無限MUGEN

CR-Z HYBRID

SUPER GT 2014 TEAM MUGEN

Rd.3 AUTOPOLIS

2014年6月4日

MUGEN CR-Z GTトラブルを乗り越えて5位入賞を果たす!

シリーズ名:2014 AUTOBACS SUPER GT SERIES ROUND 3
大会名:SUPER GT IN KYUSHU 300KM
距離:4.674km×65周(303.81km)
予選:5月31日(土) 晴れ・観衆:13,800人(主催者発表)
決勝:6月1日(日) 晴れ・観衆:24,400人(主催者発表)

 #0 MUGEN CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀組)は、5月31日〜6月1日にオートポリス(大分県)で開催されたSUPER GTシリーズ第3戦に参戦した。2012年度途中でデビュー以来、全戦を完走、現在10レース連続ポイント獲得中の#0 MUGEN CR-Z GTは、第2戦で3位に入賞、チーム部門、ドライバー部門ともシリーズポイントランキング5番手につけてこのレースを迎えた。車両については前回から大きな変更は加えられていない。ウェイトハンディは26kgである。

5月31日(土)

公式練習:24位(ベストタイム:1分51秒270)

 午前9時から2時間にわたって、快晴のオートポリスで公式練習が行われた。だが#0 MUGEN CR-Z GTは、出走のための暖機の段階でトラブルが判明、コースインせずに原因究明の作業に入り、一部原因と思われるパーツを交換するなどの対応を行ったが問題は解決しない。

 チームは、現場での原因究明を行っている時間はないと考え、問題が起きていると思われる部品を交換する大がかりな対応を決意した。しかし競技規則上、参加する2人のドライバーが公式練習セッションでコースを走行しラップタイムを記録する義務があるため、トラブルが発生している状態のまま中山選手、野尻選手それぞれコースインし3周を走行してラップタイムを記録した後、作業に入った。

公式予選:9位(Q1:5位 1分46秒405 Q2:9位 1分47秒178)

 公式予選は午後2時から、通常のレース通り、全マシンが参加するQ1と、Q1の上位13台のみが出走できるQ2の、2段階制ノックアウト方式で行われた。チームは、トラブルを解消するため大がかりな部品交換作業を公式練習とのインターバルに進めてトラブルを解消、予選出走に備えた。

 午前中の公式練習で車体のセットアップができていない#0 MUGEN CR-Z GTのステアリングは、まず経験の多い中山選手が握り、Q1突破を狙った。中山選手は1分46秒405を記録、5番手でQ2進出を決めた。Q2では野尻選手がタイムアタックを行ったが、タイムは1分47秒178に留まり、タイム更新を狙った2回目のアタックでもタイムは伸び悩んでスターティンググリッドは出走24台中9番手に決まった。

6月1日(日)

フリー走行:17位(ベストタイム:1分49秒058)

 前日の予選セッションでの感触を元にチームとドライバーはミーティングを行い、決勝に向けたセッティングをまとめ、午前9時から30分間にわたって行われた朝のフリー走行で中山選手と野尻選手が状態を確かめた。中山選手は7周、野尻選手は8周を走ったほか、フリー走行後のサーキット・サファリでも両選手による、決勝に向けたセッティングを進めた。

決勝:5位(59周 1時間59分20秒266 ベストタイム:1分47秒858)

 午後2時の決勝スタートを前に、気温は28度、路面温度は43度に達した。スタートは1周のローリングから滞りなく切られた。スタートを担当した中山選手は、スタート加速で前走車をかわし一旦順位を上げたが、ポジション取りの過程で走路をふさがれる形になってコースから押し出され、逆に順位を13番手、2周目には14番手へ落としてしまった。

 中山選手は、なんとか順位を上げようと攻めて走り、4周目には13番手のポジションを取り戻すが、コーナーで間隔を詰めながらもストレートで引き離される苦しい戦いとなる。25周を過ぎてドライバー交代のピットインをするチームが出始め、#0 MUGEN CR-Z GTの見かけ上の順位は上がり、30周目には7番手となる。

 中山選手は予定通り30周を走り終え、ステアリングを野尻選手に託した。チームは給油とタイヤ交換を行い、野尻選手をコースに送り出した。ピット作業が終わった段階で野尻選手の見かけ上の順位は12番手まで落ちるが、その後上位陣がピットストップをするたびに順位は上がり、39周目には9番手になっていた。迅速でミスのないピットストップで前走車を追い抜いた結果である。

 野尻選手は勢いに乗って41周目、それまでのベストラップとなる1分48秒274を記録して快調に前走車を追った。43周を走り終えたとき、コース上で発生したアクシデントのためセーフティカーがコースイン、隊列を組み直してセーフティカーランとなった。セーフティカーコースインのタイミングにより、#0 MUGEN CR-Z GTはトップのマシンから1周の周回遅れとなってしまったが、この段階で野尻選手の順位は8番手に上がっていた。セーフティカーラン中にピットストップを行う前走車もいて野尻選手の順位はセーフティカーラン中に7番手まで上がった。そして51周を終えた段階でレースは再開された。

 その後野尻選手は快走、前走車をかわして52周目には6番手、54周目には5番手まで順位を上げた。しかしこのときにはすでに4番手との間隔は20秒以上に広がっており追い上げはここまでとなった。野尻選手は最終ラップにはベストラップを1分47秒858まで縮めて5位でフィニッシュした。その結果、TEAM無限は、チームポイント6点(5位)、走行ラップポイント2点(トップから1周遅れ)の合計8点のチームランキングポイントを加算、累計ポイントを26点としたがシリーズランキングは6番手へと後退した。中山/野尻組は6点(5位)のドライバーランキングポイントを獲得し、累計ポイントを19点とし、シリーズランキング6番手につけた。

中山友貴選手コメント

フリー走行を走れなかったのは厳しかったですね。でも、チームも一所懸命やってくれている中で起きたトラブルなのでしかたありません。その中で、予選でQ2まで行けてシングルのポジションからスタートできたんですけど、やっぱり決勝で上位を目指すには難しいポジションでした。

スタートでは1コーナーまでに随分ポジションを上げたんですけど、ぼくの進路を強引に塞ぐクルマがあって、接触してレースをダメにしてしまっては意味がない、結果を残すことを優先しようと引いたんです。そうしたら順位をしかたなく落としてしまいました。

その後は、コーナリングは速いんだけど前を行くライバルにはストレートで離されてしまうんです。特にこのコースは抜きどころが少ないしストレートスピードが立ち上がりから必要なので、抜くのに苦労してしまいました。前がクリアになればペースは良くなるんです。やっぱり、前からスタートしなくてはいけないということですよね。でもそういう状況の中、野尻は頑張ってくれたし、5位で終われたのは良かったですね。

表彰台の近くまでいけたのはチームの力です。シーズンの流れを失ったというわけではないと思うので次のSUGOからが勝負になると思います。

野尻智紀選手コメント

オートポリスは、事前のタイヤテストでは走っていましたが、今週末は気温も上がってコンディションが変わっているのでいろいろ確認したいことがあったし、自分の感覚もスーパーフォーミュラに乗った後なので修正する必要があったので、土曜日の午前中に走り込めなかったのは正直痛かったです。

予選では少しグリップが不足している感じでした。でも、タイムアタックに備えて十分タイヤを温めて内圧を上げることができなかったのは自分の失敗です。その後チームがクルマを修正してくれて、決勝朝のフリー走行ではグリップが増した感じがしました。

決勝では、大きなミスもなく順位を上げられて良かったとは思いますが、クルマにもいくつか課題が見つかりましたし、自分でもアウトラップからの数周、ペースが上げられなかったなど反省点が残りました。セーフティカー明けでは、前のクルマを抜くしかないと心を決めていました。狙って順位を上げられたのは良かったとは思いますが、まだまだ足りないことがあるということもよくわかったレースでした。

熊倉淳一監督コメント

このクルマは、性能調整の影響でFIA-GT3クラスのクルマに対してストレートのスピードが不足しているので、予選で前に行かないとレースが苦しいなということを改めて認識させられたレースでした。まずは、土曜日の公式練習でハイブリット/車両のセッティング・タイヤ選定・予選練習が出来なかった事が勝敗の分かれ目でした。しかしクルマが十分仕上げられなかったにもかかわらず、ドライバーが予選で頑張ってくれてシングルのポジションが確保できました。

公式練習が走れなかったので、ベテランの中山にQ1でのポジションを確保してもらって、そのデータを元に野尻にアタックさせるという作戦を採りました。

決勝は、あのポジションからのスタートでしたけれども、中山はミスなく無事に走りきって帰ってきましたし、精一杯のことをやってくれたと思います。それを受け継いだ野尻もセーフティカー後にプッシュしポジションを上げる事に成功しました。満足に仕上がっていない車両で両ドライバーには、我慢のドライビングをさせてしまいました。週末の流れを考えると、上手くまとめる事ができた結果だと思います。

次戦は更に気温も高くなり、車両・ドライバー共に厳しい熱との戦いになりますが、今回のようなトラブルを出さないよう万全の対策をして臨みますので、引き続き応援の程宜しくお願いいたします。

●リザルト

順位 No. マシン マシン 周回数 タイム差
1 55 ARTA CR-Z GT 高木真一/小林崇志 60Lap 2:00'20.424
2 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 佐々木孝太/井口卓人 60Lap 2.257
3 11 GAINER DIXCEL SLS 平中克幸/B.ビルドハイム 59Lap +1Lap
4 3 B-MAX NDDP GT-R 星野一樹/L.オルドネス 59Lap +1Lap
5 0 MUGEN CR-Z GT 中山友貴/野尻智紀 59Lap +1Lap

●総合ランキング

順位 No. マシン マシン ポイント
1 4 グッドスマイル 初音ミク Z4 谷口信輝/片岡龍也 40
2 11 GAINER DIXCEL SLS 平中克幸/B.ビルドハイム 37
3 55 ARTA CR-Z GT 高木真一/小林崇志 25
4 7 Studie BMW Z4 J.ミューラー/荒聖治 23
5 3 B-MAX NDDP GT-R 星野一樹/L.オルドネス 22
0 0 MUGEN CR-Z GT 中山友貴/野尻智紀 19
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