News & Report

2011.11.16

全日本フォーミュラ・ニッポン JAF Grand Prix
TEAM 無限、最高速度に活路を求めるも変化する路面への対応をまとめきれず!

大会名:JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2011
距離:4.563km×22周(100.386km)
フリー走行:11月11日(金)雨・観衆7,200人(主催者発表)
公式予選:11月12日(土)晴れ・観衆23,000人(主催者発表)
決勝:11月13日(日)晴れ・観衆:40,500人(主催者発表)

 2011年フォーミュラ・ニッポンのラストレースとなる富士スプリントカップは、100kmを全力疾走する大会となった。予選は計測タイムのポイントに加えて、最高速度が速い順のポイントとの総合でグリッドが決まる。

 TEAM無限と山本尚貴選手は、2010年11月のテスト結果と2011年7月第3戦の実走データをもとに、最高速度を重視したセットを持ち込んだ。毎日変わる天候と路面コンディションに悩みながらも、予選では最高速度でHondaエンジンユーザートップを記録する。

 しかし、ダウンフォースを削った代償として計測タイムは思った程あがらず、10番グリッドとなる。決勝はスタートよく7番手にあがったが、中盤グループでの競り合いを経て8位でチェッカーを受けた。


●11月11日(金)
■フリー走行 11位
 持ち込みセッティングを決める際に使用したデータはともにドライ・コンディションでの走行データ。ところがフリー走行中は雨がふりしきる。雨量が多い中ではあったが、チームと山本選手は、今後を見据えたテスト・メニューをこなすため18周を走りこんだ。 タイム順では11番手となったが有意義なデータを蓄積するとともに、雨天に向けてウェットタイヤでのセッティングにあわせこんだ。

●11月12日(土)
■公式予選 10位(最高速ポイント16 ラップタイムポイント11)
 前日までの雨とはうってかわりスーパーラップ方式の予選時には、路面はドライ方向へと転ずる。当然、タイヤもドライタイヤとなる。昨日のデータをもとにあえて最高速度を重視したセッティングを選択して山本選手はアタックに入る。微妙なバランスが要求されるフォーミュラ・ニッポンでダウンフォースを削ってまで攻めた結果、最高速度ではHondaエンジンユーザーのトップとなる総合5番手を記録する。しかし、100Rを含むセクター2ではクルマのバランスがとれず計測タイムでは10番手にとどまる。結果、ふたつの合計ポイントで10番グリッドと不本意な位置から決勝へとのぞむことになった。

11月13日(日)
■決勝 8位(22周 32分43秒024 ベストタイム:1分28秒699)
 100kmのスプリントレースはチェッカーまで白熱のレース展開となった。スタートで前方グリッドの混乱を回避した山本選手は一気に7番手まで浮上。しかし、No.41塚越選手に5周目に抜かれてしまう。その後、Hondaエンジンユーザーの最上位を走行するNo.40伊沢選手も含めた3台で、お互いの順位を争うものの、そのままの位置で22周目まで走行、チェッカーとなった。

■山本尚貴コメント
  昨年末のテストと、今年の第3戦の富士で走ったデータをベースにマシンを持ち込んでもらいました。今シーズンの総まとめとして良い結果を残したかったのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。
 今シーズンは良いこともあったし、悪いこともあり、起伏の激しい1年でした。時にはチームとぶつかることもありました。シーズン中、僕も、チームもお互いにミスがありましたが、レースを重ねるごとにレベルを高めあっていけたように感じます。
 今年1年間応援してくださった、チームの皆さん、Hondaさん、スポンサーの皆さん、そして、ファンの皆さんには本当に感謝しています。
 来シーズン、またチャンスを頂けた時には、今年得た経験を活かして、来年こそ優勝できるように全力を尽くして頑張りますので、また応援宜しくお願いします!

■手塚監督コメント
 長年レースに携わっていると年度によって成績にどうしても浮き沈みがでてしまうのは否めません。しかし、今年は吉凶でいえば確実に「凶」に相当していたと思います。
 今回はスプリントレースで前方グリッドを確保すべく、あえてダウンフォースレベルを変えてまでして最高速度を狙いにいきました。にもかかわらず、ライバルを凌駕するには至りませんでした。
 今年1年かけて、ピット作業の手順やトラブルの対処法などひとつひとつの小さなノウハウの積み重ねを続けてチーム全体が進化してきたことは事実です。ただ、来期に向けてはこのシーズンオフの間に、ドライバー、車体、エンジン全ての面において開発を進め、レベルアップを図からなければならないと感じています。

■勝間田エントラント代表コメント
 富士スプリントカップの3日間はそれぞれに路面、気象条件が変化しました。こういった気温の変化、路面温度の変化に対応して、タイヤの内圧などを微調整して理想のセットアップまでまとめきれない部分がありました。
 正直、1台体制のチームでデータの蓄積に厳しいというウィークポイントが露呈してしまったかたちとなりました。フォーミュラ・ニッポンでの「勝利」という山は思った以上に高いというのが実感です。しかし、高い山だからこそ我々が挑戦する価値があるのだと思います。
 一年間、我々を支援していただいたスポンサーのみなさま、Honda、サポーターの皆様に心より感謝いたします。

以上