEHIND
1
19
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
Mobil 1 TEAM IMPUL
TOYOTA RV8K
28
49'31.945
2
36
アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
28
2.572
3
32
小暮 卓史
NAKAJIMA RACING
HONDA HR10E
28
3.078

8
16
井出 有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
28
27.455

タイヤはブリヂストン(BS) シャシはSwift FN09 ワンメイク



■井出有治選手コメント
少ないポイントですが入賞を果たすことが出来ました。後ろからつつかれるレースではなく、攻めるレースをファンの方々にお見せ出来たと思います。マシン状態は午前中から基本セットからあまり手を加えず、手塚監督の午後には路面が良くなるという判断でそのままのセットで走り、レース2では、安定した良いレースで前のマシンをプッシュすることが出来ました。特別戦のJAF GPも表彰台を目指して思いっきり攻めますので皆様の応援よろしくお願いします。スポンサー各社様、またファンの皆様、シーズンを通しての応援、誠にありがとうございました。引き続き応援宜しくおねがいいたします。


■勝間田エントラント代表コメント
念願のポイント獲得が出来て本当に良かった。レース結果のポジション(8位)からスタートできればトップと争える力は十分あると思う。マシンも非常に安定していたし、レース中のタイムは非常に良かった。スタートに関してはドライバーの高い能力であり、本当に素晴らしいものです。特別戦はこの結果を持って頑張ります。来期も参戦準備中ですので皆様の応援宜しくお願いします。


■手塚監督コメント
最終戦でやっと入賞でき、ほっとしました。今回はレースペースが良く、周りのマシンのタイヤが消耗してタイムを落とす中、安定したタイムを刻め、また得意とするスタートダッシュで入賞という結果を残すことが出来ました。今年はシーズンを通して、予選が鬼門でした。特別戦は思いっきり戦い表彰台に上がれるように頑張ります。スポンサー様、関係各社様、ファンの皆様、には1年をとおして、力強い応援誠にありがとうございました。