SUPER GT 2012

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MUGEN

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NEWS & REPORT

「MUGEN CR-Z GT」 SUPER GT
デビュー戦で十分なポテンシャルを発揮!
2012年7月31日

シリーズ名:2012 AUTOBACS SUPER GT SERIES
大会名:2012 AUTOBACS SUPER GT 第4戦 SUGO GT 300km RACE
距離:3.704km×81周(300.045km)
予選:7月28日(土)晴れ・観衆 9,500人(主催者発表)
決勝:7月29日(日)晴れ・観衆27,500人(主催者発表)

  TEAM無限は2012 AUTOBACS SUPER GT SERIES ROUND4(スポーツランドSUGO・宮城県)に、Hondaの技術支援のもと開発したレーシングハイブリッドカーGT#16MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中嶋大祐組)を初めて実戦投入した。市販車ではすでにハイブリッドカーの技術開発が進んでおり、今後はモータースポーツにおいてもモーターアシストシステムや回生エネルギーシステムなどの習得が重要な要素となると考えられる。

  #16MUGEN CR-Z GTはシェイクダウンテストからわずか1ヵ月足らずでのデビューにもかかわらず、予選は25台中9位(GT300クラス。順位は以下同様)と期待以上の成果を獲得。迎えた決勝ではトップと遜色ない走りで一時は2位まで浮上した。しかし、ドライバー交代時のピット作業とエンジン再始動に手間取り大きく順位は後退。それでも16位完走を果たすとともに貴重なデータと経験を得た。

●7月28日(土)
■公式練習 15位
  武藤選手はペナルティポイント累積のため公式練習への出走が叶わず、TEAM 無限はマシンとともにこれがSUPER GTデビューとなる中嶋選手に、セッションすべての時間でステアリングを委ねた。ドライ路面での走行はシェイクダウン以来、しかもレーシングスピードとなると今回が初めてのため、ドライバーの習熟はもちろん、ハイブリッドシステムを筆頭にエンジンやマシンの調整、そしてタイヤとの相性に関するデータ収集に努めた。

■公式予選 9位(Q1:7位、スーパーラップ:9位)
  公式予選は全マシンが参加するQ1と、Q1の上位10台のみが参加できるスーパーラップの2部制で構成され、11位以下はQ1の結果で、1位から10位まではスーパーラップの結果で、それぞれ決勝のスターティンググリッドが決まる。TEAM 無限は公式練習で走り込んだ中嶋選手がQ1を担当し、上位10台に食い込めば武藤選手がスーパーラップを担当する戦略を採った。Q1ではわずか15分間に2回も赤旗が出て中断。

  中嶋選手は1回目の赤旗でタイムアタックを途中で断念する不運に遭い、1分26秒677とこの時点では22位のタイムに沈む。セッション再開後に再びタイムアタックに臨み、1分23秒473まで縮めるものの12位、ここで2回目の赤旗となる。2回目の赤旗後の残り5分間で中嶋選手は三度タイムアタックに臨み、コースの終盤でライバルに進路をふさがれながらも1分23秒088を記録して7位を獲得。

  スーパーラップ進出を果たして武藤選手へバトンを渡した。バトンを受け継いだ武藤選手は、2周のウォームアップののちにわずか1周だけのタイムアタックを許されるスーパーラップで、今大会初めてステアリングを握る。そしてほぼぶっつけ本番と言える厳しい状況ながらも、1分24秒267を記録して9位となった。

●7月29日(日)
■フリー走行 12位
  日曜日朝に設けられたフリー走行では、決勝を前提としたマシンの調整を行った。武藤選手そして中嶋選手ともにステアリングを握り、ベストタイムこそ12位に留まったが、デビューレースへの期待を抱かせる内容だった。

■決勝 16位(72周 1時間49分31秒030 ベストタイム:1分24秒305)
  スポーツランドSUGOはまさに真夏の様相。決勝直前の気温こそ32℃だが、日差しの強さと詰めかけた多くの観客の熱気で、体感気温はそれ以上だった。決勝ではスタート直後の第1コーナーで、GT500クラスのマシンによる多重衝突が発生、あとからスタートして第1コーナーへ飛び込むGT300クラスのマシンには黄旗(追い越し禁止)が振られた。スタートドライバーを務める武藤選手は無事に1コーナーを通過したものの、1周目は10位とひとつ順位を落としてグランドスタンド前に戻る。それでもすぐに9位へ順位を戻し、前方のマシンが接触した15周目には2つ順位を上げて7位へ浮上した。

  さらに、レース序盤にしてタイヤの消耗に苦しんだ前方のマシンが早めのピットストップを実施したことで、レースがまだ折り返しにも届かない30周目には5位と、トップと遜色ない走りで上位集団を構成する。39周終了時点では前方のマシンがピットストップを実施したとはいえ2位となり、デビュー戦での表彰台も視界に入った。TEAM 無限の#16MUGEN CR-Z GTは迎えた41周目終了時点でピットストップ。ドライバーは武藤選手から中嶋選手へ交代し、タイヤ交換、燃料補給を実施してすぐさま戦列に復帰する予定だった。

  ところが、タイヤの脱着とエンジンの再始動に時間を要してしまう。コースへ戻ったときには17位と大きく順位が後退していた。最終的に16位と上位入賞の目標は叶わなかったが、レース中のベストラップタイムは表彰台に乗った3台のマシンを上回るもので、レーシングハイブリッドカー#16MUGEN CR-Z GTのポテンシャルの高さを証明した。



■武藤英紀コメント
  完走することが大事だったので、スタートでは無理をしませんでした。レース序盤のペースが非常に良くてトップが見える位置で走れましたし、ピットストップも先延ばしにできました。GT300クラスへの参戦は初めてでGT500クラスに抜かれながらのレースとなりましたが、GT500での経験を活かしてどこで譲ったらいいかという判断と対応は適切だったと思います。ドライバー交代までいい走りができていました。エンジンの再始動で遅れたのは残念ですが、その直前では2位に上がっていましたし、あのまま行けば表彰台争いができていたかもしれません。ハイブリッドシステムは、まだ、開発途上で未知の領域の部分もありますが、熟成が進めば大きな武器になるのではないでしょうか。

■中嶋大祐コメント
  コースが狭く短いスポーツランドSUGOという特性もあり、後ろから迫ってくるGT500クラスのマシンにうまく抜かれながら、GT300クラス同士ではめいっぱい戦う必要がある、SUPER GTの難しさを痛感しました。精神的に非常に疲れて、自分にとってはハードルが高いレースでした。いっぽう、マシンは初戦にもかかわらず素晴らしいポテンシャルを発揮し、最後まで走りきったことでも分かるように信頼性の高さも証明しました。曲がる、止まるといったクルマの基本性能は現状でも高く、すでに加速で恩恵を感じられるハイブリッドシステムを熟成させていくと同時に、自分もSUPER GTに慣れていけばさらに速さを見せられるでしょう。2戦目以降に期待が持てるレース内容でした。

■熊倉淳一監督コメント
  1ヵ月足らずの実戦投入で、クルマはまだまだ完成したとは言えませんが、初戦を終えてライバルとの比較もできましたし、おおよそのポテンシャルは確認できました。予選では中嶋選手がQ1で7位、スーパーラップでは事前に走れなかった武藤選手が9位に終わりましたが、結果は十分に満足できるものでした。決勝もスタートからピットストップまではトップと遜色ないタイムで走れて、セットアップも適切だったと思います。しかし、いままで経験したことのない連続周回を重ねてからのエンジン再始動にトラブルが発生し、再スタートに手間取りました。これからそのトラブルの原因をよく調べて、次のレースまでに対応します。ハイブリッドシステムについては、どのような使い方が効率が良いのかを試して探りました。予選や決勝で得られたデータを解析して、2戦目以降に向けてより有効な使い方を検討します。


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