Japan Le Mans Challenge in MOTEGI レースレポート

2006.7. 6

7月1日(土)観客数:2400人
ドライバーズ予選 曇りのち雨/ウェット 気温21度 路面温度24度
16 無限COURAGE LC70 荒聖治/黒澤治樹 1分50秒722 2位

グリッド予選 曇り/ドライ 気温24度 路面温度28度
16 無限COURAGE LC70 荒聖治/黒澤治樹 1分43秒704 2位

■レポート

 7月1〜2日、ツインリンクもてぎで全日本スポーツカー耐久選手権/JAPAN LE MANS CHALLENGE第2戦が行われた。
 荒聖治と黒澤治樹を擁するTEAM無限は、あえて開幕戦を欠場して「無限COURAGE LC70」の熟成を進め、まさに万全を期す形でもてぎに挑んでいた。国内でのシェイクダウンとなるJLMC合同テストでは、リヤウィングの損傷から十分に周回を重ねることはできなかったものの、翌日テストを延長して行った結果、ライバルとほとんど遜色のないタイムをマークするまでとなり、まずまずの手応えを得て第2戦のレースウィークに臨むこととなった。
 金曜日に行われた公式練習ではトラブルもなく、コンディションに恵まれたこともあって順調にプログラムを消化。しかし、予選の行われる土曜日は、夜半の雨によって路面はウエットとなってしまう。予選1回目がスタートする頃には、その雨もやんでいたものの、この時期としては気温も低く、ほぼ無風状態であったことから結果的には最後までスリックタイヤを履くまでにはいたらず、レインタイヤでのアタックとなった。
 その予選1回目は「ドライバーズ予選」として、登録されたドライバー全員が基準タイムをクリアできるかどうかを試すためのセッション。つまり、ここでの結果はスターティンググリッドの決定要素とはならないのだ。
 無限COURAGE LC70は、まずは黒澤が乗り込んで1分57秒000をマーク。一度ピットに戻って12周走った後、荒へとバトンタッチする。セッション後半にはだいぶ路面から水が掃けたこともあり、終了間際に1分50秒722を記録し、2番手という位置につける。
 午後に行われたグリッド予選は、その名が示すとおり決勝グリッドを決めるためのセッションだ。全ドライバーが走る必要はなく、アタックの大任は黒澤に託されることとなった。20分の計測時間のうち5分をピットでの待機に充て、コンディションが整ったことを確認した後、いよいよチームスタッフはマシンをコースへと送り出す。
 インターバルの間に路面はほぼ乾いて、この日初めてスリックタイヤが装着される。タイヤサプライヤーであるミシュランはハードとミディアム、2タイプを用意していたが、TEAM無限はミディアムコンパウンドをチョイスする。
 JLMCではタイヤウォーマーの使用が許されていることから、アウトラップから黒澤は激しく攻め立て、いきなり金曜日の練習タイムに肉薄する1分44秒501をマーク。次の1周をクールダウンに当てて、計測3周目には1分44秒704にまで短縮を果たす。が、その後のタイムアップは叶わず、逆に最大のライバルであるDUNLOP Zytek 05Sは1分42秒019をマークしたことから、無限COURAGE LC70は2番グリッドから決勝レースに挑むこととなった。

熊倉淳一監督コメント
「我々もだいぶクルマに慣れてきて、かなりポテンシャルを引き出しつつあるところです。ただ、ライバルがどれだけのタイムで走るか予想できず、少々ハンディを抱えることは覚悟の上でしたが、1秒ちょっとの差はまぁ予想していたとおりですね。我々のクルマは06年の規定に合わせて作られているのに対し、向こうは04年規定のマシンなので200kgぐらい軽いし、フラットボトムなのでダウンフォースも大きいですから。ただ、1周のタイムではひけをとっても、決勝レースは長いですし、きっちり仕事をこなしてコンスタントに走ってもらえば、十分勝負になると思っています」

黒澤治樹コメント
「順調ではあるんですが、ポールを狙っていたので、正直言って悔しいですね。TEAM無限としての復活レースを、なんとしてもポール・トゥ・ウィンで飾りたいと思っていたので。でも、チームの総合力ではこちらも負けていませんし、何より荒さんと僕の経験はすごい武器だと思うんです。勝ちたいですね、絶対に」

荒聖治コメント
「ザイテックはやっぱり速かったですね。僕が04年にアウディを走らせていた頃、ザイテックはコースによって僕らより速いこともありましたから。だから、2番手に留まりましたけど、調子が悪いわけじゃないんですよ。僕らの中では順調なんですけど、治樹だけはポールがとれなくて不満のようですが。決勝はどんな天候になるか分からないですけど、絶えず変化するような気がするんですよ。そうなればチームの力、それとミシュランの性能が大きく物を言うんじゃないですか」

7月2日(日) 観客数:5600人
決勝レース 曇り一時雨/ドライ 気温29度 路面温度34度
16 無限COURAGE LC70 荒聖治/黒澤治樹 リタイア
ベストラップ 1分55秒710

■レポート

 決勝レース当日の路面は、またしても夜半に降った雨の影響でウェットコンディション。そのため午前8時から行われたフリー走行は、レインタイヤからのスタートとなった。
 最初に乗り込んだのはスタートも担当することになっていた黒澤。ところが、アウトラップでコースアウトしてしまう。幸いすぐにコース復帰を果たし、走行を重ねたものの、突然リヤから白煙が上がり、ピットに戻ることとなってしまう。
 この時点では、ミッションに備えられたセンサーのドレンボルトが外れ、そこからオイルが噴き出しただけと思われたものの、実はダメージはミッション内部にまで及ぶ深刻なものだった。懸命にスタッフが修復を試みるも、初戦ということでスペアパーツが十分でなく、交換を余儀なくされたことから、残念ながら決勝のスタートまでに作業を終えることができなかった。
 それでもスタートから3時間後、メカニックたちの必死の修復の甲斐あって、ようやくエンジンには火が入れられ、マシンがピット前に出された時にはスタンドの観衆から拍手が。ライバルのザイテックもその頃リタイアしていたとはいえ、トップからの遅れは甚大で、もはや上位進出が叶わないのは明らかだった。それでも、最終戦に向けてデータを得るためにも、無限COURAGE LC70はピットを後にしたのだったが……。
 ステアリングを握る黒澤は最初の1周を慎重に、スローペースで走り、そこからペースは上がっていくものと思われた。しかし、間もなく黒澤はピットに戻ってくる。完全な修復はならず、最後まで走行を重ねることは不可能と判断されたからだ。その後、再びピットでの沈黙が続いたものの、ゴール間際にまたマシンはピット前に。もちろん、完走扱いとはならなかったものの、チェッカーを荒が受けてファンの声援に応えることとなった。

熊倉淳一監督コメント
「残念ながら(ミッションを)完全には直しきれませんでした。スペアパーツはあったんですけど、デビュー戦ということで揃っていない部分もあって。最初はオイルポンプのトラブルからで、そこから内部にダメージが広がってしまったようです。最終戦にはより万全を期して、完走できるようがんばります」

荒聖治コメント
「順調に進んでいたのに、決勝になってこんなことになるなんて……。LMP-1を走らせるというのは、それだけ難しいということ。そう甘くはなかったですね。残念です」

黒澤治樹コメント
「疲れるぐらい頑張りたかったんですけどね。それにしてもついてない。とにかく悔しい。この悔しさを最終戦にぶつけます。今度こそ絶対に勝ちますからね!」

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