2014 SUPER FORMULA

無限MUGEN

TEAM MUGEN

Rd.4 MOTEGI

2014年8月28日

TEAM無限 手応えを感じつつ
ノーポイントに終わる。

シリーズ名:2014全日本選手権スーパーフォーミュラ第4戦
大会名:2014全日本選手権スーパーフォーミュラ第4戦 もてぎ2&4レース
距離:4.801km×52周(249.652km)
予選:8月23日(土)曇り・観衆:10,000人(主催者発表)
決勝:8月24日(日)曇りのち雨・観衆:16,000人(主催者発表)

 全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第4戦が、栃木県ツインリンクもてぎで開催された。TEAM無限は、#1山本選手、#2中山選手の2カー体制でこのレースに臨んだ。新型車両であるSF14にとってツインリンクもてぎでのレースは初めて。競技規則によりこのレースで新しい仕様のエンジン投入が許されたので、TEAM無限の2車とも新仕様のHonda HR-414Eエンジンを搭載している。

 レースを運営するJRPは、ツインリンクもてぎはコースレイアウト上ブレーキの負荷が非常に高いとして、ブレーキ負荷軽減の観点から燃料流量を減らし燃料リストリクタースペックを第3戦までの100kg/hから90kg/hとすることに決めた。また、ブレーキ冷却を促進するために開口部を拡大したブレーキダクトを装備している。

8月22日(金)

占有走行 
#1 山本 3位 1分33秒632
#2 中山 15位 1分35秒682

 22日金曜日15時から1時間、17時10分から30分間にわたり、ドライ路面で占有走行が行われた。#1山本選手、#2中山選手はそれぞれの課題に沿って車両の確認を順調に終えた。

8月23日(土)

フリー走行
#1 山本 8位 1分33秒253
#2 中山 18位 1分34秒305

  23日土曜日、8時30分から1時間にわたり、ドライ路面でフリー走行が行われた。ツインリンクもてぎの上空は薄い雲が流れているが晴れており、気温が上昇し始める中、予選に向けて最終的なセッティング確認が行われた。#1山本選手は17周を走り8番手、#2中山選手は21周を走り18番手でセッションを終えた。

公式予選
#1 山本(Q1:− Q2:− Q3:−)
#2 中山(Q1:− Q2:− Q3:−)

※2014年JAF国内競技車両規則違反(第13章 第4条4.3.1および4.4.1)により予選タイム抹消

 公式予選は、3回のセッションにわたるノックアウト方式で行われる。全車が出走するQ1でのタイム順で上位14台がQ2へ進出、それより下位はそのままスターティンググリッドが決定。Q2の上位8台がQ3へ進み、9番手から13番手はそのままスターティンググリッドが決まり、最終的にQ3の順位で上位8台のスターティンググリッドが決まるという、通常通りの競技規則になっている。

 Q1は気温32度、路面温度48度というコンディションで、13時15分からドライコンディションで始まった。前半、タイムアタックのシミュレーションを行った#1山本選手は3周目に1分34秒220を記録、#2中山選手は4周目に1分35秒100を記録してピットへ戻った。この時点で#1山本選手は9番手、#2中山選手は18番手につけている。

 セッション残り6分を切ったところで、本格的にタイムアタックが始まった。#1山本選手は7周目、この時点でのツインリンクもてぎにおけるコースレコードとなる1分32秒688を記録してトップに立った。このタイムをもって#1山本選手はQ2進出を果たした。#2中山選手は8周目に1分35秒020に終わり、Q1で予選を終えた。

 14時10分、Q3のためにコースがオープンとなったが、#1山本選手は最後までピットに留まり、最後尾でコースイン。2周目に1分33秒450を記録し2番手につけると本格的にアタックにかかろうとしたが、周回途中でスローダウンし、そのままタイム計測を行わずにピットへ帰還した。フロントサスペンションのキャンバーシムが脱落した結果、操縦性に異常が発生したため大事をとっての判断であった。その結果、#1山本選手は8位で公式予選を終えた。

 予選終了後、TEAM無限のマシン2台に2014年JAF国内競技車両規則違反(第13章 第4条4.3.1および4.4.1)により予選タイム抹消の裁定が下った。チームは予選のインターバル時に熱害の懸念があるGCUやエンジン部品などを冷却するためにドライアイスを使って送風していたが、ピットアウト時にドライアイスの取除き確認を怠り、装着したまま走行してしまったことが原因であった。

 TEAM無限はこの裁定を真摯に受け止め、再発防止に努めるようチームの意志を改めて固めた。決勝レースには、最後尾から#1山本選手、#2 中山選手の順で出走することになった。

8月24日(日)

フリー走行
#1 山本 3位 1分35秒099
#2 中山 15位 1分36秒115

 9時50分から30分間にわたってフリー走行が行われた。午後には降雨の天気予報も見られたが、この時点でツインリンクもてぎの上空は晴れており、強い日射が照りつけている。#1山選手本、#2中山選手はコースオープンと同時に先頭をきってコースイン、周回を重ねた。途中1回のピットインを含め、#1山本選手は16周、#2中山選手は15周を走行し、ピット帰還前にはホームストレート上でスタート練習を行って、決勝レースへの準備を終えた。

決勝レース
#1 山本 15位(51周 1時間36分27秒018 ベストラップ1分35秒251)
#2 中山 12位(52周 1時間36分38秒200 ベストラップ1分35秒913)

 15時の決勝スタートに向けてツインリンクもてぎ上空の天候は悪化の兆しを見せ始め、薄曇りの下でスタートが切られた。出走予定の1台がコースインできずピットスタートとなったため、#1山本選手は17番手、#2中山選手は18番手からのスタートとなった。

 スタートすると、#1山本選手、#2中山選手とも最後尾からポジションを上げようと前走車を攻めた。#1山本選手は3周目には15番手へと順位を上げさらに順位を上げようとスキを狙った。しかし10周目、#1山本選手にドライブスルーペナルティの裁定が下った。スタート時、ピットスタートの車両があり、その影響でポジションを誤ってグリッドにつきスタートしたためだった。

 ドライブスルーを終えた#1山本選手の順位は17番手、先頭車両との間隔は42秒という状況だった。#1山本選手はペースを上げ、13周目にはファステストラップを記録した。タイヤ交換のピットストップを早めにする車両も出てきたため14周目には#2中山選手が先頭から33秒806遅れの9番手、#1山本選手が42秒270遅れの10番手というポジションとなった。#1山本選手は16周目に自身のファステストラップを更新、追い上げた。

 18周目、#1山本選手はピットイン。短いピットストップでタイヤを交換、給油を行ってコースに復帰しようとしたが、コースイン時にエンジンがストール、スターターでエンジンを再始動しなければならず逆に大きなタイムロスを強いられた。

 #1山本選手は17番手まで順位を落としてしまったが、追い上げをあきらめず22周目には自身のファステストラップを更新する1分35秒647を記録。この時点で#2中山選手は8番手を走る。#1山本選手は独走する先頭車両よりも速いペースで追い上げを行う。

 30周を終え、ピットストップを遅らせたため、この時点で4番手まで見かけの順位を上げていた#2中山選手がピットイン、給油とタイヤ交換を行った。32周の段階で#1山本選手は16番手、#2中山選手は14番手につけていた。

 34周目、小雨が落ち始めたが路面を濡らすほどではない。#1山本選手は37周を終えたところでピットイン、2度目の給油とタイヤ交換を行った。このレースでは車体を軽くしてペースを上げる2ストップ作戦を採用するチームはほとんどいなかったが、#1山本選手はペナルティで最後尾スタートとなってしまったため敢えて2ストップ作戦で奇襲をかける作戦だった。ところがまたもやコース復帰時にエンジンがストール、逆にタイムロスして作戦は裏目に出てしまった。

 先頭車両が40周を迎える頃、突然雨が激しくなり土砂降りの状況となった。スリックタイヤで走り続けられるコンディションではなく、#1山本選手、#2中山選手を含め、ほとんどの車両が予定外のピットインをしてタイヤ交換を行った。この混乱が終わった段階で#2中山選手が12番手、#1山本選手は15番手となった。

 46周目、コンディションの悪化を理由にセーフティカー(SC)がコースイン、追い抜きが禁じられ隊列を組んでSCランに入り、コンディション回復を待つことになった。しかしコンディションは回復せず、結局そのまま52周を走りきり、チェッカーフラッグが振り下ろされた。

 このレースでは#1山本選手、#2中山選手とも選手権ポイントを獲得することができず、現時点でのランキングは#1山本選手、TEAM無限とも累積ポイントは6点で、#1山本選手はランキング10番手、TEAM無限はランキング6番手につけている。

山本尚貴選手コメント

今週末、走り出しでクルマもエンジンも明らかに状況が良くなったと確認できました。ただその後は、いろいろなことが裏目に出て、まったく思い通りにはならないままレースが終わってしまいました。一旦噛み合わなくなってしまった歯車を元に戻すことができませんでした。それができなかったという点ではぼくも責任を感じています。ただ、状況は確実に良くなっているので、気持ちを切り替えて次のレースで結果を出します。

中山友貴選手コメント

これまで、どうしても1号車と同じようなフィーリングで走れない点を迷い続けていて、予選もタイムが伸びないまま終わってしまいました。でもその後で徹底的に検討をしてヒントを見つけ出しました。決勝ではようやく良い感じになって、セカンドスティントはタイムも伸びました。でもやっぱり予選順位が大きく影響するなと痛感しました。そういう意味では、結果は残せませんでしたが次のレースに向けて大きなステップを踏めたと思います。

 

手塚長孝監督コメント

クルマ、エンジンともにいい感じで仕上げてきたんですけれども、今週末はいろいろあって結果が出せなくて、協力して下さった方、応援してくださった方に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。この週末、レース中も含めていろんなトラブルもありましたが、もう一度すべて見直して、次のレースに臨みたいと思います。

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