無限MUGEN

CR-Z HYBRID

SUPER GT 2014 TEAM MUGEN

Rd.7 Buriram United International

2014年10月9日

初開催のタイで着実に戦果をあげ、
シリーズランキングアップ!

シリーズ名:2014 AUTOBACS SUPER GT SERIES ROUND 7
大会名:BURIRAM UNITED SUPER GT RACE
距離:4.554km×66周(300.564km)
予選:10月4日(土)晴れ・観衆:42,597人(主催者発表)
決勝:10月5日(日)晴れ・観衆:75,168人(主催者発表)

 #0 MUGEN CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀/道上龍組)は、10月4日〜5日にチャーン・インターナショナルサーキット(タイ・ブリーラム県)で開催されたSUPER GTシリーズ第7戦に参戦した。シリーズ第7戦は、今シーズン初の海外戦で、タイのブリーラム県に新たに建設されたチャーン・インターナショナルサーキットのこけら落しイベントとなる。

 完成したばかりとあって、事前走行テストの機会はなく、参加チームはデータを持たないまま初めてのコースの攻略を行わなければならないばかりか、太陽が照りつけ気温は 30度を超える気候や、まだ安定していない路面コンディションなど、非常に厳しい条件にさらされることが予想された。

 TEAM無限では、前戦鈴鹿1000kmレースに出走した際の仕様にセッティング面での改良を加えチャーン・インターナショナルサーキットへ持ち込んだ。

10月3日(金)

フリー走行:21位(ベストタイム:1分38秒371)

 初開催サーキットであることを考慮して、金曜日から特別走行枠が設けられた。#0 MUGEN CR-Z GTのコックピットには中山選手が乗り込み、車両もドライバーも初めてのコースを走り出した。

 レーシングハイブリッドシステムを活用するためには、コースのどこで回生し、どのくらいアシストを行う事が出来るかバランスを確認する必要がある。チームはデータを収集する作業に取りかかる。

 その後野尻選手、再び中山選手、野尻選手と乗り換えながらタイヤ、ギアレシオを確認しながら車体セッティングをまとめていくが、ラップタイムは伸びずに中山選手が22周、野尻選手が20周を走行してセッションを終えた。順位は出走22台中21位にとどまった。

10月4日(土)

公式練習:14位(ベストタイム:1分35秒569)

 快晴の空の下、ドライコンディションで午前の公式練習セッションが行われた。#0 MUGEN CR-Z GTのコックピットには、まず野尻選手が乗ってコースイン、順調にタイムを縮め前日のタイムを更新する。10時半には2番手までタイムを更新した。この時点でのクラストップタイムは55号車の1分35秒509。野尻選手は20周を走って中山選手に交代した。

 交代した中山選手はセッティングの方向性をさらに探るが、競技車両が走り出した結果、新しい路面にタイヤラバーが乗り、路面コンディションも徐々に変化していく状況の中、試行錯誤が続いた。中山選手は20周を走行、1分35秒569を記録した。

公式予選:4位(Q1:9位 1分35秒622 / Q2:4位 1分34秒524)

 午後3時から快晴の空の下で公式予選が行われた。スターティンググリッドは、全マシンが参加するQ1と、Q1の上位13台のみが出走できるQ2の、2段階制ノックアウト方式で決まる。

 チームは、Q1を野尻選手、Q2を中山選手で戦う作戦をとった。野尻選手は8周目に1分35秒622を記録、8番手につけたが、その後順位を落とし9番手でQ2進出を決めた。

 Q2は中山選手が担当した。中山選手は3周目に1分37秒509を記録、その後走行を続行してセッション最終周に1分34秒524へタイムを更新、5位で予選を終えたが、その後ペナルティ車両が生じて順位は繰り上がり、正式なスターティンググリッドは4番手と決まった。

10月5日(日)

フリー走行:11位(ベストタイム:1分35秒904)

 午前9時50分から行われたフリー走行セッションでは、中山選手がステアリングを握ってコースインした。前日までは搭載していなかったクールスーツシステムの作動を確かめるとともに、決勝用セッティングをまとめるため9周を走って一旦ピットイン、各部を調整、確認してコースに復帰、最終的には16周を走って1分35秒904を記録し11番手でセッションを終えた。

 ロングランをしたときの車両の変化を確認するため、フリー走行時間はすべて中山選手が走行を担当したので、続いて行われたサーキットサファリセッションでは野尻選手に交代、20分間走行して決勝に向けて車両の最終的な状況を確かめた。

決勝:9位(60周 1時間39分02秒566 ベストタイム:1分34秒831)

 スタート時刻が近づくにつれ薄い雲が広がり雨の予報も聞こえる状況ではあったが、スタート後は薄曇りから晴れの天候で推移し、心配された雨はやってこなかった。気温30度というコンディションでスタートを務めた中山選手は、予選ポジションを守ったまた第1コーナーへ飛び込み、レースを始めた。

 しかし前方の車両には徐々に引き離され、後方からは攻め立てられる展開となった。  10周まで中山選手はポジションを守ったが、11周目から12周目にかけて後方からの追い抜きを許し、順位を10番手に下げた。ストレートでの立ち上がり加速に勝るFIA-GT3勢に対し厳しい戦いを強いられた#0 MUGEN CR-Z GTだったが、燃料が減って身軽になるにつれてラップタイムが向上していく本来のパフォーマンスが確かめられたため、チームは搭載燃料の限界まで中山選手で周回数を稼ぐ作戦に変更した。

 ライバルチームがレースの折り返しとなる25周を過ぎてピットストップを開始する中、#0 MUGEN CR-Z GTは走行を続けて徐々に順位を上げ、38周目には見かけ上のトップに立った。中山選手は41周を走り終えたタイミングでピットイン。チームは残り周回数を走りきれるだけの最小限の給油と4輪のタイヤ交換を行い、ドライバーを野尻選手に交代した。

 コースに復帰した#0 MUGEN CR-Z GTの42周目の順位は10番手。通常より軽い状態で走り出した野尻選手はFIA-GT3勢と互角のペースで走行するが、前後の間隔が開いており順位を入れ替えるには至らない。

 約2秒前を走行していた車両を追いかけた野尻選手は54周目、ようやくこれをとらえて9番手へ順位を上げた。そしてそのままフィニッシュを迎えた。

 この結果、TEAM無限は、合計6点のチームランキングポイントを加算、累計ポイントを41点としてシリーズランキング8番手となった。中山/野尻組はドライバーランキングポイントを3ポイント加算、累計ポイントを26点とし、シリーズランキング9番手となった。

中山友貴選手コメント

序盤、なんとかスタート時のポジションを守ろうとしたんですが、持ちこたえられなくなって順位を落としてしまいました。単独走行になるとラップタイムは上位と同じか、それよりも速く走れるんですが、FIA-GT3勢に対してはストレートが伸びないので順位争いでは苦しくなります。

ピットインのタイミングはチームにまかせていました。軽くなるにつれてタイムも上がっていったので、ロングランを決めたのでしょう。クルマのセッティングの方向性は、ここまで自分が良いと思うと野尻選手が乗りにくくなるとか、その逆だったりとか、迷っていた面があったんですが、ようやくここでひとつの方向性が見えたと思います。次のレースでは良いところがお見せできると思います。

野尻智紀選手コメント

このコースは、一見すると慣れ親しんだカートコースのようですが、結構進入してから回り込むようなコーナーがあって、難しいコースでした。ここではセッティングの良い方向性が見つかったと思います。決勝ではクルマには何の問題もありませんでした。ただ3本長いストレートがあるのでFIA-GT3と戦うのは難しく、引き継いでからはポジションを守ることに集中して走りました。

順位をひとつだけしか上げられませんでしたが、まだまだクルマにも自分にもできることがありそうだということもわかって、次につながるレースになったと思います。もてぎはブレーキングが勝負コースなので、そこをポイントに,良い結果が出せる走りをしたいと思います。

熊倉淳一監督コメント

ハイブリッドシステムの性質上、予選の順位のまま決勝を戦えるとは思っていませんでした。予選では一発の速さは出せるけれど、決勝では、予選のような使い方ができません。予想通り、ストレートではFIA-GT3勢とのスピード差が10km以上と大きすぎて、前に行かれてしまいました。

ただ、クルマは良い状態に仕上がったと評価しています。前回の鈴鹿では、レース・セッティングの詰めの甘さからタイヤの消耗を早めてしまい、燃料を使って軽くなってもタイムが上がらず、厳しい戦いになりましたが、このレースに向けては、対応策を考えて持ちこんできました。それがうまく働いて、CR−Z本来のパフォーマンスが発揮できました。

それを見て、中山選手で引っ張ることに決め、レース距離の2/3をロングランしてもらったんです。全体を見ると、淡々と推移したレースでしたが、セッティングには良い方向性が見えたので、収穫は大きなレースだったと思います。

次は、最終戦 もてぎ大会です。更に開発して戦いますので、引き続きの応援宜しくお願いいたします。

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