2017 SUPER_FORMULA

Rd.5 AUTOPOLIS

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2017年9月13日

ガスリー、スタート直前の決断で2連勝

シリーズ名:2017全日本スーパーフォーミュラ選手権 シリーズ第5戦
大会名:2017年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第5戦 オートポリス
距離:4.674km×54周(252.236km)
9月9日(土)晴れ・観衆:4,400人(主催者発表)
9月10日(日)晴れ・観衆:10,050人(主催者発表)
2017年度全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第5戦が、大分県オートポリスで開催された。TEAM MUGENは、#16 山本尚貴、#15 ピエール・ガスリーの2カー体制でこのレースへ参戦した。このレースは第4戦に引き続き、ソフトタイヤとミディアムタイヤの2スペック制で行われる。

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9月 9日(土)
■フリー走行
#16 山本 16番手 1分28秒572
#15 ガスリー 11番手 1分28秒120
#15 ガスリーは、メーカーテストで走行して以来のオートポリスで、前日金曜日に行われた専有走行では14周を快調に走って1分29秒898を記録、出走19台中5番手につけた。#16 山本はユーズドソフトタイヤを試し、1分27秒423のベストタイムを記録した。

土曜日午前9時、快晴の空の下でフリー走行セッションが行われた。各チームとも、ソフトタイヤとミディアムタイヤの特性を確認する必要がある。コースオープン後5分が過ぎた頃、#15 ガスリー、#16 山本がコースイン、走行を始めた。


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2人はピットインを繰り返し、タイヤを交換、それぞれのタイヤについてセッティングを確認する作業を進めた。1時間のセッション中、#15 ガスリーは6回、#16 山本は5回のピット作業を行い、公式予選へ向けてマシンを仕上げていった。

セッション終盤にはタイムアタックの練習も行い、#15 ガスリーは1分28秒120、#16 山本が1分28秒572を記録して走行を終えた。
■公式予選
#16山本(Q1:9位 1分28秒698 Q2:8位 1分27秒265 Q3:7位 1分27秒178)
#15ガスリー Q1:7位 1分28秒648 Q2:4位 1分27秒003 Q3:5位 1分26秒738)
タイヤの2スペック制に伴って運用規則が変わり、Q1セッションでは全車ミディアムタイヤを使用、Q2およびQ3では自由と定められた。3回のセッションにわたるノックアウト方式の公式予選は午後1時45分、20分間のQ1セッションから始まった。ここで参加19台から下位5台が脱落する。空には薄い雲が広がったが気温は30度、路面温度は44度と上がっている。路面ドライコンディションである。

#15 ガスリー、#16 山本ともニューミディアムタイヤを装着して後方からコースイン、計測4周にわたって足慣らしを行ってピットへ帰還した。セッション残り6分となったところで全車一斉にコースイン、ウォームアップを始めた。

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その中で#16 山本はいち早く1分28秒698を記録、その時点で4番手につけた。ところがこの直後コース上で発生したアクシデントを処理するためセッションは赤旗で中断され、各車一旦ピットへ戻った。この時点で#16 山本は5番手、アタックができなかった#15 ガスリーは11番手。

Q1セッションは残り3分で午後2時10分に再開された。各車一斉にタイムアタックにかかるが#16 山本はピットで待機に入った。#15 ガスリーはセッション終了のチェッカーフラッグが振られるラップに1分28秒648を記録して7番手、走行を控えた#16 山本は順位を下げたが9番手で、2車揃ってQ2進出を決めた。

7分間のQ2セッションは午後2時28分に始まった。#15 ガスリー、#16 山本ともニューソフトタイヤを装着してピットで待機する。セッション残り4分となったところで#16 山本、#15 ガスリーの順でコースイン、ウォームアップを行いタイムアタックにかかった。

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#16 山本は1分27秒265を記録、その時点で3番手につけた。その後#15 ガスリーは1分27秒003を記録、セッションが終わった段階で#15ガスリーは4番手、#16 山本は8番手で、2車ともQ3への進出を果たした。

8台で上位グリッドを争う7分間のQ3セッションは午後2時45分に始まった。#16 山本、#15 ガスリーはニューソフトタイヤを装着してタイミングを待ち、後方からコースインしてウォームアップを始めた。#16 山本は1分27秒178でその時点での5番手につけた。その後#15 ガスリーは1分26秒738を記録した。Q3の結果、#15 ガスリーのスターティンググリッドは5番手、#16 山本のスターティンググリッドは7番手と決定した。

9月10日(日)
■フリー走行
#15 ガスリー 10番手 1分30秒657
#16 山本 16番手 1分31秒911
日曜朝午前8時50分から30分間のフリー走行が行われた。薄い雲が流れるものの青空が見える晴天で、コースはドライコンディションである。決勝レースでは、最低1回のピットインを行い、ソフトタイヤ1セット、ミディアムタイヤ1セット以上のタイヤを使用しなければならない。

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このフリー走行セッションを使って最終的にソフトタイヤとミディアムタイヤの特性及びそれに対応するセッティングを確認して戦略を決定する必要がある。#15 ガスリー、#16 山本はまずミディアムタイヤを装着してコースイン、#15 ガスリーは6周を走って1分32秒263を記録、#16 山本は8周を走って1分31秒911を記録してピットへ戻った。

ここで両車ともソフトタイヤへ交換、コースへ復帰。#15 ガスリーは11周を走って1分30秒657を記録、#16 山本は9周を走って1分31秒414を記録してフリー走行を終えた。
■決勝
#15 ガスリー 1位(54周 1時間24分28秒619 ベストラップ1分31秒923)
#16 山本 リタイア(38周 59分56秒163 ベストラップ1分31秒225)
決勝レース前に8分間のウォームアップ走行が行われた。#15 ガスリー、#16 山本とも決勝スタートで用いる予定のミディアムタイヤを装着してコースイン、最終的な確認を行った後、一旦ピットへ戻ってからダミーグリッドへついた。

スタート時点で気温は25度、路面温度は33度。空には薄い雲がかかっている。5番手グリッドに並んでスタートを待っていた#15 ガスリーは、コース上での作業が禁止になるスタート5分前直前、ソフトタイヤへ交換する決断を下した。上位10番手までがミディアムタイヤでスタートする作戦を選んでいる中、異例の選択である。

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午後1時5分、フォーメーションラップが始まり、1周した後、スタートが切られた。スタート合図の瞬間、#15 ガスリーは好加速、右列と左列の間に自分の進路を定めて前へ抜け出すと、第1コーナー手前で2番手にまで進出、レースを始めた。その後方ではスタートで出遅れた選手をかわした#16 山本が、第1コーナー進入時に後方から追突される形でスピンオフ、順位を大きく下げた。1周目を終えた段階で#15 ガスリーは2番手、#16 山本は16番手。

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#15 ガスリーはソフトタイヤを装着しトップを走る選手に迫るが、順位を入れ替えるには至らない。しかし3番手以降後続との間隔は周回毎に広がっていき、10周を終えた段階で5秒となった。

#15 ガスリーとトップとの間隔は1秒弱のままレースは進む。一方#16 山本は後方からハイペースで追い上げ、15周目に15番手、7周目に13番手、12周目に12番手、14周目に11番手、18周目に10番手と順位を挽回していった。20周を終えた段階で#16 山本はピットイン、ミディアムタイヤをソフトタイヤへ交換し給油を行ってレースに復帰すると再びハイペースでの走行を始めた。#15 ガスリーは23周を終えた段階でピットイン、ソフトタイヤからミディアムタイヤへの交換と給油を素早く終えた。この結果、見かけ上の順位は8番手へ後退した。

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ソフトタイヤに交換した#16 山本はさらにペースを上げて追い上げを続け。35周目には9番手にまで順位を回復した。ところが38周目の通称ジェットコースターストレート先で突然スピン、エンジンが止まってしまったため、スタート直後の追突の影響でマシンが損傷した可能性も考慮してそこで走行を取りやめリタイアが決まった。

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#15 ガスリーの順位は前方を走る選手がピット作業を行うたびに上がっていき35周目にはトップを走り続ける選手、ピット作業を遅らせた選手に続く3番手となった。トップを走る選手は38周目にピットインしたがピット作業に時間がかかり、コースに復帰したときには#15ガスリーがストレートを駆け抜けて順位を入れ替えて2番手へ上がった。

その直後、見かけ上のトップを走っていた選手がピット作業に入ったため#15 ガスリーは首位に立った。全車がピット義務を負えた段階で#15ガスリーは2番手に2秒8の間隔を開けてトップを走っていた。その後2番手の選手が間隔を詰める場面もあったが#15 ガスリーはトップを譲らず、1秒555の差で2番手を押さえきって優勝のチェッカーフラッグを受けた。

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#15ガスリーは前戦から連勝で2勝目を記録。ドライバーポイント10点を加算して通算25点とし、首位と5.5点差のポイントランキング2番手へ浮上した。無得点の#16 山本は通算10.5点でランキング9番手となった。またTEAM MUGENも10点のチームポイントを獲得しトップと4点差のランキング2番手となった。

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■山本尚貴選手コメント
持ち込みセッティングは良くて、走り出しは良かったんです。この週末は行ける、と思っていました。ただ、その後コンディションに合わせきれなかった面、見極めが弱かった面はありました。それがポールポジションをとれなかった理由です。

決勝は、スタート自体はあまりうまくいかなかったものの、これからと思って1コーナーに入ったとき、後方から、かなり強引な形でぶつけられてしまって、それでレースは終わってしまったようなものでした。ぼくには何もできない状況でした。その後、単独で走ることになったらミディアムタイヤでもソフトタイヤでもペースは良かったので、クルマは良い状態でした。

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最後のスピンは、12コーナーで予期せぬ感覚でリヤが出てしまったのが原因です。何かトラブルが起きたと感じました。工場に戻ってから細かいところを見てもらわないとわからないんですけど、現場では目に見えるような問題は見つからなかったので自分のミスなのかもしれません。クラッチは切ったんですがエンジンが止まってしまいました。これだけ悪いことが重なると苦しいですが、また次頑張ります。
■ピエール・ガスリー選手コメント
2連勝できて最高の気分です。スーパーフォーミュラに参戦したばかりで2回も勝てたのはチームのおかげだと感謝しています。決勝に向けては当初ミディアムタイヤを装着しましたが、スタート直前にソフトタイヤを選択したのは、レースではトラフィックが予想されたので周囲と同じことをやっていては前に行けないだろうと考えたからです。

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スタートして最初の2周で前のクルマをオーバーテイクするつもりでプッシュしましたが、接近するとダウンフォースが抜けるので無理でした。その後はデグラデーションも出始めたので追い抜きは難しくなり、コンスタントに走ることに切り替えました。今日のレースはスタートがすべてでした。

オートポリスは肉体的にもタイヤ的にも厳しいサーキットなのでそこに集中して走っていました。レース後半は、とにかく集中して走ることを心がけていました。次もプッシュするよ。
■手塚長孝監督コメント
金曜日の走り出しは、山本、ガスリー両選手共車両の調子が良かったですね。予選に向けた煮詰めは必要でしたが、公式予選では完璧とは言えないものの、Q3まで行くことができ、また、5位、7位という成績でした。当然2人ともポールを狙っており、また、十分に優勝も狙えるポジションでしたので決勝の戦略立てに苦慮しました。

決勝は2人ともミディアムでスタートして1ピット、と考えていました。しかしながら、グリッドでの状況判断でガスリー選手が周囲とは違う作戦、ソフトタイヤの選択を提案し、(私も)山本選手と異なる作戦も悪くはないと提案を受け入れました。

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そして、スタートですね。前回同様、素晴らしいスタートで(ガスリー選手が)2番手に上がった事がこのレースの全てでした。そして、粘り強く2番手を守ったのも良かったですね。ソフトタイヤの耐久性を懸念はしていましたが、ガスリー選手から、タイヤの状態が良い旨の無線連絡が入ったので、出来るだけ引っ張りました。

ただ、他のクルマにアンダーカットされる可能性もありましたので、ガソリンが減り、車重が少し軽くなったタイミングでミディアムに換えました。終盤でエンジニアがガスリー選手にトップである事を伝え、プッシュを指示したのですが、逆にそのタイミングでタイムが落ちてしまったので、順位を伝えるべきではなかったのかなと複雑な思いです。

山本選手に関しては、スタートでのアクシデントが非常に悔やまれます。山本選手はミディアム、ソフト双方で良いペースで走行し、9位まで順位を上げました。そして、まさにポイント圏内に入ろうかというところで、スピンをしてしまい、エンジンが止まってしまいました。振り返ると安定感に欠けた週末だったとも考えます。次回は是非、(山本選手にも)表彰台に立ってもらいたいです。

残り2大会となりました。更なる問題点を皆で精査し、その改善に善処いたします。関係協力会社やファンの皆様の引き続きの力強い応援、何卒宜しくお願い申し上げます。