2015 SUPER FORMULA

無限MUGEN

TEAM MUGEN

Rd.5 AUTOPOKIS

2015年9月16日

TEAM無限、7位入賞でポイント獲得。
次へつながる「決勝で強いクルマ」の方向性を見出す。

シリーズ名:2015全日本選手権スーパーフォーミュラ第5戦
大会名:AUTOPOLIS SUPER 2&4 RACE 2015
距離:4.674km×54周(252.396km)
予選:9月12日(土) 晴れ・観衆:6,980人(主催者発表)
決勝:9月13日(日) 曇りのち晴れ・観衆:15,010人(主催者発表)

9月12日(土)〜13日(日)、全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第5戦が、大分県オートポリスインターナショナルレーシングコースで開催された。

昨年、レースを運営する日本レースプロモーション(JRP)は、オートポリスが右回りのコースで給油を車両の左側から行わなければならず、新車のSF14にはその設備がないことを理由にレース中の燃料補給を行わない「無給油レース」とし、レースは46周、215.004kmという短距離で開催した。

しかし今年はSF14に左側からの給油設備を設けることで通常のレースフォーマットに戻り、レースは昨年より8周多い54周、252.396kmで行われることになりピットイン義務も復活した。なお、燃料リストリクタースペックは昨年同様瞬間最大流量90kg/hとされた(オーバーテイクシステムは、レース中5回にわたって最大流量を100kg/hへ増量する)。

9月12日(土)

フリー走行1回目
#16 山本 11位 1分28秒851

12日土曜日午前10時から1時間にわたりフリー走行が行われた。上空には薄い雲がかかり薄日が射す天候。コースはドライコンディションである。#16山本は、昨年このコースで行われたシリーズ第5戦で見事ポールポジションを獲得している。チームはそのデータを基に、今年の状況を考慮した調整を一部加えたセッティングをマシンに施して持ち込んだ。しかし走り出すと、#16山本はフィーリングに納得がいかず、1分29秒台後半のタイムを記録するがピットへ戻ってセッティングの微調整を繰り返した。

セッション後半、周囲のライバル車は1分28秒台前半へタイムを上げるが、#16山本はセッティングに微調整を加えフィーリングを確かめる作業に徹し、23周を計測し1分28秒851に終わった。

公式予選
#16山本
(Q1:10位 1分28秒209 Q2:10位 1分27秒790 Q3:DNS)

3回のセッションにわたるノックアウト方式の公式予選は午後1時15分から始まった。コンディションは午前中同様、ドライコンディション。上空の雲は徐々に薄くなり時折日差しが照りつける。

フリー走行でのフィーリングに納得がいかなかった#16山本とチームは、予選のタイムアタックに向けて大幅なセッティング変更に踏み切った。しかしマシンの状態は期待したようには好転せず、20分間のQ1セッション前半を走った#16山本とチームはさらにセッティングを調整、セッション終盤のタイムアタックに備えた。#16山本のタイムは伸びなかったものの、1分28秒209の10番手でQ2進出を決めた。

Q2へのインターバルに、チームはさらにセッティングを調整したが、#16山本の思うような状況にはならず、Q2セッションではトップタイムから0秒708後れた1分27秒790に留まり、順位は10番手で、Q3への進出はならなかった。この結果、#16山本のスターティンググリッドは10番手に決まった。

9月13日(日)

フリー走行 2回目
#16 山本 18位 1分31秒496

日曜日午前9時30分から30分間にわたって決勝レースへ向けたフリー走行2回目が行われた。上空には薄い雲がかかり、柔らかい秋の日差しが降り注ぐ。空気は冷たく前日の32℃に対し27℃と涼しい

公式予選を不本意な順位で終えた#16山本は、決勝レースに向けてセッティングを変更したマシンを走らせ感触を確かめるが、方向性は見えてきたものの、まだ最終的にセッティングは決まらない。ピットインしてセッティングの微調整を最後まで続け、タイムは1分31秒496で出走車中最少の13周を走りセッションを終えた。

決勝
#16 山本 7位(54周 1時間23分14秒726 ベストラップ1分30秒708)

心配された雨雲はやってこず、むしろ雲が切れて秋の日差しが降り注ぐ中、午後2時20分、ウォームアップのために出走各車がコースインを開始した。#16山本はここでも決勝レースを想定したセッティングを確かめ、5周を走行した。タイムは1分32秒135で16番手に留まってはいたがフィーリングは良い方向だと感じていた。

その後全車一旦ピットへ戻った後、改めてダミーグリッドへ整列するためのコースインが始まった。そして午後3時、決勝のスタートが切られた。

#16山本は10番手という集団の中でタイミング良くクラッチミートを行って加速、第1コーナーまでに7番手まで順位を上げてレースを始めた。決勝レースのために選んだセッティングに#16山本はようやく手応えを感じ、上位陣とほぼ同じペースで周回を重ねるがSF14の特性上、前のマシンに近づくとダウンフォースが抜けてそれ以上近寄れないという状況に陥る。

6周目、トップ集団の1台がドライブスルーペナルティを受けて後退したため#16山本の順位は6番手へ繰り上がる。#16山本は前走車と1秒から2秒の間隔で走り続けるが、順位を入れ替えるには至らない。

レースの折り返し30周を走り終えた段階で#16山本はピットイン、給油を行うと共に前後4輪の交換を行い、レースに復帰した。このときのロスタイムはTEAM無限計測では10秒台、公式計時でも11秒台と圧倒的に速く、5番手車両がピットに入りアウトラップの勝負となったが、見事に攻略し、実質5番手となった。見事なピットワークと#16山本のイン、アウトラップの頑張りにより手強い相手を攻略してみせた。

上位がピットインする度に#16山本の順位は上がっていき、落ち着いたところで5番手となる。次のターゲットは4番手狙い。#16山本はタイヤを4本交換していたのに対して前走車はリヤタイヤ2本のみの交換で、コンディション上は#16山本が有利な状態にあった。

#16山本はなんとか順位を入れ替えようと攻め続けるが、オートポリスのコースレイアウトが持つ特性上、オーバーテイクは難しい。そしてレースも終盤にさしかかった47周目、#16山本は前車に攻め寄った勢いが余って第2ヘアピンでフロントブレーキをロックさせてしまいオーバーラン、かろうじてコースに復帰したものの、後走車に先行されて順位を7番手へ落としてしまった。

結局#16山本はHonda勢最上位の7位で54周を走りきってチェッカーフラッグを受けた。この結果#16山本は、シリーズポイントを2点加えて合計9点としたが、ドライバーズポイントランキングではひとつ順位を下げ8番手となった。TEAM 無限もシリーズポイントを2点加えたが、こちらは順位をひとつ上げ、チームポイントランキング6番手となった。次回シリーズ第6戦は、10月17日〜18日、宮城県スポーツランドSUGOで開催される。

山本尚貴選手コメント

走り出しからフィーリングが悪く、いろいろ試したのですが、決勝に向けた日曜朝のフリー走行まで厳しい状況でした。でも決勝の前に変えたセッティングが結果的には良くて、決勝でのバランスは、ここ数戦の中で一番良くなりました。でも前にクルマがいるとどうしてもペースが上げられませんでした。ただトップ集団のパックの中で走ることはできたし、ピットストップ前後の戦略やプッシュの仕方も含めて非常にうまくいったと思います。

(レース終盤は)前のクルマがタイヤ2本交換だということもわかっていたし、自分のペースも良かったのでなんとしてでも抜きたいと思ってプッシュしたんですが、逆にポジションを落としてしまいました。一所懸命頑張ってくれたスタッフのみんなには本当に申し訳ない気持ちです。やはり予選で前に並ばなければどうにもなりません。

次のSUGOでは、去年ポールポジションを獲っていますが、去年のセッティングがそのまま通用するとは思っていませんし、どちらかというと今回のセットの方が通用するかも知れないとも思えるので去年のデータと今年のここまでのデータをすり合わせて考えたセットを持ち込んで勝負したいと思います。クルマの状態だけを考えればすごく前進できたと思うので、それをとにかく次のレースにつなげたいと思います。

手塚長孝監督コメント

走り出してあまりフィーリングが良くなくて、そこからちょっと方向性を見失ってしまいました。でもとにかく気持ちを切り替えて、決勝に向けて「強いクルマ」を作るべく、日曜日の朝、ある程度そのための改良をしました。その結果、決勝では去年のオートポリスでの決勝よりも良いフィーリングになったようです。

今回は、予選で苦労しましたが、レースで強いクルマの方向性が見えてきたのかも知れないと思います。4輪タイヤ交換と給油のピット作業は速かったし、格好良かった。メカニック達の改善と練習の成果が出たからだと思います。本当によく頑張ってくれました。更に上を目指して頑張ってくれるはずです。

山本はよく頑張ってくれました。コースアウトは攻めた証しでしたが、レース中はいろいろなマネージメントが必要でしょうね。レース中の4輪タイヤ交換したということは、クルマのバランスが良いということですから、この意味でも嬉しいです。ただ無交換で速かったチームもありますから、もっと何かを見つけたいですね。このところ我々の課題は4つを掲げていますが、全てが上手くいかないと勝てない難しいレースだと実感しています。課題の4つともベストを尽くせるように次のSUGOでリベンジしたいと思います。

応援してくださったファンの皆様や、協力してくださるスポンサーの皆様には、少しは興奮と見せ場を提供できたと思いますが、もっと喜んでもらえるようなレースを御見せできるようベストを尽くします。ありがとうございました。

© M-TEC Co.,Ltd. All Rights Reserved.