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2012.05.30

全日本フォーミュラ・ニッポン第3戦
まさかのトラブルを乗り越え連続完走!最後尾からポイント獲得まで後一歩のところまで巻き返す!

シリーズ名:2012年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第3戦 オートポリス
大会名:AUTOPOLIS SUPER 2&4 RACE 2012
距離:4,674km×54周(252.396km)
予選:5月26日(土)晴れ・観衆 5,455人(主催者発表)
決勝:5月27日(日)晴れ・観衆11,650人(主催者発表)

  2011シーズンにTEAM無限が山本選手を起用してからずっと続いていた予選タイムでのQ3進出相当(8位以内)の記録が途絶えた。持ち込みセットの感触もよくフロントローを確保したかに思えたが、まさかの車両規則違反により全予選タイムが抹消された。しかし、ドライバーとチームスタッフは、一丸となって翌日の決勝レースでの最後尾からの追い上げに挑む。決勝レースでは鮮やかなスタートで6番手まであがり3戦連続ポイント獲得かと思えたが、依然としてレース中の走行ペースに課題が残ってしまう。結局、9位で完走となり3戦連続のポイント獲得はかなわなかった。いま、TEAM無限と山本選手は次戦での捲土重来を胸に秘めている。

●5月26日(土)
■フリー走行 1回目 7位
舗装などが改修されたコースを、金曜日のうちに徒歩でくまなく確認するなどの事前準備を入念に行い、第2戦のデータをもとに持ち込んだセッティングで走行、このセッションを7位終えた。フリー走行終了後、オートポリスのコース特性にあわせたクルマの調整をさらに行ない、続く予選にそなえた。

■公式予選 全タイム抹消(ウイングの高さ違反による)
予選2位を確保したかに思えたあと、不測の事態が待っていた。車両規則違反(国内車両規則フォーミュラ第13章2.10.1※)であった。これにより、全予選タイムが抹消されてしまう。山本選手が記録した2番手相当のタイムは、チームのデータによればウィング高によって得られた結果ではなく、足回りなどの車体全体にわたるセッティングによる効果であるだけに、非常に悔しく残念な結果となった。
決勝レースは嘆願書によって最後尾からの出走が認められた。
※国内車両規則フォーミュラ第13章2.10.1: リアホイールの中心線から130mm以上後方にある車体のいかなる部分も、基準面から高さ880mm以上にあってはならない。

●5月27日(日)
■フリー走行 2回目 13位
オートポリスのコースサイドやスタンドには、山本選手の名前をカラフルな赤や黄色の布に大きく描いたフラッグを、TEAM無限の車両が周回するたびに振り続けてくれている多くのサポーターの姿があった。サポーターの応援に結果でこたえられるよう、チームと山本選手は最後尾からのオーバーテイクを魅せるべく、準備とセッティングを行なった。ピット作業の練習も含めて決勝レースにそなえた車両バランスの変化の対策も施した。

■決勝 9位(54周 1時間24分15秒273 ベストタイム:1分31秒757)
スタート直後、進行方向左側に空いたスペースを見つけた山本選手は、グリッド位置から1コーナーのアウトサイドに向かって躊躇なく切り込んだ。そのまま、1コーナーのアウトサイド側の大きな弧を利用して車速を伸ばして走行すると、一気に6番手まで浮上した。これで3戦連続のポイント獲得も視野に入ったと思われた矢先、リアタイヤが思うように作動できず、次第に順位を下げてしまう結果となった。ピット作業でタイヤを交換したあともこの傾向が続き、最後は7番手、8番手の車両まであとわずかのところまで追い上げたものの9位完走でレースを終えた。

■山本尚貴コメント
決勝レースはスタートで順位を上げるしかないと思っていました。オープニングラップで6番手まで上がれたのは自分の予想以上でした。にもかかわらず、レースペースが悪く、ポイント圏内からこぼれての完走となってしまったことは、自分で納得できないし非常に悔しい思いです。予選で一発の速さを出すことには次第に手ごたえを感じてきています。あとは決勝レース中の走行ペースのアベレージを上げることが自分の課題です。走行中、周回のたびに自分の応援旗が振られているのに励まされました。次の富士に向けてチームと十分に対策を練り、みなさまに良い結果を報告できるようにします。

■手塚監督コメント
予選後の車検で車両調整の不備を指摘されたのは、監督である自分の不行き届きが原因です。申し訳ありませんでした。スタッフ一同反省しています。対策をきちんと考えます。
フロントロー獲得!と盛り上がった直後のことだったので、チーム全体が意気消沈しかけました。山本選手にも申し訳なかったです。レースは翌日までに立てた対策の成果で、山本選手がレーススタート直後に6番手まで一気にジャンプアップしてチームも盛り返せるかと期待が高まりました。にもかかわらず、シーズン当初からの課題となっている決勝走行ペースが次第に落ちてくる現象に悩まされ、ポイント獲得を逃したのは非常に悔しいです。シーズンはまだ途中でレースはこれからも続いていきます。皆で修正をかけて今後に備えます。

■勝間田エントラント代表コメント
今回のレースでは持ち込んだセットの感触も悪くなく、微調整を繰り返しただけで順調に進み、予選2位を得たかに思えました。それだけにウィング高の違反は残念でした。翌日の決勝は最後尾からとなりましたが、それにもかかわらず、スタート直後の1コーナーでは6番手まで順位を上げ見せ場をつくってくれました。その後は、開幕からの課題である決勝レース中の走行ペースが伸びない現象に悩まされ9位で完走となりました。車検で違反と判定されたことについて、スポンサー様、ファンの皆様に深くお詫びいたします。次のレースでの巻き返しをチーム一丸となって図ります。