2018 SUPER_GT

Rd.7 AUTOPOLIS

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2018年10月24日

予選6番手からスタートするもシリーズポイントには届かず

シリーズ名:2018 AUTOBACS SUPER GT SERIES ROUND 7
大会名:AUTOPOLIS GT 300KM RACE
距離:4.674km×65周(303.81km)
10月20日(土)晴れ・観衆:10,550人(主催者発表)
10月21日(日)晴れ・観衆:20,380人(主催者発表)
#16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐組)は、10月20日~21日にオートポリスインターナショナルレーシングコース(大分県)で開催されたSUPER GTシリーズ第7戦GT500クラスに参加した。今回のレースではウェイトハンディが半減される。#16 MOTUL MUGEN NSX-GTは前回のレースを通算シリーズポイント8点で迎え、車両重量1044kg+16kg=1060kgで闘って4位に入賞した。

その結果シリーズポイントを8点獲得、通算シリーズポイントを16点に増やしたが、ウェイトハンディ半減措置により今回のレースではウェイトハンディが通算シリーズポイント×1kgとなるため、今回のレースも前回と同じ車両重量1044kg+16kg=1060kgでスタートする。

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10月20日(土)
■公式練習:GT500クラス8位・武藤:1分33秒876 中嶋:1分36秒763
公式練習は午前9時、快晴の空の下、ドライコンディションで始まった。サーキットのある阿蘇山周辺の気温は15℃と冷え込んだ。

#16 MOTUL MUGEN NSX-GTには武藤が乗り込み、持ち込んだソフトタイヤとミディアムタイヤのパフォーマンス確認と比較を行った。後半、中嶋がステアリングを握り走行、セッション終了後でのサーキットサファリでは再び武藤が乗って走行を行った。タイムを稼ぐセクター3でアンダーステア傾向があり、チームは対策に追われた。

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  武藤は総計22周を周回し21周目に予選を想定したタイムアタックのシミュレーションを行ない、ベストタイム1分33秒876を記録。ユーズドタイヤのみで走行した中嶋は8周を走って2周目に1分36秒763を記録した。#16 MOTUL MUGEN NSX-GTは出走15台中8番手であった。
 
■公式予選:GT500クラス6位(Q1:8位・1分33秒339、Q2:6位・1分33秒150)
公式予選は参加15台全車が出走するQ1と、Q1のGT500クラス上位8台のみが出走できるQ2でスターティンググリッドを決定する2段階制ノックアウト方式で行われた。決勝のスターティンググリッドは、Q2に進出した上位8台についてはQ2のタイム順、それ以降はQ1のタイム順で決まる。Q1とQ2は別のドライバーが走行しなければならず、タイヤはQ1で1セット、Q2でさらに1セットが使用できる。

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  チームはQ1に武藤、Q2に中嶋という従来と同じ組み合わせで公式予選に臨んだ。空は快晴、路面はドライ。武藤は1分33秒339を記録、8番手でQ2進出を決めた。Q2を担当した中嶋は、1分33秒150を記録、スターティンググリッドは6番手と決定した。
 
10月21日(日)
■決勝: クラス14位(64周 1周遅れ ベストタイム:1分35秒808)
決勝日を迎えたオートポリスは前日同様快晴となった。気温は前日よりも上がり正午の時点で17℃となった。決勝レース前に設けられた20分間のフリー走行ではスタートを担当する武藤が走り込み、前日から課題になっていたアンダーステア傾向を解消するため最後のセッティング変更が行われた。タイムは1分39秒541で、全体の13番手であった。

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  スタート合図の後、武藤はポジションを守ってレースを始めた。序盤、武藤は前後と1秒前後の間隔を守って周回を重ねたが、8周目の第1コーナーで後続車がアウト側から並びかかり、武藤はタイヤをロックさせて減速して順位をひとつ落とすことになった。前日から、ロングランするとアンダーステア傾向が強まってタイヤを消耗させるという症状は消えておらず武藤は徐々に苦しい走りを強いられるようになり10周目には8番手、13周目には9番手と後退した。19周目、武藤は第1ヘアピンで減速しきれずオーバーラン、後続車のオーバーテイクを許して12番手となった。

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  20周目に停止車両を排除するためセーフティカーがコースイン、レースは25周目から再開された。この頃からルーティーンピット作業を行うチームが出始めたが#16 MOTUL MUGEN NSX-GTは周回を続け、徐々に見かけ上の順位は上がっていった。レースの折り返し点となる32周目、見かけ上の順位を4番手にまで上げたところで武藤はピットイン、タイヤ交換と給油を行い中嶋に交代した。

中嶋は13番手でレースに復帰、36周目に12番手に順位を上げシリーズポイント獲得に向けて前走車を追った。ところが47周目の第1コーナーで周回遅れのGT300車両をインからオーバーテイクしようとしたところGT300車両がイン側に寄ったために接触、失速したところイン側に後続車が並びかかったため挟まれる形になって中嶋は居場所を失い、再び接触して左側前後フェンダーとホイールに損傷を受けてしまった。

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  中嶋はそのまま走行を続けることができたが接触によりホイールアライメントが狂い、フロントフェンダー上面が脱落して空力バランスも変化した影響でペースが落ち、苦しい走りとなった。中嶋はシリーズポイント獲得に向け走行を続けたが、フィニッシュまで5周を切ったところで車両に強いバイブレーションが発生したため走行続行を断念、緊急ピットインしてタイヤ交換を行い、再びコースへ復帰した。結局中嶋は1周後れの14位でチェッカーフラッグを受けレースを終えた。

この結果、武藤/中嶋組は無得点でシリーズポイントランキングは15番手、TEAM MUGENは1周遅れの完走ポイント2点を獲得しチームポイントランキングで14番手につけてツインリンクもてぎでのシリーズ最終戦を迎えることとなった。
 
武藤英紀選手のコメント
うまくハマらない週末でした。クルマ自体は速かったのに、(タイヤの)温度レンジを外れてしまったのかなあという感じです。路面温度が少し足りなかったのか、走っていると表面だけでどんどん滑って しまうという感じになってつらい走りになってしまいました。

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中嶋大祐選手のコメント
これまでの経験から、オートポリスでは一発についてはクルマとタイヤの相性は悪くないので、予選はそこそこ良いポジションを狙えるだろうと期待していました。Q2に進んで6番手は悪くないポジションだったと思います。でも連続周回するとアンダーステアが強くなってフロントタイヤに厳しい感じになるので、レースで結果を出すのは簡単ではないだろうと覚悟してレースに臨みました。

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  やはり武藤選手のスティントから周囲に対してペースが上がらず厳しいレースになってしまいました。後半、接触したときにはまだシリーズポイントの可能性もあったのでなんとか走り続けようと思ったのですが、だんだんダメージが激しくなってピットインしました。そのときソフトタイヤに換えたら感触が良かったので、当初からちょっと違う選択をしていた方が良かったのかもしれません。
 
手塚長孝監督のコメント
前回のレースで高いパフォーマンスを発揮したタイヤを使って今回も闘う作戦でしたが、レースでは厳しいだろうなと考えていました。セクター3でアンダーステア傾向が強く、長く走っているとフロントからクルマのバランスが崩れてタイヤの消耗が進んでしまう症状があり、対策をしたのですが良い結果が得られませんでした。それでも予選ではそれなりの速さを出せてQ2に進み6番手でスタートすることができました。

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  レースではやはりセクター3のアンダーステアが不安で、レース前20分間のフリー走行でセッティングを変更してレースに臨みましたが、順位を少しずつ落としていくような状況になってしまいました。後半、接触の影響でクルマの状態が悪くなり、残り5周でバイブレーションが激しくなってドライバーがめいっぱいだと報告してきたので安全のためピットインしてタイヤを換えました。ホイールのリムが2本割れており危ない状況でした。シリーズ最終戦は悔いの残らないよう全力で闘います。