2015 SUPER FORMULA

無限MUGEN

TEAM MUGEN

Rd.1 SUZUKA

2015年4月24日

TEAM無限 ポールポジションから
優勝を狙うが、悔しい結末。

シリーズ名:2015全日本選手権スーパーフォーミュラ第1戦 鈴鹿サーキット
大会名:SUZUKA 2&4 RACE
距離:5.807km×43周(249.701km)
予選:4月18日(土)晴れ・観衆:23,000人(主催者発表)
決勝:4月19日(日)曇り・観衆:28,000人(主催者発表)

日本のトップフォーミュラは昨年車両規則を全面的に見直してシャシー、エンジンともに新規開発されたものに改められた。TEAM 無限は、昨年に引き続きダラーラ社(イタリア)が開発したシャシーに、NRE(Nippon Race Engine)規格に基づいてHondaが開発した、排気量2000cc直列4気筒直噴ターボエンジンであるHonda HR-414Eを搭載して戦う。

昨年と同じパッケージで迎えるシーズン2年目の開幕戦が三重県 鈴鹿サーキットで開催された。TEAM 無限は、2013年の旧規格車両で行われたシリーズで最後のシリーズチャンピオンと なった山本尚貴選手が、無限伝統のカーナンバー#16をつけてレースに臨んだ。
TEAM 無限にとっては6年目の国内トップフォーミュラシリーズ参戦である。

4月18日(土)

フリー走行
#16山本 1位 1分38秒745

18日土曜日9時から1時間にわたり、ドライ路面でフリー走行が行われた。今季よりレースウィークに使用できるタイヤの本数制限に関する規則が変更になり、昨年までの「ニュータイヤ4セット、使用済み持ち込みタイヤ1セット」という規則が「ニュータイヤ3セット、使用済み持ち込みタイヤ3セット」という規則に変更になり、レースウィークのタイヤ配分戦略は難しくなる。

今回は、シーズンオフテストを通して多くのチームは皮むきだけをした「ほとんどニュー」の「使用済みタイヤ」を準備して持ちこみタイヤとして使ったため、ニュータイヤを温存したままの走り出しとなった。Honda HR-414Eエンジンは、シーズンオフ中に大幅な熟成を受け2015年仕様へと進化した。

フリー走行1回目では、はじめに使用済みタイヤを用いて走行を続け、調整を進めた各チームはセッション残り5分近くになってタイヤを交換し、予選に向けてタイムアタックのシミュレーションに入った。ここでベストタイムを記録したのが#16山本選手だった。#16山本選手は、1分38秒745を記録、そのままセッションを終えた。

公式予選
#16山本
(Q1:1位 1分38秒756 / Q2:3位 1分38秒903 / Q3:1位 1分38秒585)

土曜日のサーキットは快晴となり、気温も路面温度も上昇する中で13時50分からノックアウト方式による予選のQ1が始まった。#16山本選手はコースイン後、安定したペースで20分間のセッションのうち前半で周回を重ね、ピットに帰還した。

そこでニュータイヤに交換、残り7分を切ったところでタイムアタックのためにコースイン。#16山本選手は危なげなく1分38秒756を記録してトップに立った。その後山本選手のタイムを更新する選手は現れず、#16山本選手はそのままQ2進出を決めた。

14台が出走するQ2でも#16山本選手は1分38秒903を記録してトップに立ったが、その後同じHonda勢の2台がこのタイムを更新したため、#16山本選手は3番手でQ3へ進出することとなった。

8台が出走するQ3では#16山本選手は狙い定めたタイムアタックを決め、それまでのベストタイムである1分38秒585をたたき出した。2番手に約0.3秒の差をつけてセッションを終え、ポールポジションを獲得した。

4月19日(日)

フリー走行 2回目
#16山本 12位 1分56秒721

日曜日、9時5分から30分間にわたりフリー走行2回目が行われた。この日は前夜から朝まで続いた雨の影響で、コースオープン時には雨が止んでいたものの、路面はウェット状態。チームはマシンにレインタイヤを装着してコースへ送り出した。#16山本選手は水しぶきが上がるほど濡れた路面の上でのタイムにとらわれることなく、いつものように決勝へ向けてフルタンク時のマシンの状況を確認することに徹し、タイムはトップタイムから1秒302遅れで12番手の1分56秒721に留まった。

決勝
#16山本 15位(42周 1時間12分29秒394 ベストラップ1分41秒021)

フリー走行が終わった後、曇天ながら雨は降らず、路面は表面が乾きながらも湿り気味という微妙なコンディションとなって決勝レースのスタートを迎えた。15時、計43周の決勝レースがスタートした。スタート合図の瞬間、#16山本選手は一瞬加速が遅れ、セカンドグリッドに並んでいた2台及びサードグリッドにいた1台にかわされ、4番手で1コーナーへ飛び込んだ。

#16山本選手は出遅れを挽回するため1周目から前を走る選手を攻め立て、背後につけて最終コーナーを立ち上がると、オーバーテイクシステム(OTS)を2回使って並びかかり、2周目の2コーナーで追い抜き、3番手へと順位を上げた。

その後#16山本選手は前走車と1秒弱の間隔を保ったまま周回を重ね、4番手以降を引き離してトップ集団を形作るが、前走車との間隔はそれ以上縮まらず、こう着状態に陥った。

レースは折り返し地点を過ぎ、前走車が28周でピットイン、タイヤ交換と給油を行ったため#16山本選手の順位は見かけ上2番手となったが、それを待っていた#16山本選手も29周を終えてピットイン。できればこのピットインをきっかけに前走車の前でコースに復帰しようという戦略だったが、コースに復帰した前走車もすぐに本来のペースに戻ってしまい、#16に対する給油とタイヤ交換の時間もほとんど変わらず、コースに復帰したときには、前走車はピットイン合戦前同様#16山本選手の前に出ており、順位の入れ替えはならなかった。

#16山本選手はペースアップ、31周目にはレース中のファステストラップを更新する1分41秒021を記録して再び前走車を追いかけるが、やはりその間隔は追い抜きにかかれるほどには縮まらない。それでも#16山本選手はあきらめず、なんとかチャンスを作ろうと力走を続けた。しかしなんと最終ラップに入ったところで#16山本選手のエンジン音が変化し、その後白煙が立って走行不能に落ちいったため、#16山本選手はコース脇のグリーンベルトに乗り入れてマシンを止め、チェッカーフラッグを受けることなくレースを終えた。#16山本選手はチェッカーフラッグを受けることはできなかったが、規定周回数を充たしたため15位で完走扱いとなった。

週末、ほとんどのセッションで他を圧倒する速さを見せ続けてきた#16山本選手のレースは思いもよらないノーポイントという形で終わってしまった。#16山本選手とTEAM 無限は、5月23日(土)、24日(日)に岡山県の岡山国際サーキットで開催される2015年全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ第2戦で巻き返しをはかる予定だ。

山本尚貴選手コメント

残念の一言です。週末を通して予選も決勝もプラン通りに順調に進んでいました。でも決勝のスタートでクラッチをミートしようとしたら反応しなくて進まなかったんです。スタートは以前から課題のひとつだと認識していて、クラッチミートのやり方もいろいろ試して準備はしていたんです。でもいざスタートというときに加速できなかった。全員が同じ状況だったらクラッチのせいにもできるんですが、そうではないですから、やはりぼくのミスなんだと思っています。

スタートした後のクルマは良い状態だったんですが、前にクルマがいるとペースがそれ以上上げられなくなってしまうんです。前のクルマに近づいてプレッシャーをかけて相手のミスを誘うしかないんですけど、前を走っていた中嶋一貴選手もミスはしないドライバーなのでそう簡単にはいかないだろうなと思って走っていました。あとは(ピット)戦略に頼るしかありませんでしたが、いまひとつうまくいきませんでした。確かにロスタイムはありましたが、それがなくても、順位を入れ替えることはできなかったと思います。

最後まであきらめずに2位は狙っていたんですけど、ポイントを取ることも大事だからしっかり3位は守ろうと走っていた矢先に突然パワーを失ってしまいました。半周頑張ったんですけどそれ以上走れなくなってしまいました。よりによって最終ラップにとは思います。

(優勝したチームとドライバーは)決勝で強いクルマを作って戦略を繰り出してくる相手ですね。ぼくもチームもまだレベルを上げなくてはいけないなと思わされた1戦でした。

手塚長孝監督コメント

今日はただただ悔しいです。予選まではチームもドライバーもしっかり予定通りの仕事をしてポールポジションをとって、日曜日の決勝レースに向けてもメカニックは懸命に整備しましたし、エンジニアも知恵と経験を絞って対処をして備えていました。実はクラッチのミートについても心配だったので、1回クラッチを全部バラして調整もしたんです。でも結局ああいうことになって、後の車に前へ行かれてしまいました。

昨年とは違って、優勝を狙えるポジションで戦える状態に仕上げる事が出来ていただけに残念です。原因はマシンをもちかえってみないとわかりませんけど、エンジン系のトラブルが起きてしまったようです。原因究明と対策が急務です。それ以外に、車体側チーム側でも、小さい事から大きい事まで直さなければならない事があります。しっかり改善しなければ強くなれないのです。対策改善し、早く勝ちたいです。

関係各皆様やファンの皆さま、これからも応援の程、宜しくお願い致します。

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