SUPER GT 2012

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MUGEN

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NEWS & REPORT

「MUGEN CR-Z GT」 参戦2戦目で
初のポールポジション獲得!真夏のロングランで進化
2012年8月21日

シリーズ名:2012 AUTOBACS SUPER GT SERIES ROUND 5
大会名:第41回インターナショナル ポッカ1000km
距離:5.807km×173周(1,004.611km)
予選:8月18日(土)晴れ・観衆:25,000人(主催者発表)
決勝:8月19日(日)晴れ・観衆:35,500人(主催者発表)

  #16 MUGEN CR-Z GTは、7月28日〜29日にスポーツランドSUGO(宮城県)で開催されたSUPER GTシリーズ 第4戦で実戦デビューし、今回が 2戦目の実戦となる。
  予選ではデビュー2戦目にしてGT300クラスのポールポジションを獲得。迎えた決勝では、タイヤの消耗が当初の予想より早く進んだために順位を落とし、その後追い上げを行ったが、ゴール直前に駆動系のトラブルにより走行不能となり停止した。しかし、 150周を記録していたため完走扱いとなり、総合22位、GT300クラス11位となった。

●8月18日(土)
■公式練習 クラス5位(総合20位)
  真夏の1000kmという、#16 MUGEN CR-Z GTにとっては未知の条件で行われる長距離耐久レースに備え、マシンにはボンネット上にアウトレット・ルーバーを追加したり、リヤフェンダー部に冷却対策が加えられた。フリー走行では本来のハイブリッドシステムに加え、これらの新たに打たれた冷却対策の成果、決勝レースで使用するタイヤの状況、基本的なセッティングの状況について、武藤選手と中嶋選手がステアリングを握り確認が行われた。

■公式予選 クラス1位(Q1:2位、Q2:4位、Q3:1位)(総合15位)
  公式予選は、全マシンが参加するQ1と、Q1のGT300クラス上位16台のみが出走できるQ2、Q2のGT300クラス上位10台のみが出走できるQ3を経てスターティンググリッドが決まるノックアウト方式で行われた。2セッション連続で同一選手が走行することはできない規則があるため、まず薄曇りからときどき陽が射すコンディションのQ1を武藤選手が担当、ニュータイヤを使い早々にGT300クラス2番手となる2分03秒136を記録、2番手のままセッションを終えてQ2進出を決めた。

  晴れになったQ2は中嶋選手が担当、ピットが最も第1コーナー寄りという地の利を活かして先頭でコースイン、ユーズドタイヤを使った最初のアタックで2分03秒288を記録、ピットへ帰還した。このタイムは当初GT300クラスのトップで、その後このタイムを上回るチームも現れたが最終的にはクラス4番手でQ3進出を決めた。

  陽射しはさらに強まり路面温度は48度へと上昇した。Q3を担当する武藤選手はニュータイヤを装着し、コースインするやタイムアタックにかかり、2分02秒130という好タイムをたたき出した。このタイムはこの時点で鈴鹿サーキットにおけるGT300 クラスのコースレコードであった。武藤選手は1周のタイムアタックを終えるとピットへ帰還した。セッション終盤、コースレコードを更新するマシンが現れたが#16 MUGEN CR-Z GTはクラス2番手、総合16番手で公式予選を終えた。ところがセッション後の車検でクラス首位の車両のタイムが車両規則違反により抹消されたため、武藤/中嶋組の#16 MUGEN CR-Z GTの順位は繰り上がり、デビュー2戦目にして GT300クラスのポールポジションを獲得することになった。

●8月19日(日)
■フリー走行 クラス14位(総合29位)
  日曜日朝に設けられたフリー走行セッションは、夜半からの小雨の影響でウェットコンディションとなった。セッション中に雨は止み、走行ラインが乾き始めるという微妙な状況で、決勝を前提としたマシンの調整を行った。

■決勝 クラス11位(150周 5時間44分56秒030 ベストタイム:2分06秒818)(総合22位)
  鈴鹿サーキットの天候は徐々に回復、決勝スタート前には真夏の太陽が照りつけ、気温、路面温度が共に上昇していった。決勝レースのスタートドライバーは武藤選手が務めた。ローリングスタートはクリーンにきられ、ポールポジションからスタートした武藤選手は決勝レースを想定したラップタイムを刻み始めた。しかし10周を過ぎる頃からタイヤの消耗のためペースダウン、クラストップを走るマシンより7秒以上も遅い状況となった。21周を終えて武藤選手は予定より早めのピットインをするがそれまでに順位は総合31位にまで下がっていた。

  交代した中嶋選手は新しいタイヤを装着、本来のペースに戻して快調な走行を始めた。着実に周回を重ねている間に上位のトラブルにも助けられて少しずつ順位を回復、37周目には総合26番手クラス13番手にまで順位を回復した。   ところが拾ったタイヤカスが飛んでボディの一部が損傷したため、やむなく55周を終えたところで緊急ピットイン。ちょうど同じ時に、ヘアピンでアクシデントが発生、セーフティーカーが導入され赤旗によりレースは一旦中断された。

  特別規則では赤旗中断前のセーフティカーラン中にはピットインが禁じられていたため、#16 MUGEN CR-Z GTは違反を問われてレース再開後に60秒のペナルティーストップが課せられ、武藤選手は大きく順位を下げてしまった。

  その後は、当初想定していた決勝レースでのペースに戻り快調に走行を重ね、中嶋選手に引き継ぎ、さらに第5スティントを武藤選手が担当してゴールを目指した。ゴール直前、総合首位を走るマシンが157周目に入ったとき130Rでアクシデントが発生、再びセーフティーカーが入った。この時点で#16 MUGEN CR-Z GTの順位は総合 19位、クラス9位であった。

  ゴールまで残り8周でレースは再開され、武藤選手はゴールを目指した。ところがゴール直前、#16 MUGEN CR-Z GTは突然走行続行が不可能な状態に陥り、ホームストレートをスロー走行で走り抜けると第1コーナー手前で停止、レースを終えた。

  #16 MUGEN CR-Z GTはすでに150周を走り終えており、チェッカーフラッグは受けられなかったが総合22位、クラス11位完走という結果を残した。



■武藤英紀コメント
  SUGOではスターティンググリッドに並べただけで嬉しかったのですが、今回はそこからの開発とみんなのがんばりでなんと予選で1位を取ることができました。自分でも、こんなタイムが出るのかと思うようなタイムで走れ、手応えを感じました。でも、やはり今回もいろいろと課題は見つかったように思います。決勝ではストレートのスピードが遅いので、周回遅れのマシンに引っかかったりしてコーナリングスピードを落としてしまうとストレートで簡単に抜かれてしまうし、今回はタイヤの消耗も速くて厳しい戦いになりました。でもレース後半は安定したペースでは走れました。最後は、急に走り続けられない状態になって止まりました。でもクルマは急カーブを描いて進歩していると思います。

■中嶋大祐コメント
  予選では手応えを感じました。武藤さんがQ3で良いタイムを出してくれたのですが、僕も、ユーズドタイヤで武藤さんの新品を使ったQ1のタイムからコンマ1秒だけしか遅れませんでした。あれ?こんなタイムが出るのか、と思ったほどでした。決勝では当初、タイヤの消耗が速く進んで厳しい状態でしたが、固めのタイヤに切り替えてからは今日のコンディションには合っていたようで、いいペースで走れるようになりました。ポイントが取れるところまで追い上げることもできましたし、僕としては手応えのある週末でした。GTのレースには大分慣れました。前回は右も左もわからずに、譲りすぎた感じがあったので、今回は結構自分のラインを走ることに集中して、自信ができました。次回のレースが楽しみです。

■熊倉淳一監督コメント
  真夏の1000kmという、まったく過酷な条件でのロングランができるかが課題でした。デビュー戦で発生したトラブルも含め、ロングランをすると予想した以上に温度が上がり、各部品が持つ本来の性能を発揮できないことが分かったので対策を施してきました。ハイブリットの制御も更に進化しその結果、予選でポールポジションを取ることが出来ました。上出来のタイムだったと思います。ただ、充放電のバランスを考慮しなければならない決勝では予選のようなアシストはかけられないので厳しい戦いになるだろうと想定していました。

  SCボード提示時のピット作業ペナルティは残念です。ひろったタイヤカスが飛んでボディを破損したのでやむなく緊急ピットインしなくてはならなかったのです。そのタイミングとセーフティーカーが重なってしまったのですが、あのまま「PIT LANE OPEN」ボードが提示するまで走行させボディカウルの破損を拡大させる事はできませんでした。

  マシンは、確実に進歩していると思います。でもまだ課題はたくさん残っています。特に、決勝レースでもトップスピードを伸ばしてタイムが出るマシンに仕上げる必要があります。


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