2015 SUPER FORMULA

無限MUGEN

TEAM MUGEN

Rd.6 SUGO

2015年10月23日

TEAM無限、
2位フィニッシュで今季初の表彰台へ上がる。
戦略とピットが支えた快走。

シリーズ名:2015全日本選手権スーパーフォーミュラ第6戦
大会名:全日本スーパーフォーミュラ シリーズ第6戦 スポーツランドSUGO
距離:3.704km×68周(251.872km)
予選:10月17日(土) 晴れ・観衆:6,300人(主催者発表)
決勝:10月18日(日) 晴れ・観衆:12,400人(主催者発表)

全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第6戦が、宮城県スポーツランドSUGOで開催された。

昨年より開催時期は1ヶ月ほど遅くなり、スポーツランドSUGOは秋の色を深めているが、天候は良好で週末は晴れとの天気予報がなされていた。

10月17日(土)

フリー走行1回目
#16 山本 16位 1分6秒176

17日土曜日午前9時から1時間にわたりフリー走行が行われた。スポーツランドSUGO上空は秋晴れ。コースはドライコンディションである。チームは、前回第5戦オートポリスで好感触を得たセッティングの方向性を考慮し、今回の持ち込みセッティングを決めてマシンを搬入した。#16 山本は、走り始めの段階でこの持ち込みセッティングには好感触を得たが、微調整を加えてさらにコンディションとすり合わせる必要を感じ、その作業に入った。

この間、#16 山本のタイムは参加車の中で下位に埋もれていたが、着々とセッティングは進められた。ようやく#16 山本の納得いく状況に達したのはセッション終了まで10分を切ったところで、タイムアタックの練習に入った#16 山本は一気にタイムを縮めて1分6秒176を記録して3番手へ躍り出た。

その後#16 山本のタイムを更新するマシンも現れ、再度タイムアタックの練習に入ろうとしたところでコース上に停止車両が発生したため、セッションは残り5分を残して赤旗により打ち切られ、#16山本のタイムアップはならなかった。

公式予選
#16 山本(Q1:7位 1分5秒955 / Q2:5位 1分5秒566 / Q3:4位 1分5秒314)

3回のセッションにわたるノックアウト方式の公式予選は午後1時45分から始まった。

コンディションは午前中同様、ドライコンディション。上空には秋の青空が広がっている。だが開始5分で停止車両が発生してセッションは赤旗中断となり、午後1時57分に再開されたものの、またすぐに赤旗中断となって、まとまった走行ができない。

午後2時4分、残り13分39秒でセッションが始まると、各チームとりあえずマシンの状況を確かめるとピットへ帰還、タイムアタックに備えた。セッション残り7分を切って各車コースインしてタイムアタックへ入る。#16 山本はトップから0.318秒後れる1分5秒955を記録、7番手でQ1を突破、Q2へ進出した。

Q2セッションは、午後2時28分から7分間の予定で行われた。#16 山本は、Q2出走14台のうち13番手でコースイン、タイヤを温めてタイムアタックに入った。2周にわたってウォームアップを行った後に記録されたタイムは1分5秒566。#16 山本は14台中5番手でQ3進出を決めた。

午後2時45分からQ3セッションが始まった。1周が3.7kmと短いスポーツランドSUGOのコースでは、タイムアタック中に進路をふさがれないよう自分のポジションをうまくとってコースインする必要がある。#16 山本は、出走8台の中では早めにコースイン、1周のウォームアップを行って1分5秒314を記録してトップに立った。その後、そのタイムを更新する選手が現れたため、最終的には4位でセッションを終えた。

10月18日(日)

フリー走行 2回目
#16 山本 17位 1分08秒033

公式予選で4番手につけマシンの状態に手応えを感じた#16 山本は、このフリー走行では決勝レースを想定した調整に専念した。17周を走行した#16 山本のタイムは1分8秒033で、出走19台中17番手に留まった。

決勝
#16 山本 2位(68周 1時間18分16秒432 ベストラップ1分07秒864)

午後1時45分より決勝レースに先駆けて8分間のウォームアップ走行が行われた。全車、決勝スタートに向けたセッティングと重量で走行するこのセッションで、#16 山本は6周を走り1分8秒329を記録して3番手につけた。

走行後改めて競技車両はダミーグリッドにつき、スタートセレモニーの後、午後2時30分、68周の決勝レースが始まった。#16 山本は好スタートをきめて第1コーナーまでに1台をかわして3番手へ進出、レースを始めた。

その後、#16 山本は前を行く2台を追いかけようと食い下がるが、じりじり引き離される展開となり、10周を前にチームは3番手のポジションを守る戦略に切り替え、エンジン制御をリーンマップへ切り替えて燃費を稼ぎながら1秒強の間隔で背後の4番手に付けている石浦宏明選手との間隔を監視し始めた。

26周目、石浦選手が給油のためのピットインを行った。チームは本来であれば、もう少し周回数を稼いでからピットインをする予定でいたが、石浦選手との闘いを考慮して次の周にピットインを敢行、タイヤは無交換で給油のみを行い、#16 山本を素早くコースへ送り返した。#16 山本は、見かけ上は8番手でレースに復帰したが、1周前にピット作業を終えた石浦選手の前、事実上の3番手ポジションを守った。

その後、2番手を走行していた選手が給油ピットストップを行った際、作業に時間がかかったため、その間に#16 山本は順位を入れ替え7番手、事実上の2番手へ進出した。事実上の首位を走る選手との間隔は15秒以上に離れていたので、#16 山本とチームは後方との間隔を守ることとタイヤ及び燃費マネージメントに集中、レース後半を過ごした。

45周目には見かけ上の順位は5番手に進出、2秒後ろには事実上3番手の選手が続いて追い上げ、#16 山本に迫ろうとしていた。しかし53周目に見かけ上2番手にいた選手が給油ピットインをして、#16 山本の背後の事実上3番手に割り込む形で復帰。#16 山本は見かけ上4番手へ進出するとともに後続の選手が入れ替わることとなった。

#16 山本は、55周目には見かけ上の3番手に進出、59周目には全車が給油ピットストップを終えた結果、2番手へ順位を上げた。その後#16 山本は燃費を考慮しながらうまくペースをコントロールして自分のポジションを守り、残りのレースを走りきって2位でチェッカーフラッグを受けた。表彰台は#16 山本にとって今季初めての戦果であった。

この結果#16 山本は、シリーズポイントを8点加えて合計17点とし、ドライバーズポイントランキングでは8番手から同点6番手へ順位を上げた。TEAM 無限もシリーズポイントを8点加えたが、こちらの順位は変わらず、チームポイントランキング6番手につけた。次回シリーズ最終戦第7戦は、11月7日〜8日、三重県鈴鹿サーキットで開催される。

山本尚貴選手コメント

今週末は、チームも自分自身も良い組み立てができたかなと思います。ただ、土曜日のフリー走行でつまずいた面があるので、予選に向けてもう少し早くクルマを仕上げられたら、と悔いも残ります。それでもスターティンググリッド2列目を確保して、課題だったスタートもうまく決めることができました。

スタートで気にしていたのは、後ろにいたJP(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)と(斜め前の)視界に入っていた石浦(宏明)選手でした。まず石浦選手がホイールスピンして失速したのがわかったので、なんとか彼の前に出た後は、JPが来るだろうと思ったので、彼のラインを封じることに徹しました。

あとは戦略に助けられました。燃料はかなりギリギリでした。ピットでの給油量を減らすためにもギリギリの走り方をしましたし、その後も後続車のペースを見ながら燃料をセーブしていたのですが、このままでは抜かれてしまうなと思っていたら後続車のペースも上がらなくなったので終盤は燃費走行に徹していました。

ただ、後につけていた石浦選手に合わせて早めにピットインしたので、レース後半はガソリンを積んで重い状態で走り続けることになり、交換をしなかったタイヤを傷めることになって、終盤は厳しかったですね。

2013年にチャンピオンを獲ったシーズン以来の表彰台は嬉しいですが、勝てなかったことは悔しいです。ただ、最終戦にはつながるレースになったと思います。

今年は開幕戦の鈴鹿ではポールポジションを獲っているのですが、その後、まったく結果を残すことが出来ず、第6戦のオートポリスでクルマのセットを大きく変えて、ようやく調子を取り戻したところなので、次の鈴鹿でどっちへ行くべきか、僕もエンジニアも悩みどころです。

どちらにしてもタイトル争いには加われませんが、個人的にはタイトル争いをしているドライバーたちに「山本、厄介だな」と思われるレースをしたいと思います。

手塚長孝監督コメント

2位という結果は、今までに比べれば大分前進したとは思いますが、もうひとつ上があるわけで、今回はトップにぶっちぎられたのは悔しいです。土曜日の走り始めがつまずいた事が予選の順位を表していました。

予選では最低2列目以内を確保したいと思い、なんとか4位のグリッド2列目に留まれました。レースは、山本がスタートをうまく決めてひとつ順位を上げて、表彰台圏内に上がれたのはハッピーでしたね。

今回はタイヤを換えないつもりでしたから、タイヤマネージメントも考えながら、給油を含めピットの待機時間を少しでも短縮するためにも、山本には、ほんの少しだけリーンに振って燃費を稼いでくれました。

ピット作業が特別速かったつもりはないんですが、山本の燃費走行とピットクルーの絶妙な作業が積み重なって、速くコースへ送り返すことが出来ました。スタッフとドライバーを称えたいですね。

あとは勝利だけです。

この結果で喜んでばかりはいられません。最終戦は皆の頑張りに期待してください。最終戦は1大会2レース。そこで一番上を目指して頑張ります。

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