2017 SUPER_FORMULA

Rd.2 OKAYAMA

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2017年5月30日

RACE1で山本、RACE2でガスリー、山本が入賞。

シリーズ名:2017全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ 第2戦
大会名:2017年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第2戦 岡山国際サーキット
距離:レース1:3.703km×30周(111.090km)/ レース2:3.703km×51周(188.853km)
5月27日(土)晴れ・観衆:7,100人(主催者発表)
5月28日(日)晴れ・観衆:11,000人(主催者発表)
2017年度全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第2戦が、岡山県岡山国際サーキットで開催された。TEAMMUGENは、#16山本尚貴、#15ピエール・ガスリーの2カー体制でこのレースへ参戦した。今回の大会は、通常のシリーズ戦とは異なる、土曜日にRACE1、日曜日にRACE2の2レース制となっている。

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土曜日は、朝にフリー走行を行い、その後20分間の公式予選を行ってRACE1のスターティンググリッドを決め、午後に30周の決勝レースを行う。RACE1では、タイヤ交換は義務付けられない。日曜日は、フリー走行は行われず、午前中にQ1とQ2で争われるノックアウト予選でRACE2のスターティンググリッドを決める。午後に行われる決勝レースの距離は51周で、こちらのレースではタイヤ交換が義務付けられる。

選手権ポイントはRACE1、RACE2で通常の50%、ポールポジションポイントのみそれぞれのレースで1点が与えられることになっている。オーバーテイクシステムは、RACE1、RACE2を通算して5回までと制限される。
 
5月27日(土)
■フリー走行
#16 山本 7位 1分14秒344 #15 ガスリー17位 1分14秒643
土曜日午前8時40分から45分間にわたりフリー走行が行われた。岡山国際サーキットは快晴。路面はドライコンディションである。前日の専有走行で破損した#15ガスリーのマシンは修復され#16山本とともに快調に走行を始めた。

#16山本、#15ガスリーとも、持ち込みセットに微調整を加えながら走行、セッティングを進めた。#16山本は22周を走り、最後に1分14秒344を記録し7番手につけた。#15ガスリーは23周を走り1分14秒643の17番手で走行を終えた。

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■RACE1 公式予選
#16 山本 9位 1分14秒293 #15 ガスリー13位 1分14秒424
空は快晴、コースはドライ、気温20度、路面温度は26度である。コースオープンすると#16山本、#15ガスリーともニュータイヤを装着して中団にコースインした。今大会はRACE1、RACE2を通して4セットのニュータイヤを使用できる。

#16山本は、最初のタイムアタックで1分14秒512を記録、ピットに帰還した。#15ガスリーは1分14秒802を記録して最初のアタックを終えた。

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ピットに帰った2車はマシンに微調整を加え、タイヤを交換してタイミングを待つと、セッション残り6分となったところで#16山本が、残り5分を切って#15ガスリーがコースイン、タイムアタックを始めた。#16山本は狭いコースの中でトラフィックに引っかからないよう自分のポジションを探しながらタイヤをウォームアップ、チェッカーフラッグが振られた後の最終ラップで1分14秒293を記録7番手に食い込んだ。その後このタイムは更新されて最終的に#16山本のスターティンググリッドは9番手と決まった。

ガスリーも最終ラップに自己ベストとなる1分14秒424を記録し、スターティンググリッドは13番手となった。
 
■RACE1決勝
#16 山本 5位 
#15 ガスリー19位
午後3時30分に、RACE1のフォーメーションラップがスタートした。RACE1は30周のスプリントレースでタイヤ交換義務はない。スタートでは#16山本がうまく加速して5番手まで順位を上げた。一方#15ガスリーは1コーナーでイン側にいたマシンと軽く接触、順位を落とすと、ホッブスコーナーで争っていたクルマにフロントウイングを踏まれて破損、フロントタイヤと干渉して白煙を上げる状況となったため、そのままピットへ戻ることを決めた。

チームはノーズコーンとタイヤを交換、#15ガスリーをコースへ送り返したが、ほぼ1周遅れとなってしまった。一方#16山本は5番手につけると前後に約1秒の間隔を確保、ポジションを守りに入った。

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1周遅れになった#15ガスリーは、チームとも相談の上でRACE2に向けた確認に徹することになり、途中自らスローダウンして前との間隔を開き、そこからプッシュしたときの状況を確かめるなど、決勝レースの環境の中で最適な走り方、タイヤの使い方、セッティングの方向性を探る走りを続けた。

30周のスプリントレースはその後大きな動きなく推移し、#16山本はポジションを守って5位でフィニッシュ、選手権ポイントを2点獲得した。#15ガスリーは19位だった。
 
5月28日(日)
■RACE2公式予選
#16 山本 (Q1:19位 1分15秒309 Q2:DNS)
#15 ガスリー (Q1:7位 1分14秒685 Q2:5位 1分14秒566)
快晴の午前9時20分、2段階のノックアウト方式でRACE2の公式予選が行われた。20分間のQ1で19台のうち上位10台がQ2へ進出し、10分間のインターバルを経てQ2でトップ10の順位を争う形式である。

#16山本、#15ガスリーともコースがオープンとなると中団でコースイン、状況を確認すると一旦ピットへ帰還した。この段階で#16山本は14番手、#15ガスリーは18番手。タイムアタックのタイミングを待ってピットに待機していた#16山本、#15ガスリーはセッション残り8分となったところでコースイン、タイムアタックに入った。

最初にタイムアタックを行ったのは#15ガスリー。10周目に1分14秒685を記録してこの時点で4番手へ浮上する。これに続いて#16山本もタイムアタックに入り、セクターではベストタイムを更新し始めた。ところがここでコース上に停止車両が生じたためセッションは赤旗で中断され、#16山本のタイムアタックは打ち切らざるをえなくなった。

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コース整備の後、予選セッションは残り2分30秒で再開された。#16山本はタイムを更新しようとタイムアタックに入った。ところが最終コーナーでコントロールを失ってハーフスピン、マシンを破損することはなかったものの、赤旗前のタイムを更新できず1分15秒431でスターティンググリッド最後尾が決まってしまった。#15ガスリーは、赤旗前に記録したタイムで最終的には7番手でQ2に進出した。

午前10時から10分間で始まったQ2では、#15ガスリーは残り7分の段階でコースイン、タイムアタックにかかった。タイムはQ2のタイムを更新する1分14秒566。スターティンググリッドは5番手となった。
 
■RACE2決勝
#15 ガスリー7位(51周 ベストラップ1分16秒968)
#16 山本 8位(51周 ベストラップ1分16秒191)
午後2時28分、快晴の空の下、決勝のスタートが切られた。気温27度、路面温度41度と初夏のようなコンディションである。スタート合図の瞬間、5番手スタートの#15ガスリーが好加速、前の選手に並びかかろうと進路を外側にとった。しかし前を走る選手が外側によってきたため#15ガスリーはコースをはみ出し、逆にポジションを落とした。

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チームの作戦で、ピットストップのタイミングを決める優先権はグリッド上位にいる#15ガスリーにあった。#15ガスリーとチームは、ポジションを落とした段階で1周目のピットインを決め、タイヤ交換義務を果たすためピットインした。

後方の#16山本は、#15ガスリーに続いて2周目にピットインする作戦も考えていた。しかし2周目にも前方でピットインする選手が多くいたので、「それなら自分は真逆でいこう」とピットインを先延ばししてコース上にステイする作戦に切り替えた。前方の選手がピットインした結果、#16山本の前方には空間ができており、自分のペースで走り続けられる有利な状況になっていたからだ。

ピットインを終えてコースに復帰した#15ガスリーは実質上のポジションをひとつ落とし、見かけ上は11番手でレースを再開した。一方コース上にステイした#16山本の順位は、最初のピットストップが一段落した4周目には見かけ上6番手へと上がっていた。

その後6周目には#16山本は見かけ上5番手へ上がり、レース中盤の周回を重ねた。レースが残り20周となったところで#16山本が動き、ピットインした。タイヤ交換を行いコースに復帰した33周目、#16山本の実質上の順位は、8番手の#15ガスリーに続く9番手となっていた。ステイしている間に#16山本は最後尾から大幅に順位を上げていたのである。レース終盤、#15ガスリーと#16山本は2秒弱の間隔で8番手、9番手を走る。
38周目、上位を走っていた選手が第2コーナーでコースオフしたためセーフティーカーがコースイン、隊列を組んでの走行が始まった。順位は繰り上がって#15ガスリーが7番手、#16山本が8番手。レースは43周目から再開されたが、その後レースでは大きな順位変動は起きず、51周のレースにチェッカーフラッグが振り下ろされた。#15ガスリーは今シーズン初入賞となる7位、#16山本が11台を抜いて8位でフィニッシュした。

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この結果、#16山本はRACE1で2点、RACE2で0.5点、#15ガスリーは1点の選手権ポイントを獲得し、ドライバーランキングでは#16山本がトップから1.5点差の3番手、#15ガスリーが14番手に並んだ。3.5点を加え、チームランキング3番手につけた。
 
■山本尚貴選手コメント
クルマの特性を変えたいんだけど、変えたいところが変わらないという課題を抱えてのレースでした。予選では、走り出しからもっとレベルを上げるためにはどうすればいいのか悩み、9番手に終わりました。それでも、決勝ではスタートを上手く決め、スタート直後の混乱もうまく抜けて5番手へ上がれました。

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RACE1では現状できる精一杯のことはできたかなと思っています。RACE2でも、予選から考えるとベストを尽くせたかなと思います。まさかポイントが取れると思っていませんでした。ステイしているとき1回、ピットからピットに入るか?と言われたんですが、クルマの調子も良かったのでもうちょっと様子を見させてくれと言ってステイを続けました。

失敗した予選からすぐに決勝レースで、精神的にはきついものがありましたが、最後尾からスタートしてポイントが0.5点とはいえ獲れたのでかなり大きな意味があると思います。チームとしても2台入賞できたし、ここから立て直して残りのレースを頑張りたいと思います。
 
■ピエール・ガスリー選手コメント
クルマは、少しアンダーステアが出たり、ブレーキングのスタビリティが足りなかったりと細かい課題はあるが、だいたい良い感じです。

RACE1では、ターン1で外側のラインを走っていたら接触して、3ポジションほど落としてしまいました。今度はターン11でフロントウイングを踏まれて左タイヤから煙が出始めたのでピットに入りました。残念なレースになってしまいましたが、1周ほど遅れてしまったので、RACE2のためのテスト・練習だと思って残りを走りました。

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RACE2ではスタートで外側から前に出ようとしたところ押し出されてランオフエリアを走ったときにタイヤが草を拾ってしまい、グリップが下がり順位を落としたので、そのままタイヤ交換を行いました。その後はプッシュしたのですが、順位を上げるのは難しかったです。

でも選手権ポイントも取れましたし結果が出たことには満足しています。様々なトライをしたので、次の富士ではもっと速いクルマにしてもっと良い成績を残します。
 
■手塚長孝監督コメント
Race1は予選順位とスタートが重要でした。2台共満足いく順位では無かったです。ただし得られる物もあったのでRace2に活かしました。山本選手は良いスタートで5位まで上げましたし、ガスリー選手も試す走行をするなど経験値を増せました。

Race2は山本選手の予選順位は本人が一番悔しかったと思います。ガスリー選手は5位と躍進しましたが、本人はもっと上を目指していました。優勝した19号車とピットインが同じであり、19号車が優勝したことを考えれば悔しいです。クルマのトータルの強さが不足していたと思います。一生懸命に学習しながら走ってくれました。

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山本選手は最後尾スタートという事もあり、ガスリー選手のピット後に判断してくれました。前がクリアーだった事もありピットに入らずタイム確認をしました。中段グループよりはタイムは良かったしスタートが良かったから結果8位となりました。

2台ともですが、優勝できるレベルには無かったことは申し訳ありません。次の富士へ向けてもっとクルマのパフォーマンスを上げられるようチーム全体でしっかりミーティングをして備えたいと思います。

チームとしては不足の課題を捉えて修正し、2台体制を活かして良い結果に繋げていきます。引き続き応援よろしくお願いいたします。