News & Report

2011.11.08

全日本フォーミュラ・ニッポン第7戦
TEAM 無限、最後の最後まで勝利に執着する!

シリーズ名:2011全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦
大会名:2011 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦 ツインリンクもてぎ
決勝第1レース 距離:4.801km×23周(110.432km)
決勝第2レース 距離:4.801km×34周(163.247km)
公式予選:11月5日(土)曇り・観衆6,000人(主催者発表)
決勝:11月6日(日)曇りのち雨・観衆:9,000人(主催者発表)

 最終戦となる第7戦はスプリントレース色の強い2レース制大会となった。第6戦の反省を踏まえて、8月の第4戦実走データをもとにTEAM無限と山本選手は入念に持ち込みセットを検討した。レースウィーク直前には山本選手の地元である栃木県宇都宮市のショッピングモールでデモ走行も実施。小さな子供からかつての恩師まで様々な方からの声援を胸にツインリンクもてぎへと乗り込んだ。

 予選はトップ8を確保して選手権全てでQ3進出を決めた。雨量のゆくえが分からない状況下での決勝第1レースは7番グリッドからあえて勝利に執着してウェットタイヤを選択した。しかし路面が予想以上に乾きドライタイヤへの交換を余儀なくされ12位で完走した。全車がウェットタイヤを選択してスタートした第2レースではスタートで順位をあげてこれから追い上げをと目論んだ矢先、後続車両に追突されて想定外のピット作業を強いられる。

 その後も追突時のダメージを修復するピット作業に時間をとられ、チェッカーは受けたものの規定周回数にとどかない結果となった。TEAM無限と山本選手は勝利を果たせないまま選手権を終えた。


●11月5日(土)
■フリー走行 3位
 何度もTEAM無限と山本選手とのあいだで議論を重ねて持ち込んだセットは、その甲斐あって順調にレースウィークをスタートさせた。今回は2レース制の大会であり、Q1により決勝第1レースのグリッドが、ノックアウト予選の結果により決勝第2レースのグリッドが決まる。このため、2レースともに前方のグリッドを確保するべく入念に走行を繰り返してセットアップを進めた。最後にニュータイヤを使って予選を想定したタイムアタックを実施して3番手となった。

■公式予選 Q1:7位 Q2:8位 Q3:6位
 2011年シーズンすべての予選でQ3進出を果たしてきたTEAM無限と山本選手は今回もQ3進出を果たした。年間を通してすべてQ3進出を果たしたドライバーは山本選手を含めて3名しかいない。「速さ」に一貫してこだわってきた山本選手と、1カー体制でありながら試行錯誤を繰り返しながらともに闘ってきたTEAM無限の成果が一つ実った結果となった。しかし、レース距離の短い今回の決勝で勝利するにはグリッドの1列目、2列目を確保したいところではあった。

11月6日(日)
■決勝第1レース 12位(22周 38分49秒926 ベストタイム:1分37秒369)
 山本選手はあくまで勝利に執着した。ピット作業義務が無い110kmの短距離レースを7番グリッドからスタートするという事実を踏まえ、直前の路面の状況を考慮して自らの発案であえてウェットタイヤを選択する。微妙な空模様のもとスタートを決めて順位をあげた山本選手ではあったが、路面は意に反して乾く方向へと転じてしまう。やむなく8周目にピットへと戻り、ドライタイヤへと変更するが順位は後方にさがってしまう。それから1分37秒台のラップタイムを含む追い上げをしたものの、予定外のピット作業のロスはあがなえず、結局、トップから1周遅れの12位で第1レースを終えた。

■決勝第2レース 規定周回数不足(24周 1時間30分59秒316 ベストタイム:1分51秒063)
 午後になり雨は強さを増す方向へ変化した。ウェットタイヤのスタートではピット作業の義務が適用されなくなること、空模様から雨量が減るきざしがないことから全車がウェットタイヤでのスタートとなった。6番グリッドからスタートを決めた山本選手は5番手を走行しながら上位進出のチャンスを伺う。

 しかし、雨量がさらに増して視界の確保が厳しくなってきた状況で、後続の車両にヘアピン進入で衝突されてしまう。山本選手はグラベルエリアへと回避してコースへ復帰したものの、右リヤタイヤを中心として車両に大きなダメージを追ってしまう。なんとか自走してピットまで戻りTEAM無限のスタッフ総出のリペア作業を受ける。この修復作業中にレースが中断されたこともあり、TEAM無限はなんとか再開後にはマシンをピットからコースへと復帰させた。

 ところが、走行を再開した山本選手から再び車両の不具合が報告される。ダメージはホイールなどの足回りだけでなく車両のフロア部分にまで及んでいたのだった。再びチームはクルマを修復して山本選手をコースへと送りもどした。結果、最終戦のチェッカーは受けたものの規定周回数は満たせず順位の認定はならなかった。最後まで攻めの姿勢で勝利にこだわり続けたTEAM無限と山本選手だったが、選手権ではその目標を果たせないまま終わることとなった。

■山本尚貴コメント
 第6戦でつまずいたあとチームと何度も何度も話し合って最終戦に臨みました。その甲斐あって、レベルの高い状態でレースウィークをスタートできました。決勝第1レースであえてウェットタイヤを志願して選択したのは「勝利」へのこだわりからです。250kmのレースであればこのような選択はしませんでした。スプリントで1日に2レースあるからこそ、あえて勝利にこだわった挑戦をしました。

 決勝第2レースではぶつかった際のダメージが思った以上に大きく、走行再開後にまた別のダメージがみつかったという状況でした。そのなかでチェッカーを受けるべくクルマを修復してくれたチームの皆さんに感謝しています。この一年間、良い事もあれば悪いこともありました。一年間やってきたことすべての総まとめとして来週のJAFグランプリを走り、今後へとつなげたいと思います。

■手塚監督コメント
 シーズンすべてでQ3に進出できたことは山本選手を褒めてあげたいと思います。しかし、タイトルをとったライバルチームに比べたらまだ劣っている部分があるのは事実です。この足りない「何か」を見つけてライバルとの差を埋めていくことが今後のチームと山本選手の課題だと思います。決勝第1レースでのタイヤ選択は結果として失敗に終わりました。しかし、何か策をとってでも勝利しようとこだわった結果です。決勝第2レースは雨が強くなり、視界の確保も難しいような状況でのもらい事故となってしまいました。次のJAFグランプリは、今シーズンの屈辱を晴らすべく戦います。

■勝間田エントラント代表コメント
 うっぷんの溜まる結果となりました。決勝第2レースで後続車両にぶつけられてしまったことは残念です。ぶつかってきたドライバーも非を認めてすぐに我々にお詫びと謝罪に来てくれました。第1レースではあえてあの状況下でドライバー本人がウェットタイヤを選んで勝利にこだわりました。しかし結果には結びつきませんでした。今シーズンは、予選ですべてQ3に進出して「速さ」に関しては収穫もありました。しかし、「勝利」を狙うにはもっともっと上のレベルを、すなわちグリッド1列目、2列目にいつでも入るレベルまでドライバーとチームがお互いを高めていかなければならないと思います。残るはJAFグランプリのみとなりました。今までのうっぷんを晴らすレースをサポーターの皆様におみせできるようにします。

以上