SUPER GT 2012

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MUGEN

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NEWS & REPORT

「MUGEN CR-Z GT」 参戦3戦目で
初の表彰台獲得!
2012年9月11日

シリーズ名:2012 AUTOBACS SUPER GT SERIES ROUND 6
大会名:FUJI GT 300km RACE
距離:4.563km×66周(301.158km)
予選:9月8日(土)晴れ・観衆:18,200人(主催者発表)
決勝:9月9日(日)晴れ・観衆:33,800人(主催者発表)

  #16 MUGEN CR-Z GTは、7月28日〜29日にスポーツランドSUGO(宮城県)で開催されたSUPER GTシリーズ第4戦でGT300クラスに実戦デビューし、今回が3戦目の実戦となる。

  予選ではハイブリッドシステムの特性を活かしたタイムアタックにより3位につけた。決勝ではスタートから終始上位を走り、大きなトラブルもなく3位でフィニッシュした。前々戦実戦デビューして以来、前戦ではポールポジションを獲得しているが、今回のレースでは参戦3戦目にして表彰台に上がることになった。

●9月8日(土)
■公式練習 3位
  前戦、1000kmレースのフィニッシュ直前に駆動系トラブルを起こした#16 MUGEN CR-Z GTは、レース後各部を綿密にチェックするとともに、暫定対策だったエンジン・ルーム内冷却系の最適化を行って走行に臨んだ。前回、リアフェンダー前端に設けたスリット状のインテークは、リアフェンダー・インテーク内部に移設された。また予定どおり、エンジンをフレッシュエンジンに換装するとともに、トラブルを起こした駆動系にも対策を行った。これらの対策をするために鈴鹿1000kmレース後に行われた合同テストをキャンセル。そのため、土曜日午前中の公式練習は前戦以来の走行となった。新たに打たれた対策の成果、決勝レースで使用するタイヤの状況、基本的なセッティングの状況について、武藤選手と中嶋選手がステアリングを握り確認を行った。

■公式予選 3位(Q1:10位、Q2:9位、Q3:3位)
  公式予選は全マシンが参加するQ1と、Q1の上位16台のみが出走できるQ2、Q2の上位10台のみが出走できるQ3を経てスターティンググリッドが決まるノックアウト方式で行われた。規則により2セッション連続で同一選手が走行することはできない。

  午後から降雨との予想もあったが天候は薄曇り。路面はドライコンディションのままセッションが始まった。まずQ1を武藤選手が担当、ニュータイヤを使い10番手となる1分41秒819を記録、Q2進出を決めた。ポールポジションの車両が記録したタイムからは1秒2遅れである。

  Q2は中嶋選手が担当、継続のユーズドタイヤを使ったアタックで1分41秒856を記録、セッションを2分以上残してピットへ帰還した。この時点で順位は9番手であったがその後タイムを更新するチームは現れず、Q3進出を決めた。

  チームはQ3向けに制御系を含めたセッティングを行い、武藤選手を送り出した。武藤選手はニュータイヤを装着しコースインするとタイムアタックにかかり1分40秒765を記録した。この結果、#16 MUGEN CR-Z GTは3位となった。

●9月9日(日)
■フリー走行 10位
  日曜日は朝から快晴となり気温が上昇した。フリー走行セッションでは、決勝を前提としたマシンの最終調整を行った。

■決勝 決勝 3位(61周 1時間47分37秒911 ベストタイム:1分42秒997)
  決勝は快晴の空の下でスタートした。スタートドライバーは従来通り武藤選手が務めた。ローリングスタートはクリーンにきられ、武藤選手は3番手を守って周回を開始した。するとトップのマシンがスピンしたため#16 MUGEN CR-Z GTの順位は繰り上がって2番手となった。

  しかし決勝レース用のセッティングではコーナリングは速いもののストレートスピードが伸び悩み、後方から追い上げられて8周目のダンロップコーナーで順位を3番手へ落とした。その後武藤選手は3番手を守り、総合でトップを走るマシンが決勝周回数の1/2を消化した時点で31周を走り終えピットインした。ピットでは給油を行うとともにリヤタイヤのみ新品に交換、武藤選手に代わって中嶋選手がコックピットに収まった。 コースに復帰した中嶋選手が34周を終えたときの見かけ上の順位は3番手、ピットストップ時間がライバル車に比較して短かったため事実上の首位に立ったものの、すでに背後にはレース前半首位を走っていた#33が迫っており、36周目の1コーナーでかわされ2番手となった。3番手にも10秒強の差で#31が続き、三つ巴の戦いの様相となっていく。

  中嶋選手は首位の#33とほぼ同じペースで周回していたが、ストレートが速い3番手のマシンとの間隔は徐々に縮まって46周目には2番手を明け渡した。53周目、2番手のマシンがトップのマシンと首位を争う過程でスピンしたため中嶋選手は再び2番手に浮上し、約5秒の間隔で残り約10周を走ることになった。しかし再び3番手のマシンに追いつかれると、60周目に入る1コーナー手前でかわされて3番手となった。その後中嶋選手は安定したペースで周回を重ね自分のポジションを守ってフィニッシュを迎えた。#16 MUGEN CR-Z GTは61周を走って3位に入賞、実戦デビュー3戦目にして表彰台に上がるという結果を残した。



■武藤英紀コメント
  Q1は通過するのが目的なので比較的抑え気味のタイムでした。Q2では少し想定外の状況が起きたので対応してQ3に臨んだら、状況が改善されて良いタイムが出ました。ただ、富士での決勝は苦しい戦いになるだろうと想定していました。そこで表彰台に上がれたことには大きな意味があると思います。

  今日もストレートのスピードは決して速い方ではなくて、結構コーナーでプッシュして稼いで帳尻を合わせる必要がありました。参戦3レース目で結果を出せて、チームのモチベーションも上がるでしょう。前回は予選一発での速さも示せたし、今回は決勝でコンスタントに走れたので、パフォーマンスはどんどん向上しています。

  敢えて課題をあげれば、ハイブリット・システム温度をもっと低い状態に保てるような開発が必要になってくるでしょう。今後はレース中のハイブリッドのアシスト量を増やせればなと思います。3戦目の表彰台には大きな意味があると思います。

■中嶋大祐コメント
  Q2は、もう少しタイムを縮めて余裕をもって通過したかったところでしたが、少し想定外のことが起きたのできわどいことになってしまいました。決勝では、リヤ2輪のみ交換してクルマを引き継ぎました。ストレートスピードの点では、ポジション争いをする場面において苦労しました。タイヤは問題ありませんでしたが、リヤのみ交換したのでバランスは必ずしもベストではなく、少し抑えながら走る必要がありました。

  また、タイヤカスをひろって、それが取れるときに自分のタイヤカスに乗って滑るということが鈴鹿で起きたので、そういうことも想定して走ったので武藤さんよりコンマ数秒遅いペースになってしまいました。ハードという面ではまだ課題がありますが、ソフトの面、ハイブリッドシステムの使い方という意味では開発は飛躍的に進んで、シェイクダウンのときとは比べものにならないほど進化しています。今回は決勝での使い方を今までとは少し変えて、それが功を奏したと思っています。

■熊倉淳一監督コメント
  鈴鹿1000kmで起きた駆動系トラブルの対策に時間がかかって合同テストには参加できませんでした。その間、クルマを全面的にチェックしましたが、1000kmレースを戦って予想以上に消耗している部品もあったので交換できるものはすべて交換してきました。エンジンも予定どおりフレッシュエンジンに換装しています。また冷却系をさらに改修して冷却効率を上げています。前回の鈴鹿1000kmでクルマの弱点を洗い出せたので300kmならば安定して走れるだろうという手応えは感じていました。

  予選の戦い方として、ハイブリッドの特性を活かしアタックする1ラップにすべてのエネルギーを集中させました。その分、アタックのやり直しはできませんが、ドライバーはミスすることなくタイムを出してくれました。

  今できるベストを尽くしたパーフェクトな結果でした。レースも計画通りにピットインして予定通りのラップタイムで淡々と刻み、我々が予想していたよりも良い順位でフィニッシュできました。現状での車両のポテンシャルはすべて発揮できたのではないかと思います。耐久確認ができていない部品も投入していたので不安もありましたが、問題なく走り切れました。

  次戦が行われるオートポリスは、コーナリングマシンであるCR-Zにとっては向いているコースだと思います。アップダウンもあるので安定的にハイブリッドのアシストが使えれば良い結果が出るのではないかなと期待しています。

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