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2010.11.16

全日本フォーミュラ・ニッポン特別戦
レース1で表彰台目前の4位。レース2では念願の3位表彰台を獲得

シリーズ名:全日本フォーミュラ・ニッポン特別戦
大会名:JAF Grand Prix SUPER GT & FORMULA NIPPON FUJI SPRINT CUP
距離(レース1):4.563km×22周(100.386km)
距離(レース2):4.563km×22周(100.386km)
フリー走行予選日:11月12日(金)晴れ:観衆9,500人(主催者発表)
決勝1日目:11月13日(土)曇り:観衆:23,000人(主催者発表)
決勝2日目:11月14日(日)曇り:観衆33,000人(主催者発表)

2010年フォーミュラ・ニッポンの特別戦「JAF Grand Prix SUPER GT & FORMULA NIPPON FUJI SPRINT CUP」が、静岡県駿東郡、御殿場市街から程近い、富士スピードウェイにて行われた。

シリーズ戦はすでに終了しているものの、レース文化の振興を目的に特別戦としてSUPER GTと併催で開催。ノンタイトル戦ながらも、初めての試みのこのレースで「MOTUL TEAM無限」は是非とも表彰台を獲得したいところ。チームは目標達成に向け、万全の体制でサーキットに乗り込んだ。


■11月12日(金)
●フリー走行 8:40〜
JAFグランプリ富士スプリントカップの初日、金曜日の朝一番8:40〜 35分間に渡り行われたフリー走行。パワーステアリングシステム導入後の初の富士ということもあり、ラップタイムの上昇やそれに伴う、足回りのセッティングを入念に行い、マシンをコースに送り出す。

ロー・ダウンフォース仕様に仕上げたマシンはストレートエンドで310km/hオーバーに達する。5周目に自己ベスト1'25.691を記録し、ピットイン。コーナリングスピード上昇による、高速コーナー100Rでのアンダーステア対策を行う。チームはドライバー・コメントを基に、アンチロールバーを調整。

また、比較の為に異なる仕様のフロントノーズを装着し再びマシンをコースに送り出す。しかしベストタイムを更新できずに、タイムアップ。結局、最初に出したタイムで〔1'25.691=11 位〕 最高速〔312.229 km/h=7位〕でこのセッションを終えた。


11月12日(金)フリー走行

P
No.
Driver
Team
Engine
Time
Delay
Gap
km/h
1
1
ロイック・デュバル
DoCoMo TEAM DANDELION RACING
HONDA HR10E
R1'23.944
-
-
195.69
2
36
アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
1'24.644
0.7
0.7
194.07
3
19
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
Mobil 1 TEAM IMPUL
TOYOTA RV8K
1'24.649
0.705
0.005
194.06

11
16
井出 有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
1'25.691
1.747
0.107
191.7

タイヤはブリヂストン(BS) シャシはSwift FN09 ワンメイク


●公式予選 13:00〜
最終戦鈴鹿に続き、今回の特別戦も2 レースで開催。しかし予選は特別戦ながらの変則的なルールが採用された。スーパーラップ方式の予選において第1コーナー手前の計測地点で速いスピードをマークしたマシン順にレース1のグリッドが決められ、また1周のラップタイム計測のタイム順にレース2のグリッドが決められる。

各陣営はラップタイム向上を狙うチームもあれば、タイムを視野に入れず、最高速のみを狙って究極のロー・ダウンフォースで臨むチームも見受けられる。出走は今年のランキング順。井出選手からのアタックとなった。

13:02コースイン。計測は2周のウォームアップラン後に開始される。アタックのサインとして、オーバーテイク・ライトを点滅させながらアタックに入る井出選手。トップスピードは303.456km/h、ラップタイムは1'26.668をマークし、ライバル陣営の目標タイムを記録する。

結果的には、最高速度は6位、ラップタイムは8位となり、レース1のグリッドは3列目イン側の6番手。レース2のグリッドは4列目イン側の8番手。今シーズンのベストグリッドとなった。



11 月12日(金) 第1レース予選最高速予選

P
No.
Driver
Team
Engine
Time
Delay
1
7
ケイ・コッツォリーノ
Team LeMans
TOYOTA RV8K
1'26.629
314.502
2
36
アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
1'24.776
310.791
3
37
大嶋 和也
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
1'26.798
310.256

6
16
井出 有冶
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
1'26.668
303.456

タイヤはブリヂストン(BS) シャシはSwift FN09 ワンメイク


11月12日(金)第2レース予選

P
No.
Driver
Team
Engine
Time
Delay
Gap
km/h
1
36
アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
1'24.776
-
-
193.77
2
20
平手 晃平
Mobil 1 TEAM IMPUL
TOYOTA RV8K
1'25.135
0.359
0.359
192.95
3
10
塚越 広大
HFDP RACING
HONDA HR10E
1'25.545
0.769
0.41
192.03

8
16
井出 有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
1'26.668
1.892
0.039
189.54

タイヤはブリヂストン(BS) シャシはSwift FN09 ワンメイク



■11月13日(土)
●決勝レース1 12:45〜
井出有治選手が駆る、「MOTUL TEAM無限」のマシンは12:30のコースオープンと同時にコースイン。今シースンベストグリッドとなる3列目イン側の6番グリッドにマシンを停止させる。コース上で最後のマシンチェックを終えると、12:45にフォーメーションラップが開始された。風が冷たく、気温は16℃、路面温度20℃という冷えた路面温度ということもあり、井出選手はスタートダッシュに備え、丁寧にタイヤに熱を入れる。

そしてシグナルブラックオフとともに、スタートが切られた。スタートダッシュを得意とする井出選手は抜群のスタートを切り、コースイン側から1コーナーに進入。2番手までポジションアップを果たす。

オープニングラップを2位で終え、続く2周目の1コーナー、最終コーナーから井出選手のスリップストリームに入っていた#37大嶋選手に先行を許し、3位にポジションを落とす。3周目の1コーナーでも#10塚越選手に抜かれ、4位まで後退してしまう。4周目以降、マシンが安定すると自己ベストを塗り替えながらラップを重ねる。

12周目には自己ベストとなる、1'26.840を記録。3位との差を2秒弱まで詰める。「オーバーテイクボタンを使って!」という無線が手塚監督から飛ぶ。後半の粘り強い走りに定評のある井出選手。ライバル達がラップタイムを落とす中、1分26〜27秒の安定したラップタイムを刻み、後続を引き離す。

そしてこのまま22周を走りきり、4位でフィニッシュ。今期ベストリザルトを残した。


井出有治選手コメント(レース1)
スタートで前に出られたので、最初の2〜3周でポジションを守れれば表彰台が見えていたレースでした。ペース的にも悪くなかったのですが、3位の塚越選手に追いつくことが精一杯の状態でした。表彰台に上がりたかったので非常に悔しい結果です。明日はスタートポジションが2つ後ろですが、マシンを改善しなくてはならない点もわかったし、後はドライバーの力で良いレースをします。表彰台を狙って頑張ります。


11月13日(土) 第1レース決勝

P
No.
Driver
Team
Engine
Lap
TOPTIME /BEHIND
1
36
アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
22
31'48.539
2
37
大嶋 和也
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
22
9.591
3
10
塚越 広大
HFDP RACING
HONDA HR10E
22
13.631
4
16
井出 有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
22
14.407

タイヤはブリヂストン(BS) シャシはSwift FN09 ワンメイク

■11月14日(日)
●決勝レース2 12:45〜
前日、4位獲得で波に乗る「MOTUL TEAM無限」の井出有治選手。レース1の活躍で周囲からの期待も大きく、8番手グリッドには多くの報道陣や関係者が集まった。スタート前には航空自衛隊の戦闘機によるエアーショーが開催され、この派手なオープニングセレモニーは観客だけでなく、ドライバー、関係者も上空に釘付けとなった。上空は雲が多いながらも雨の心配は無いようだ。

そして12:45、フォーメーションラップスタートと同時にレース2でもロケットスタートを狙う井出選手は、マシンを左右に振り、タイヤに熱を入れていく。そしてシグナルブラックオフ、今シーズン最後のフォーミュラ・ニッポンの決勝となるレース2の火蓋がきられた。

井出選手は今期最高のスタートダッシュを決め一挙に6台を抜き2位で1コーナーに入る。この瞬間、観衆から大きな歓声があがる。更にトップを走る#36ロッテラー選手を果敢に攻め立てる。オープニングラップを2位で終えた井出選手は2周目の第13コーナーで#31山本選手の先行を許し3位に落ちるものの、その後は3位をキープ。後続をピシャリと押さえ周回を重ねる。

レース半分となる11周目を終えたところで後方4位とのマージンは約2秒、残り5周となったところで4位以下を4秒以上引き離し、3位単独走行。表彰台が見えてくる。

ペースも1分27秒台に安定。そして22周目のファイナルラップ、「MOTUL TEAM無限」の井出選手は、最終コーナーをオーバーテイクシステムのライトを点滅させながらコーナーを駆け上がって大観衆の中、見事3位でゴール。

「MOTUL TEAM無限」として初の表彰台を獲得した。井出選手も2007年以来のフォ-ミュラ・ニッポンでの表彰台となった。


■井出有治選手コメント(レース2)
シリーズ戦でこういう結果(3位表彰台)を残せればよかったのですけれど、皆様が待ち望んでいた結果を残せて非常に良かったです。スタートは欲張らずにスムーズな(クラッチ)ミートを心がけ、1コーナーまで思い切って行きました。ペースも昨日に引き続き、安定したラップタイムで22周を走りきることが出来ました。本当に1年間応援ありがとうございました。
また来年も応援宜しくお願いします。


■勝間田エントラント代表コメント
大変、ほっとしています。井出選手のスタートの良さを生かして、先頭グループで走れたし、レースラップも良かったので、最後の最後で、チーム全体として良い結果で終われたことは非常に良かったです。これもチームを支えて頂いたスポンサーや関係者の方々のおかげです。来年も頑張りますので宜しくお願い申し上げます。


■手塚監督コメント
表彰台獲得できました。スタートで上位進出し、表彰台に上れればと思っていたら、そのとおりになりました。一年間の集大成が結果に結びついたと思います。今年一年、皆様の協力のもと、頑張れたので良い結果で終われました。本当にありがとうございます。来年は飛躍のシーズンとして活動してまいりますので、皆様の引き続きの応援と、ご支援、宜しくお願いします。



11月14日(日) 第2レース決勝

P
No.
Driver
Team
Engine
Lap
TOPTIME /BEHIND
1
36
アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
22
31'39.941
2
31
山本 尚貴
NAKAJIMA RACING
HONDA HR10E
22
6.989
3
16
井出 有冶
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
22
22.299

タイヤはブリヂストン(BS) シャシはSwift FN09 ワンメイク