2015 SUPER FORMULA

無限MUGEN

TEAM MUGEN

Rd.4 MOTEGI

2015年8月27日

TEAM無限、セッティングに悩みながらも
8位入賞でポイント獲得。

シリーズ名:2015全日本選手権スーパーフォーミュラ第4戦
大会名:2015全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ第4戦 もてぎ2&4レース
距離:4.801km×52周(249.652km)
予選:8月22日(土) 晴れ・観衆:11,000人(主催者発表)
決勝:8月23日(日) 曇り・観衆:15,000人(主催者発表)

8月22日(土)〜23日(日)、栃木県のツインリンクもてぎで2015年全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第4戦が開催された。

TEAM無限がSF14でツインリンクもてぎのレースを走るのは昨年に引き続き2回目。エンジンはこのレースから2015年後半戦に向けて新スペックのエンジンを搭載する。

なお、ツインリンクもてぎのコースレイアウト上、ブレーキの負荷が非常に高いため、昨年同様にブレーキ負荷軽減の観点から燃料リストリクターの瞬間最大燃料流量規制値を引き下げ、第3戦の95kg/hから90kg/hと絞り込んでいる。オーバーテイクシステム使用時に20秒間にわたり10kg/h増量となるのは従来と同じだ。

8月22日(土)

フリー走行1回目
#16 山本 15位 1分35秒064

22日土曜日8時30分から1時間にわたりフリー走行が行われた。ツインリンクもてぎの天候は、薄い雲がかかる晴れ。コースはドライコンディションだが、走り出した#16 山本は持ち込みセッティングには満足できず、セッティングの方向性を探りながらの走行となる。

セッション終盤、#16 山本はピットへ戻りタイヤを履き替えて、タイムアタックのシミュレーションに入った。セッション残り6分となった段階でコースイン、タイヤをウォームアップ、タイムアタックを行い1分35秒064を記録したが、この段階でトップタイムは1分33秒834と、大きな隔たりがある。

結局#16 山本は出走18台中15番手でフリー走行セッションを終えた。チームは午後の公式予選に向けてセッティングを見直すことになった。

公式予選
#16山本
(Q1:12位 1分33秒858 Q2:7位 1分33秒260 Q3:8位 1分33秒700)

3回のセッションにわたるノックアウト方式の公式予選は午後1時15分から始まった。コンディションは午前中同様、ドライコンディション。上空の雲は徐々に薄くなり時折日差しが照りつける。

#16 山本は、20分間のQ1に最後尾近くからコースイン、4周目に1分34秒826を記録するとピットへ一旦帰還した。セッション残り7分を切って、ニュータイヤを履いた#16 山本はコースイン、タイムアタックに入った。セッション開始から8周目、1分33秒858を記録、この段階でトップに立った。しかしその後、コースコンディションの好転を待ってタイムアタックを遅らせていたライバル車がこれを上回るタイムを記録、#16 山本の順位は低下したが、12番手でQ1を通過、Q2へ進むことになった。

マシンの状態はまだ納得のいくレベルにはなく、#16 山本のインプレッションを元にチームはセッティングを微調整し、午後1時45分から7分間のQ2セッションに送り出した。#16 山本はコースイン後、1周にわたってタイヤをウォームアップするとタイムアタックに入り、1分33秒260を記録してその時点で6番手につけた。その後順位をひとつ落としたが7番手でQ2を突破、Q3進出を決めた。トップから僅か0.197秒の遅れであった。

セッティングの方向性に手応えを感じたチームは、さらにセッティングを微調整し、午後2時2分から7分間にわたって行われるQ3に備えた。#16 山本は1周タイヤをウォームアップ、タイムアタックに入ったが第1コーナーで突っ込みすぎたためアタックを中断、次の周にあらためてアタックし1分33秒700を記録した。しかしタイヤ性能のピークは過ぎており、順位は8番手に終わった。

8月23日(日)

フリー走行 2回目
#16山本 7位 1分35秒841

9時50分から30分間決勝レースへ向けたフリー走行2回目が行われた。ツインリンクもてぎ上空には晴れ間も見えたが黒い雲も近づいてくる不穏な天候。コースはドライコンディションである。

#16 山本はいつもとは違い、セッティングを確かめるため積極的にタイムを記録しながら周回を重ねる。セッション開始後10分を過ぎた段階で#16 山本のタイムは1分36秒048で、Honda勢2番手、全体で7番手に付ける。ここで#16 山本は一旦ピットイン、セッティングを微調整して再びコースイン。ピットロード出口ではスタート練習をして走行に入った。#16 山本はさらにタイムを1分35秒841へ短縮する。

しかしセッション残り10分となったところで小雨が降り始めたうえ、コース上に停止車両が生じ、回収のため赤旗でセッションは中断となった。セッションはこれで打ち切りとなり、車両回収完了後はスタート練習へ移行してフリー走行2回目は終了した。

決勝
#16 山本 8位(52周 1時間24分35秒637 ベストラップ1分36秒264)

正午に前後してツインリンクもてぎの上空には黒雲が広がり、土砂降りとなってコースは完全ウェットとなった。だが午後3時の決勝スタートの頃には雨は止み、コースは乾き始めた。午後2時10分の段階でウェット宣言が出され、午後2時20分から8分間のウォームアップ走行セッションが設けられた。#16 山本はウェットタイヤを装着してコースイン、4周を走行してピットへ帰還した。

上空では雲が切れ始めており、コースは走行ラインが乾き始めている状況。決勝レースのダミーグリッドへつくためコースインする際には#16 山本をはじめ、全車がドライ路面用スリックタイヤを装着した。気温は26度、この季節としては低い。

8番手からスタートした#16 山本はうまく加速、前方のマシンを抜きながら第1コーナーへ進入していった。しかし路面が完全に乾いていなかったこともあって走行ラインが交錯し、行き場をなくした#16 山本は第3コーナー、第5コーナー、V字コーナーで軽く周囲の車両と接触、順位を10番手へ落として1周目を終えた。この接触の過程でノーズコーン先端にダメージを負ってしまった。

#16 山本は前走車から1秒強の間隔を保ってレースを続けた。コースのレイアウト上、なかなかこの間隔を縮めることはできない。ピット作業を前倒しする上位車両が現れたため、#16 山本の見かけ上の順位は11周目には8番手、12周目には7番手、16周目には6番手、22周目には5番手へと上がった。

#16 山本自身はレースを折り返した27周終了時点でピットイン、リヤタイヤのみを交換してロスタイムを切り詰め、レースに復帰した。この時点で#16 山本の見かけ上の順位は12番手へと落ちたが、その後でピットストップする車両がいたため29周目には11番手、31周目には10番手、32周目には9番手、34周目には8番手へとポジションを上げた。コース上ではオーバーテイクできなかったが、ピット戦略と作業によってポジションを2つ上げた形だ。

#16 山本は自己ベストタイムを更新しながらさらに前走車を追うが、やはり1秒強の間隔を縮めることはできない。レース終盤には3台が一団になって6番手争いを展開するが順位を入れ替えるには至らず、結局#16 山本は8位でチェッカーフラッグを受けた。この結果、#16 山本はシリーズポイントを1点加えて合計7点とし、ドライバーズポイントランキング7番手につけた。TEAM無限もシリーズポイントを1点加えチームポイントランキング7番手となった。

山本尚貴選手コメント

バタバタとした週末になってしまいました。新しいスペックのエンジンになりましたが、シフトアップ、シフトダウンの感触が少し変わって、ぼくとしては前の方がしっくりくる感じがしました。それらも含めて週末はいろいろ調整をしてきたんですが、あまり思うようなバランスにならず、手を加えてようやくギリギリQ3まで行けました。

決勝スタートは、このクルマになってから初めて思ったように決まったと言えるくらい良いスタートが切れました。ただ、自分の位置取りが悪くて行き場がなくなって、3コーナー、5コーナー、V字で接触して順位を落とさざるをえませんでした。

正直クルマの仕上げについては悩んでいます。新品タイヤで一発はなんとか頑張れるんだけど、決勝になるとタイヤ消耗に応じてコントロールが厳しくなってくるんです。しかもツインリンクもてぎでは、1秒くらいの間隔を縮めようとしても残念ながらそれ以上近づけません。だからこそ予選で前に行きたかったんですけど、これがもてぎの戦い方だなと改めて思い知りました。

去年の結果だけから言えば、これからのオートポリス、SUGO、鈴鹿では調子よくポールポジションを取っています。でも、去年良かったからそのままで今年も行けるかというとたぶんそうではないと思います。

セッティングがピンポイントになってきているので、持ち込みの状態をかなりシビアに見極めないと、現場での対応は厳しいでしょう。シリーズチャンピオンの目はもうないけれど、来年につなげるためにも、速さと結果を残さないといけないと思っています。

手塚長孝監督コメント

予選では、去年のセッティングをベースに持って来たつもりだったんですが、走り出しでいまひとつ、この週末のコンディションに合わなかったようです。それを予選までに合わせ込むよう、山本も頑張って事細かにクルマの状況を伝えてくれて、それを元にエンジニアも合わせ込んで、Q2ではトップから0.197秒のところまで回復しました。

Q3ではトップを狙うべく、さらに追求したセッティングにしたんですが、2周目のアタック時に1コーナーで飛び込み過ぎて少しだけミスしたのでその周はアタック出来ず、次の周はタイヤの状態がベストではなくなってしまったのでタイムが伸びず、8位になってしまいました。

チームとしては、予選から決勝に向けてセットを見直してもっと強いクルマにしようと調整を施しました。山本もスタートをうまく決めてくれました。でもちょっとその後行き場がなくなってしまったようで、両サイドを挟まれて結果、接触したりして順位を落として10番手で帰ってきました。

その後のペースについては、足りない部分がセットにあったようで、前後のバランスが十分取れない状態で戦わざるをえませんでした。それにこのサーキットでは、なかなか前車をオーバーテイクはできず、順位はピットでしか入れ替えられないので山本には苦しい戦いだったはずです。山本が言うようにシフトの感触も改善してもらわないとスピードものらないと思います。

昨年のオートポリスではポールポジションも取っていますが、コンディションも違うしエンジンのトルク特性も変わっていて、いろいろ条件が変わっていますので、去年のままではポールポジションは獲れないだろうと思います。去年の状況と今年の状況を見極めて、精査してクルマを作り上げて行きます。

次のオートポリスも予選の順位が重要になってきます。去年のことは去年のこととして参考にしながら、まずポールを取って決勝を迎えたいです。チーム一丸となり直していきます。オートポリスを楽しみにしていてください。 応援ありがとうございました。

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