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2012.07.17

全日本フォーミュラ・ニッポン第4戦
変幻する天候に浮上の波をつかめず!まさかのノーポイント・レースに終わる!

シリーズ名:2012年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦 富士スピードウェイ
大会名:2012年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦 富士スピードウェイ
距離:4.563km×55周(250.965km)
予選:7月14日(土)曇り・観衆9,500人(主催者発表)
決勝:7月15日(土)曇り時々雨・観衆:17,700人(主催者発表)

  目まぐるしく変化する天候と路面。この二つを最後まで読み切れず、上昇の波に乗れないままTEAM無限と山本選手は第4戦を終えた。予選ではまさかのQ3進出を逃しただけでなく、決勝レースではシングルフィニッシュすらかなわず、連続してのノーポイント・レースとなった。第3戦からの捲土重来を期して万全の策をもって臨んだだけに、チームスタッフ、ドライバーともに喪失感が否めない結果となった。平均時速160km/h超、最高時速250km/h超というシビアなフォーミュラ・ニッポンではタイヤ、足回り、空力などのどれかひとつのセッティングでのほんのわずかな違いが、250kmという長いレース・ディスタンスで大きな差となることを痛感させられる結果となった。

●7月14日(土)
■フリー走行 1回目 6位
  ウェット宣言が出されたなか、TEAM無限と山本選手もウェットタイヤを選択して持ち込みセットの確認などをした。今回の第4戦にむけて、あたためてきたいろいろなセッティングのアイデアを試行するなかで、クルマのバランスを確認して6位でこのセッションを終えた。

■公式予選 11位(Q1:11位、Q2:11位、Q3:―)
  まさかのQ2ノックアウトとなった。小雨から曇りへと変化したQ1では11番手でかろうじて通過したが、Q2ではその順位を上げることはかなわなかった。計測ラップに入ったタイミングが悪いわけでもなく、ドライタイヤとウェットタイヤの選択を誤ったわけでもない。ドライバーもクルマのバランスが悪くないことを確認できていた。それだけにセッティングのどこが悪影響をもたらしているのか掴めないまま、初めての予選Q2ノックアウトという結果となった。

●7月15日(日)
■フリー走行 2回目 15位
  予選の結果を踏まえて、ラップタイムの改善を図るため、クルマをバランスよくレベルアップさせようと試みた。3回のピット作業をはさんで13周を走行したものの、昨日までの状況を劇的に改善するまでには至らなかった。他車のペナルティによって、グリッドは予選順位よりひとつ繰り上がり10番手であることから、レースの直前までTEAM無限と山本選手はポイント獲得を目指したクルマのレベルアップに取り組んだ。

■決勝 12位(55周 1時間30分15秒578 ベストタイム:1分29秒972)
  状況を打開するためにとった対策のどれもが、結果として当てはまらないまま12位という不本意な順位に甘んずる結果となった。スタート直後、ポイント圏内の最後尾である8位にジャンプアップする。しかし、その後は富士スピードウェイ特有の変幻する天候と路面状況への対応の読みが外れてしまう。

  ドライタイヤで半分濡れた路面状況を走行中に順位が下がる状況を打開するため、一時的に雨が強く降ったタイミングでTEAM無限と山本選手は他チームに先んじてウェットタイヤへと変更する。正確なピット作業でタイヤを交換してコースへと復帰するが、その後は路面が乾いていく状況へと転じてしまう。

  その結果、ドライタイヤのままコース上で我慢して粘ったクルマが上位へと並び、TEAM無限はポイント圏外での12位完走となった。



■山本尚貴コメント
  まったく波に乗れないままの週末となりました。予選Q2でのアタックについて、僕自身がミスなく完璧にこなせたのか? と問われれば自分にも反省する部分があります。でも、直前のフリー走行で確認できていたクルマのバランスが変わっていないのにもかかわらず、予選では思ったようにタイムが出せませんでした。今後はクルマのバランスを保ちながらさらにレベルを上げるための改善が必要だと感じています。次戦は地元のツインリンクもてぎです。それまでに1回リセットをして、良かった時のフィーリングを思い出して速さを取り返したいと思います。

■手塚監督コメント
  いわゆる「ハマった」状態から抜け出せなかったレースとなってしまいました。決勝レース中にいち早くウェットタイヤへと履き替えたのは、ポイント圏外の位置を走っていたからです。もし、ポイント圏内にとどまっていたならば、我慢してドライタイヤで粘る選択をしたかもしれません。雨量が増すと読んで、ポイントを狙うために攻めの姿勢でウェットタイヤへと交換しました。この作戦に悔いはありません。ドライバーもチームもどんな走行条件であっても、ピンポイントで最適なセッティングを選択できるような努力が必要だと痛感しています。つらい状況ではありますが、諦めずにもてぎにのぞみます。

■勝間田エントラント代表コメント
  クルマのバランスが特別悪いわけでもない。でもタイムが出ない。速さが見えてこない。そんな週末でした。雨が強くふったり弱くなったり、コース上が濡れていたり乾いていたりと刻々変化する状況に、どのような対策をしたら速さが取り戻せるのかが掴めませんでした。これはフォーミュラ・ニッポンというクルマを速く走らせるには、その都度、ピンポイントで的確な対応をチームとドライバーの双方がとる必要があるということだと思います。ハード面、ソフト面も含めてまだ我がチームにはこの部分が苦しい状況なのだと思います。もてぎまでに一丸となって巻き返しを図ります。