SUPER GT 2012

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MUGEN

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NEWS & REPORT

「MUGEN CR-Z GT」
雨の初コースで熟成を進める!
2012年10月3日

シリーズ名:2012 AUTOBACS SUPER GT SERIES ROUND 7
大会名:SUPER GT IN KYUSHU 300km
距離:4.674km×65 周(303.810km)
予選:9月29日(土)雨・観衆:11,200人(主催者発表)
決勝:9月30日(日)雨・観衆:21,100人(主催者発表)

  #16 MUGEN CR-Z GTは、7月28日〜29日にスポーツランドSUGO(宮城県)で開催されたSUPER GTシリーズ第4戦でGT300クラスに実戦デビューし、今回が4戦目。前戦の富士スピードウェイでは3位入賞という戦果をのこしている。

  第6戦後、ツインリンクもてぎでの合同テストを経て今回のレースを迎えた。オートポリスは、8月に行われた合同テストに参加しなかったため、#16 MUGEN CR-Z GTにとっては初めて走行するコースである。天候はあいにくの雨。フリー走行からめまぐるしく変化するウェット路面に合わせたセッティングとタイヤ選定を進め、雨の予選では16位。決勝は10位でフィニッシュした。

●9月29日(土)
■公式練習 16位
  前戦、富士300kmレースで3位入賞を果たした#16 MUGEN CR-Z GTは、9月16日〜17日、ツインリンクもてぎで開催された合同テストに参加したが、ここでマシンを破損したため、破損箇所の修復に時間がかかり、新しい改良を加えることができないままオートポリスへ入った。

  接近する台風17号の影響でオートポリスは朝から雨となり路面は完全ウェット。まず武藤選手がステアリングを握ってコースイン、走行を開始したが、ほどなくコースをオーバーラン。9時45分には再びスピンしてグラベルベッドにはまり、走行不能になった。マーシャルの手でコースに復帰、自走してピットへ帰還した。10時過ぎ中嶋選手に交代、予選、決勝に向けた各種の確認作業を行った。中嶋選手は14周走行したうちの10周目、このセッションのベストタイムである1分57秒347を記録した。武藤選手のベストタイムは1分58秒454だった。

■公式予選 クラス12位(Q1:16位・2分05秒758、Q2:12位・2分01秒407、Q3:−)
  公式予選は全マシンが参加するQ1と、Q1の上位16台のみが出走できるQ2、Q2の上位10台のみが出走できるQ3を経てスターティンググリッドが決まるノックアウト方式で行われた。規則により2セッション連続で同一選手が走行することはできない。

  セッション開始直前に雨が強まり、コースはヘビーウェットコンディションとなる。まずQ1を武藤選手が担当、レインタイヤを装着して走行するが、タイムは伸びずQ2進出が許されるぎりぎりの16番手のタイム、2分05秒758を記録してQ2へ進出した。Q2は中嶋選手が担当、レインタイヤのままでタイムアタックを行った。雨は小降りとなり路面の水の量が減ったため、ラップタイムは全般的に向上した。中嶋選手も2分01秒407を記録したが、Q2に出走した16台中12番手に終わりQ3進出10台に食い込むことはできなかった。この結果、#16 MUGEN CR-Z GTは12番手から決勝スタートを迎えることになった。

●9月30日(日)
■フリー走行 ノータイム
  日曜日、雨は弱まったもののコースを霧が覆った。朝9時20分からのフリー走行では、まず武藤選手がコースインしたが、ほどなく霧による視界不良のためラップタイムを記録する前に赤旗中断となり、午前11時へ延期となった。しかしその後、霧はさらに深くなり、11時からのフリー走行もキャンセルとなった。

■決勝 10位(61周 2時間11分02秒860 ベストタイム:1分55秒799)
  決勝を迎えたオートポリスは、霧雨の降るウェットコンディションで、安全性確保を考慮してセーフティーカー先導によりスタートが切られた。武藤選手は前方に並んだ車両が間隔を開いて加速したためスタートダッシュを押さえられた形のままレースを開始した。

  武藤選手はクラス11番手で周回を重ねていたが、12周終了時点でアクシデント処理のためセーフティーカーがコースイン、一旦ホームストレート上に停止して改めてセーフティーカー先導によりレースをやり直すことになった。15周終了時点で再スタート。武藤選手はひとつ順位を繰り上げて10番手からレースを再開した。しかしスタートやり直しの間にタイヤが冷えてしまい20周目には後続に順位を譲り13番手まで順位を下げた。

  31周を終えて武藤選手はピットイン、ドライバー交代とタイヤ交換を行った。中嶋選手は11番手でレースを続け、45周を過ぎる頃には雨が上がり、コースが乾き始めた。コンディションが好転したことを受けて中嶋選手のペースは上がったが、順位を入れ替えるには至らない。結局上位車両の脱落により順位が繰り上がって10位で中嶋選手はフィニッシュし、シリーズポイントを1ポイント加えた。


■武藤英紀のコメント
週末を通して雨が降り、厳しいレースになるだろうと予想していたんですが、思ったよりも周囲とのタイム差がなく戦えたと思います。ただ、ポイントを取る速さは示しましたが、表彰台争い、優勝争いに絡むことができなかったので残念です。いけるとおもっていただけに悔しいです。

タイヤ選びという点でオートポリスが初めてで、あくまでも予想でしかタイヤを選んで持ち込めなかったのでハンディはあったでしょう。さらに雨が降って、走る時間も限られてしまったことを考えればベストの結果が出せたと思います。でも、車体とタイヤのマッチング、タイヤに合わせたクルマづくりを詰め切ることは正直なところできませんでした。

リスタート後に順位を落としたのは、タイヤがうまく暖まらなかったからです。後続車を強引に押さえ込もうと思えばできたと思うんですが、そこまでリスクを負う順位でもないと思いました。もちろん抜かれたのは残念です。本当はドライで走りたかったですね。


■中嶋大祐のコメント
難しいレースでした。なかなかグリップ感が得られず、ずっと苦労しました。最後、少し路面が乾いてきたときにグリップが上がってきたのでペースが良くなり、タイムも伸ばすことができて、前の集団に目の前まで追いつきました。最後にそれを抜いて順位を上げられるかなと思ったんですが、最後の最後でタイヤが消耗してしまい、できませんでした。もう少し上のポジションでレースを終えたかったです。

ただ、苦しい中でも自分はミスなく走りきることが出来て、ポイントも取れましたし納得はしています。ただ次以降、特に雨のコンディションには課題が残りました。これまで、タイヤテストを入れても本格的な雨のテストはできていなかったので、それが影響してしまったかもしれません。

レース後半、雨が少なくなったときのコンディションが、今回の自分たちの車と装着していたタイヤの特性にマッチしたようです。でもそれは短い時間しか続かなかったという感じです。最後の数周はタイヤが消耗してしまったのでペースを落とさざるをえませんでした。オートポリスは、なかなかテストができるコースでもないのでドライで走っておきたかったですね。


■熊倉淳一監督のコメント
今回は、もてぎでの合同テストでクラッシュしてしまったのでその修復に時間がかかって予定していた改良ができないまま持ち込んでいます。8月に行われたオートポリスの合同テストは、鈴鹿1000kmのトラブルを修復するのに時間がかかって走っていませんから今回は初めてのコース、しかもこれまでほとんど走ったことのないヘビーウェットでの走行となりました。

現場では、コンディションに適したタイヤチョイスとセッティングを探りました。でも予想以上に雨の量が多くて、タイヤをうまく使いこなすことはできませんでした。武藤選手のスピンも、予想以上に雨が多かったためです。

予選は、ウェットタイヤと路面がうまくマッチできなかったことを認めざるをえません。決勝では、路面コンディションに合わせてタイヤを選択してスタートしました。でもどれだけライフがあるか予想できなかったので、とりあえず(レース距離の)半分を目標にして、予定通り半分でピットに入れました。

タイヤをチェックしたら摩耗的にかなりきわどい状況でした。ピットに入る前に、武藤選手に確認して、同じタイヤで行ける事を判断したうえで中嶋選手にも同じタイヤを4輪とも着け替えて送り出したので両ドライバー共、後半はかなり厳しかったと思われます。全体を通して見れば、大きなトラブルもなく、精一杯の結果でレースを終えることができました。

初めてのコースで雨も降って難しいコンディション、ウェットセットもままならない状況、更に朝のフリー走行も中止でしたが、今回持ち込んだマシンとタイヤでできる最善の結果を出せたと思います。

ハイブリッドについては、ドライかウェットかで収支のバランスは変わってくるので、濡れた路面での充放電バランスをオートポリスというコースの特性も考えて、ベストな状況に仕上げるという作業を進めました。条件に合わせて最大のアシスト効果を得るという点について、今回は短い時間の中ではベストのところへ到達できたと思います。

次は、Hondaのホームコースであるツインリンクもてぎです。全車両、今まで獲得してきたハンディ・ウエイトを下してきますが、CR−Zは、途中参戦のためウエイトを下せません。しかし、与えられた条件の下、全力で頑張ります。

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