2014 SUPER FORMULA

無限MUGEN

TEAM MUGEN

Rd.7 SUZUKA

2014年11月13日

山本選手2戦連続でポイント獲得! 
Honda勢トップでシーズンを締めくくる!

シリーズ名:2014全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦
大会名:2014 SUPER FORMULA Round7 JAF GRAND PRIX SUZUKA
距離(RACE1) : 5.807km×20周(116.140km)
距離(RACE2) : 5.807km×28周(162.596km)
予選:11月8日(土)曇り・観衆:12,000人(主催者発表)
決勝:11月9日(日)雨・観衆:12,000人(主催者発表)

 全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ第7戦(シリーズ最終戦)が、三重県・鈴鹿サーキットで開催された。TEAM無限は、#1山本尚貴選手、#2中山友貴選手の2カー体制でこのレースに臨んだ。このレースはJAF GRAND PRIXの冠がつき、通常とは異なる2レース制で行われた。

 なお、決勝レース1のスターティンググリッドは公式予選Q1の順位で、決勝レース2のスターティンググリッドは公式予選Q3が終わった段階での順位で決定する。決勝レース距離はレース1が20周、レース2が28周のスプリントレースである。

 燃料リストリクタースペックは、前回までの瞬間最大流量90kg/h(オーバーテイクシステムは、レース中5回にわたって最大流量を95kg/hへ増量)から最大流量100kg/h(オーバーテイクシステムは、レース中5回にわたって最大流量を105kg/hへ増量)へと再び引き上げられた。

 ただし#1山本車、#2中山車については、規定外のエンジン交換を行ったため、ポイントランキングに名を連ねた#1山本選手は、決勝レース1のスターティンググリッドが10グリッド降格の扱いになる。

11月8日(土)

フリー走行
#1山本 13位 1分39秒489
#2中山 17位 1分40秒014

 8日土曜日、9時15分から1時間にわたり、ドライ路面でフリー走行が行われた。天候は薄曇り、コースはドライコンディション。#1山本選手は13周、#2中山選手は10周を走って予選に向けて持ち込みセッティングから調整を行った。セッティングの調整に時間がかかり、周回数を稼ぐことができなかったためタイムも伸び悩み、#1山本選手は13番手。#2中山選手は10周を走ったところでコースオフ、17番手でセッションを終えた。

公式予選
#1山本(Q1:6位 1分38秒474 / Q2:11位 1分38秒434 / Q3:−)
#2中山(Q1:12位 1分39秒036 / Q2:13位 1分39秒01 0/ Q3:−)

 公式予選は、3回のセッションにわたるノックアウト方式で行われる。今回は2レース制を受けて、まず全車が出走するQ1でのタイム順でレース1のスターティンググリッドが決定する。レース2のスターティンググリッドは、Q1での15位以降はそのままレース2のグリッドとなるが、Q1の上位14台はQ2へ進出、Q2の上位8台がQ3へ進むという通常のノックアウト方式予選が行われ、9番手から13番手はその順位でレース2のスターティンググリッドが決まり、最終的にQ3の順位で上位8台のレース2でのスターティンググリッドが決まるという競技規則になっている。

 13時30分、Q1セッションは薄曇りの空の下で始まった。路面温度は26度。#1山本選手は快調にタイムを縮め1分38秒932を記録、ピットへ帰還してセッション後半のタイムアタックに備えた。#2中山選手も、1分39秒644を記録、上位につけてタイムアタックに備えた。

 セッション残り6分30秒を切ったところで各車続々とコースイン、タイムアタックを行った。#1山本選手はセクター2こそ速かったものの他のセクションでのタイムが伸び悩みラップタイムは1分38秒474の6番手、#2中山選手は1分39秒036の12番手でQ1を突破、Q2へ進出した。

 14時00分、7分間のQ2セッションが始まった。#1山本選手、#2中山選手とも2周をかけてタイヤをウォームアップ、タイムアタックにかかったが#1山本選手は1分38秒434、#2中山選手は1分39秒010に終わり、それぞれ11番手と13番手となってQ3進出はならなかった。

 この結果、#1山本選手のスターティンググリッドはレース1では15番手(10ポジション降格を受けて)、レース2は11番手。#2中山選手は、レース1は11番手、レース2は13番手と決まった

11月9日(日)

決勝 レース1
#1山本 7位(40分3秒352 ベストラップ1分57秒058)
#2中山 リタイア(15周目コースオフ ベストラップ1分57秒716)

 決勝日の鈴鹿サーキットは夜半からの雨でウェットコンディションとなった。10時 10分からのレース1のスタート前、雨は小降りではあったが路面は完全ウェット、天候の動向は読めない状況となっていた。

 全車フォーメーションを終えてスタート合図を待つ体勢に入ったとき1台がスターティンググリッド上でエンジンストールを起こしたためスタートは赤旗で遅延となり、再度フォーメーションからスタートが行われた。この結果実際のレース周回数は19周に減算された。

 スタート合図で#1山本選手、#2中山選手とも好スタート、#2中山選手は10番手、#1山本選手は13番手につけた。コースはレインタイヤが跳ね上げる水しぶきが立って視界が遮られる状況である。この厳しいコンディションの中、グリッド降格を受けていた#1山本選手は本来のペースで追い上げを行い、4周目には#2中山選手をかわして 10番手に進出した。

 途中、雨足が強まって路面コンディションが悪化したが、#1山本選手は積極的に攻める走りを続け、6周目には9番手、7周目には8番手、8周目には7番手へと順位を上げていった。11周目コース上で起きたアクシデントを処理するためにセーフティカー(SC)がコースイン、3周にわたってペースカーランが行われた後レースは再開された。

 レース再開直後、#2中山選手は15周目のダンロップコーナーでコントロールを失ってコースオフ、マシンを破損してレースからリタイアした。#1山本選手は再開後のレースを淡々と走りきり、Honda勢トップとなる7位でフィニッシュ、選手権ポイントを獲得した。

決勝 レース2
#1山本 6位(19周 55分11秒504 ベストラップ1分57秒229)
#2中山 17位(19周 55分47秒075 ベストラップ1分57秒473)

 午後3時から決勝レース2が行われた。一時期は本降りとなってコースを濡らしていた雨が、スタート時刻が近づくに従って弱まりつつあった。しかし、全車レインタイヤでスタート。本来はタイヤ交換が義務づけられる28周レースだったが、全車がレインタイヤを装着してスタートしたため、タイヤ交換義務ピットストップはしなくてよいことになった。

 レース1でマシンを破損した#2中山車は、ピットクルーが短いインターバルの間に修復を進め、コースイン後のウォームアップ走行にこそ間に合わなかったが、なんとかスターティンググリッドにつくことができた。

 スタート合図で#1山本選手は好スタートを切ったが、#2中山選手はクラッチが不調で出遅れ、ほぼ最後尾からレースを追いかけることとなった。#1山本選手は1周目を9番手で終えるとじりじりと前の車両を追い詰め始めた。しかし水しぶきの中で視界の確保も難しく、パッシングは難しい。

 狙い定めた#1山本選手は、12周目の1コーナーで、追い詰めた前走車をアウトからかぶせて追い抜き、順位を8番手へと上げた。更にその後、前走車の脱落などにも助けられて順位を上げた#1山本選手は6位でレース2を終えた。#2中山選手は、後方から追い上げるが順位を上げるには至らず17位でフィニッシュした。

山本尚貴選手コメント

予選では、クルマの調子は本当に良くて、ぼくもチームもベストを尽くしたんですけどスピードが少し足りませんでした。セッティングでもう少し詰めたいところがあったので、変更して試してみようとしたところ、時間が足りなくて確認しきれなかったのが残念です。

レース1は、当初あまり転がりが良くなかったんですけど、クルマの調子は凄く良かったので、前が見えない中でしたが、要所要所をおさえてポジションを上げる事ができ、ポイントを取って帰って来られました。スタートのポジションを考えれば良かったかなと思います。

レース2ではスタートはまずまずうまく決められて、どこで誰を抜いたかをはっきり憶えていませんが、順位も上げられました。ただ、後半路面が乾いてきて、みんながペースを上げてくるところでぼくは37秒前半でタイムが頭打ちになってしまいました。これは車体のセッティングを雨量が多いときに合わせた感じにしていたせいで少しズレてしまったからかもしれませんね。

まずは1年間共に闘ったHondaさんとチームの皆さんに感謝します。個人的にはディフェンディングチャンピオンとして臨む初めてのシーズンだったし、プライドもあって、Honda勢の中で一番だというところを見せたいし、見せなくちゃいけないと思っていました。

今回は、2レースともHonda勢のトップで終えられて、ディフェンディングチャンピオンとしての仕事はしたんだ、ということを皆さんに認めていただければいいなと思っています。

中山友貴選手コメント

今回はチームにいろいろ迷惑をかけてしまいました。自分としては、前回のSUGOで変えたセッティングの方向が自分に合って、ここでも流れよく自分の思うような走りができるようになったように感じました。予選でも、自分なりのパフォーマンスは出せたかなと思います。

決勝レース1では雨がどうなるのかがわからず、あまり雨に振ったセッティングにしたくなかったんですけど、雨が強まったときにハイドロプレーニングが起きてコントロールを失ってしまいました。レース2は、その修復に時間がかかって、なんとかレースに出られたんですが、クラッチに若干トラブルがあってスタートで出遅れて、その後順位を上げきれずに終わってしまいました。クルマの調子は走り出してからは良かったんですが。

1年間、あっという間に終わってしまいましたが、終盤2戦に手応えが出てきたところだったので残念です。今年は、チームの関係者にサポートしてもらって自由にいろいろなことをやらせてもらって貴重な経験を積ませてもらいました。これを結果につなげないと恩返しにならないんですけどね。

手塚長孝監督コメント

ここまで積み重ねてきたデータを基に、エンジニア達が持ち込みセットを考えて走り出しました。自分たちの中では良い感じに走れたと思うのですが、周囲の方が速くて、首をひねる状態でした。前回鈴鹿を走った時に比較すると、エンジンも車も進化して特性も変わっていたので、それで前回のデータがそのまま通用しなかったという点があるかもしれません。

山本選手は厳しいながらもHonda勢のトップをしっかりと走ってくれましたし、順位を見れば決して満足行くものではありませんが、やるべきことはやったかなと考えています。チームもよく中山選手の車を修復してレース2に間に合わせてくれました。

1年を振り返ると苦しいシーズンでしたね。毎年ですが、楽なシーズンを感じた事がないので当たり前ですが。後半戦は速さを見せることは出来ましたが、総合的に強さを構築しなければなりませんでした。反省点を修正し来年につなげていきます。

サポートしていただきました皆様、並びに応援してくださったファンの皆様に感謝します。来年はリベンジして1番になるように努力していきます。1年間、本当にありがとうございました。

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