無限MUGEN

CR-Z HYBRID

SUPER GT 2014 TEAM MUGEN

Rd.4 SUGO

2014年7月22日

MUGEN CR-Z GT 天候が味方せず
シリーズポイント獲得ならず!

シリーズ名:2014 AUTOBACS SUPER GT SERIES ROUND 4
大会名:SUGO GT 300KM RACE
距離:3.704km×81周(300.024km)
予選:7月19日(土)雨・観衆:9,000人(主催者発表)
決勝:7月20日(日)曇り・観衆:28,000人(主催者発表)

 #0 MUGEN CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀組)は、7月19日〜7月20日にスポーツランドSUGO(宮城県)で開催されたSUPER GTシリーズ第4戦に参戦した。    

 今回のレースに向け、夏場の冷却対策でフロントセクションを改修し、強度UP対策でリアセクションを改修し、ストレート・スピードを少しでも稼ぐために、効率UPを狙ってリアウイングをつり下げ式に改修した。今回のウェイトハンディは38kgである。

7月19日(土)

公式練習:2位(ベストタイム:1分27秒978)

 梅雨前線と強い寒気の影響で、スポーツランドSUGOのある宮城県村田町は大気の状態が不安定になり、断続的に雨が降って気温が低下した。土曜日は朝から霧雨が降り、肌寒い気候となる中、レースウィークが始まった。

 練習走行は午前9時に始まった。路面はウェット。中山選手はウェット路面用のレインタイヤを装着してコースイン、セッティングを確かめ野尻選手に交代。まだ走行ラインも出てこない状況で走り始めた中山選手は1分29秒216を記録。野尻選手はセッションが進み、走行ラインができたところで1分27秒978を記録して2位でセッションを終えた。

 本来は午後2時から公式予選がノックアウト方式で行われる予定であり、チームはQ1を野尻選手、Q2を中山選手で闘う戦略でドライバー登録を行い、準備を整えた。野尻選手はコックピットに収まってコースオープンを待った。しかし雨はほとんど止んだもののセッション開始直前に霧がコースに立ちこめ、セッション開始が延期された。その後天候の回復を待ったが視界不良は変わらず、大会審査委員会は午後3時15分、公式予選は不可能と判断し、セッションを日曜朝に順延することを決めた。

7月20日(日)

公式予選:4位(1分27秒855)

 霧による視界不良のため順延された公式予選は、ノックアウト方式ではなく25分間タイムトライアル方式で日曜日の午前9時5分から行われた。予選方式変更に伴い、ドライバーは各チームどちらかが走行すればよいことになったため、チームはタイムアタックを中山選手に任せることに決めた。

 霧は晴れたが、朝から断続的に霧雨が降る状況でコースはまだ濡れており、ウェット宣言が出される中、中山選手はレインタイヤを装着してコースインし、タイムアタックを行った。3周にわたってタイヤをウォームアップすると1回目のタイムアタックに入り1分29秒814を記録してこの時点で4番手につけた。

 だが雨はほぼ止み、セッションが進めばコースにたまった水が減って走行ラインができ、コンディションが好転することが予想できた。中山選手は2度目のタイムアタックでタイムを1分28秒933に短縮、さらに3回目のアタックでは1分28秒684を記録した。セッションも残り5分となったとき4回目のアタックを行い、1分27秒937を記録。この時点で2番手へつけたが、その後ライバル車がタイムアタックを行ってタイムを短縮したため、最終的には4位でセッションを終えることになった。

決勝:11位(72周 1時間48分47秒438 ベストタイム:1分22秒237)

 午後2時の決勝スタートを前に雨は止み、コースは乾き始めていた。各車がコースイン、スターティンググリッドに並ぶ頃には薄日さえ射してコースはさらに乾いていくものと思われた。チームはドライ路面用のスリックタイヤを選び、スタートに備えた。スタートは中山選手が務める。

 ペースカーに先導されてローリングが始まった。通常どおり1周ローリングをした後、スタートが切られることになっていた。ところがローリング中に天候が急変、空から雨が落ち始めた。乾き始めていた路面はみるみる濡れていく。ローリングは急遽さらに2周増やされ、その後にスタートが切られた。

 スタート直後からピットインしてタイヤをウェット路面用のレインタイヤに交換する戦略をとるチームもあったが、中山選手とTEAM無限はスリックタイヤのまま走行を続行することを決めた。中山選手は1周目を4番手で終えたが、濡れた路面コンディションに苦しみ、2周目には8番手、3周目には10番手、4周目は11番手へと順位を落としていった。

 濡れた路面ではレインタイヤを装着した車両が1周5秒近くも速く、同じスリックを装着している車両でも、ABSやトラクションコントロールの使用が許されているFIA-GT3は安定して走れるという、JAF-GT300に分類される#0 MUGEN CR-Z GTには厳しい状況である。

 しかし7周目を迎える頃、空が明るくなり雨も弱まって路面が乾きはじめた。レインタイヤを装着した車両は再びスリックタイヤへ戻すためのピットインを行い、順位が変動した。先頭車が10周目を終えた時点で、#0 MUGEN CR-Z GTは10番手。中山選手は路面が乾いた後はペースを取り戻し、上位車に匹敵する1分22秒237という自己ベストラップを記録しながら39周を走ってピットイン、マシンを野尻選手に引き継いだ。

 野尻選手も中山選手と同じスリックタイヤを装着して給油を終えるとコースに復帰した。先頭車両が45周を終える頃、#0 MUGEN CR-Z GTは13番手。しかし、再び天候が悪化して雨が降り始めた。野尻選手は、乾いた路面では1分22秒735の自己ベストラップを記録していたが、路面が濡れ始めるとペースダウン。チームはできる限りスリックタイヤのまま走行を続ける作戦だったが、ペースダウンが激しくいつコースから飛び出してもおかしくない状況だと判断し、先頭車両が59周を迎えた段階で野尻選手をピットに呼び戻し、レインタイヤに交換してコースへ送り返した。

 野尻選手はその後着実に周回を重ねたが、遅れを挽回することはできず、結局2周遅れの11位でフィニッシュした。惜しくも完走ポイント以上の選手権ポイントを獲得することはできなかった。この結果、TEAM無限は、完走ポイント1点を加えてチームポイントを総計27点としシリーズランキング8番手、中山/野尻組はドライバーポイント総計19点でシリーズランキング9番手となった。

中山友貴選手コメント

ウェットタイヤのパフォーマンスも非常に良くて手応えがありました。ただ、走り始めは本来ならばもう少し硬めのタイヤを使ってタイムアタックをしたいところだったんですが、それをするにはちょっと雨の量が多すぎました。でもそんな状態でパフォーマンスをしっかり出せたと思います。

セッション後半は、タイヤがヒートしすぎている状態で、うまくクールダウンしながらハイブリッドシステムの状態を確かめて、結局タイムアタックしたいんだけど出来ないという状況でした。決勝ではスリックタイヤで走り続けるという作戦は良かったと思っています。でもハーフウェットの状態ではタイヤの熱が奪われてクルマが不安定になってしまいました。順位を落とした最大の原因がそこにあります。

上位陣にいたFIA-GT3車両にはABSがあってブレーキで優位にありましたから対抗することもできませんでした。はっきりしたコンディションならパフォーマンスが発揮できたはずなんですが、今回は天候が味方をしてくれませんでした。ポイントがとれなかったのが悔しいですが、チーム力としては十分なので、次のレースに向けてリカバリーしようと思っています。

野尻智紀選手コメント

雨はどうかなと思ったんですが、土曜のフリー走行では意外と手応えがありました。ただ、ぼくらが心配していたのはコンディションが変わったときにどうなるかで、そこが不透明でした。

実際レースになってコンディションが変わっていく中、やっぱり不安が当たってしまった形です。チームもぼくもベストは尽くしたんですが、やっぱりベストを尽くすだけでは無理な部分もあったので、そこを今後しっかりデータを分析して、どこをどう直せばいいのか解明しないといけません。ドライバーとしてもまだまだピーキーなクルマを乗りこなせていないのでスキルアップが必要です。

雨が降ってきたときには、コースにとどまるだけで精一杯な状況で、当初チームからは『何とか走り続けられないか』と言われたんですが、異常にタイムが落ちてきてしまったのでタイヤを換えることになりました。

何に失敗したわけでもなく淡々と走ってポイントが獲れなかったのは残念です。今年のJAF-GT300は去年ほどのアドバンテージはなくなっているので、もっと智恵を出し合わないといけませんね。

熊倉淳一監督コメント

大きなミスをしたわけでもないのに、一番クルマに合わないコンディションのまま、72周走行したらこの順位だった、という感じです。スタート時に降り始めた雨の時は、前を走る10号車、11号車と同じスリックタイヤのまま走り続けることにしました。判断に迷いはありませんでした。上位はみんなスリックなんだからと。でも我々だけ順位が下がってしまいました。マシンとタイヤの組み合わせが、路面のコンディションにマッチできなかったのでしょう。

野尻も同じタイヤで走り始めたのですが、終盤また雨が降ってきて、ドライバーも『もう無理っぽい』と言うし、タイムも大幅に落ちてきたので、リスクを避けてレインタイヤに換えるためにピットインさせ、そのまま最後まで走りました。電子式の車両制御機能が付いていないCR-Zが一番苦手なコンディションでのレースになってしまいました。次は、ハイスピード・コースの富士ですが、ストレート・スピードの遅いCR-Zでなんとか挽回したいと思っています。

引き続き応援の程、宜しくお願いいたします。

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