2019 SUPER_GT

Rd.5 FUJI

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2018年8月 8日

エンジン換装するも得点にはいたらず

シリーズ名:2018 SUPER GTシリーズ 第5戦
大会名:FUJI GT 500MILE RACE
距離:4.563km×177周(807.651km)
8月4日(土)晴れ・観衆:22,100人(主催者発表)
8月5日(日)晴れ・観衆:38,300人(主催者発表)
#16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐組)は、8月4日(土)~5日(日)富士スピードウェイ(静岡県)で開催されたSUPER GTシリーズ第5戦GT500クラスに参加した。前回第4戦で5位に入賞した結果、ウェイトハンディが14kg増し、車両重量は1034kg+16kg=1050kgとなっている。

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8月 4日(土)
■公式練習:GT500クラス5位(武藤:1分31秒233 中嶋:1分29秒866)
4日午前8時40分から公式練習が始まった。まず中嶋がステアリングを握りコースイン、周回を始める。コースインした中嶋は慎重に周回を始め、6周を走ってピットへ帰還、微調整を行って再びコースインすると8周目に1分39秒334を記録して5番手へ進出した。

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  その直後コース上でアクシデントが発生したためセッションは赤旗で中断された。セッション再開後武藤がピットアウトしようとしたところピットロード出口で  車両が停止、ピットクルーが駆け寄ってピットへ押し戻すことになった。

トラブルの原因は冷却水漏れで、エンジンにダメージが及んだ可能性を考慮しチームは次戦から使用する予定だった今季2基目のエンジンへの換装を決め、急遽作業に取りかかった。武藤の走行は3周のみで終わり、タイムは1分31秒233だった。
 
■公式予選:GT500クラス12位(Q1:12位・1分29秒683、Q2:出走せず)
公式予選は参加15台全車が出走するQ1と、Q1のGT500クラス上位8台のみが出走できるQ2でスターティンググリッドを決定する2段階制ノックアウト方式で行われた。決勝のスターティンググリッドは、Q2に進出した上位8台についてはQ2のタイム順、それ以降はQ1のタイム順で決まる。Q1とQ2は別のドライバーが走行しなければならず、タイヤはQ1で1セット、Q2でさらに1セットが使用できる。

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  午後2時55分から15分間のQ1セッションが始まった。スタッフの迅速な作業でエンジン換装が間に合い、コックピットには中嶋が乗り込んでQ1セッションに出走した。中嶋は好感触のうちにタイムアタックを行ったが、タイム自体は思いの外伸びず、12番手に終わりQ2進出はならないままスターティング グリッドが決定した。

 
8月 5日(日)
■決勝: クラス14位(162周/15周遅れ ベストタイム:1分31秒275)
決勝日は朝から晴天となった。決勝レーススタートに先立って設けられたウォームアップセッションでは、まずスタートを 担当する中嶋がコースインしたが2ラップでピットへ戻り、土曜日トラブルのため3周しか走れなかった武藤が11周を走行、1分31秒281を記録、3番手につけた。

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  決勝レースは通常より長い500マイル=約808km、富士スピードウェイを177周の予定で始まった。スタート時点で気温は32度、路面温度は47度に達した。スタートドライバーは中嶋が務めた。12番手からスタートした中嶋は1周目に11番手、3周目に10番手、4周目には9番手と順調に順位を上げてレースを始めた。

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  チームは5月に同じ富士スピードウェイで開催されたレースで、タイヤ消耗に苦しんだ経験から、このレースでは他チームよりも1スティントを短く取り1回ピット作業を増やす一方搭載燃料を少なくする作戦を採っていた。作戦通りならば1スティント29から30周強を走らなければならない。

ところが快調だった中嶋は20周にさしかかる前に急激なタイヤ消耗を感じとったため、チームは大事をとって予定よりも早い22周目に中嶋をピットへ呼び、タイヤ交換と給油及び武藤へのドライバー交代を行った。マシンを引き継いだ武藤は15番手でレースに復帰、他車がピットインを始めると徐々に順位を回復、37周目には11番手に進出、50周を走ってピットへ戻った。マシンを引き継いでコースに復帰した中嶋はこれまでのベストタイムとなる1分31秒535を記録しながら追い上げ、80周目には8番手まで順位を上げてピットイン、武藤にマシンを引き継いだ。

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  武藤は再び追い上げにかかり8番手まで順位を回復して115周で中嶋にバトンタッチ、中嶋は146周目まで走って、10番手でフィニッシュまでの6スティント目を担当する武藤にマシンを引き継いだ。チームとしてはシリーズポイント獲得を目標としており、最後になるこのピットストップで順位は再び下がるものの、追い上げて10位以内での入賞を目指した。

武藤は期待を背負って追い上げにかかった。しかしフィニッシュまで14周となった163周目、第13コーナーを立ち上がったところで突然コックピットのアラームが点灯、エンジンからパワーが失われた。武藤はそのままアウト側のグリーンに乗り入れてマシンを止め、レースを終えた。

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  この結果、武藤/中嶋組は無得点でシリーズポイントランキングは18番手、TEAM MUGENは完走ポイント1点を獲得しチームポイントランキングで14番手となって、スポーツランドSUGOで開催されるシリーズ第6戦へ向かうこととなった。
 
■武藤英紀選手のコメント
土曜は3周しか走れませんでしたが、日曜の朝少し走れたので助 かりました。そこでのフィーリングは非常に良かったのに、決勝になったら路面温度が急上昇したせいか、バランスが変わってしまった感じです。フリーのときくらい路面温度が低かったり、新しいタイヤに適した条件だったら非常に高いパフォーマンスが発揮できたんだろうなと思います。

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  スゥイートスポットが少しよそに比べると狭い感じでした。でもそんな中でも手応えは徐々に強くなってきているのでそろそろ結果がついてくるだろうと、スポーツランドSUGOでの第6戦は楽しみにしています。
 
■中嶋大祐選手のコメント
土曜朝のフリー走行は、今回持ち込んだ新しいタイヤを使っていい感じで走れて、最初のうちに5番手のタイムが出たので予選が楽しみでした。実際、予選の感覚は悪くなかったんですが、順位を聞いたら、あれ?と拍子抜けする感じでした。路温が急に高くなったり、周囲が午後のコンディションには合ってきたりしたせいかなと思います。

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  決勝は、最初のうちは良い感触で競り合って順位も上げられたんですが、20周行かないうちに突然パフォーマンスが落ちてしまったので予定より早くピットインしました。その後選んだタイヤは比較的安定して周囲と同じ ペースで走れました。でも6スティント作戦だったので、周囲と同じペースではダメなんです。

結局トラブルも出てポイントもとれなかったですし、速さも足りなかったので悔しいです。クルマもタイヤも良くなっているのは事実なので、次のレースではいい結果を出したいです。
 
■手塚長孝監督のコメント
今回、新しいコンパウンドのタイヤを持ち込みましたが、公式練習を途中で打ち切ったため十分にパフォーマンスを確認することができないまま公式予選を迎えました。予選では、バランスやフィーリングは良かったんですが思いの外タイムが上がらず、Q2には進めませんでした。

レースに関しては、予選の順位も順位でしたし、同じ富士で開催された第2戦でタイヤ消耗が課題になった経緯もあったので、軽めのガソリンで他チームより1回ピットストップを多くした5ストップ6スティントの作戦としましたが、最初のスティントでリヤのグリップがかなり下がってしまい、予定よりも早めのピットになってしまいました。そこからは少し耐久力に振ったタイヤに変えて残りのレースを走る作戦に切り替えました。

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  なんとかポイント圏内に行こうと追い上げましたが、燃料系のトラブルでエンジンがふけなくなってしまったので、ストップしてレースを終えました。結果は残らなかったものの手応えはあったので、感触的に得意と感じるSUGOレースでは頑張ります。期待してください。