神電 NEWS

2016.06.30

神電 伍 【The Isle of Man TT】TT Zero 3連覇達成!

RACE
大会名: 2016年 ISLE OF MAN TT RACES 2016
参戦クラス: TT Zero Challenge
距離: 37.73mi(60.721km)×1周(37.73mi)
プラクティス1回目: 6月3日(金) 晴れ・気温16℃
プラクティス2回目: 6月4日(土) 晴れ・気温19℃
プラクティス3回目: 6月6日(月) 晴れ・気温23℃
決勝: 6月8日(水) 曇り時々晴れ ・ 気温21℃
無限神電伍、ブルース・アンスティ選手が優勝し3連覇達成!

5月28日(土)~6月10日(金)、イギリス王室属領のマン島でマン島TTレース2016が開催された。TEAM無限は#1ジョン・マクギネスと#5ブルース・アンスティの二人のライダーを擁し、TT Zero クラスに新開発の「神電伍(SHINDEN GO)」で参戦した。レース前に行ったツインリンクもてぎでのテストやイギリスのキャッスルクムでのテストでもチームは順調な仕上がりを見せ、万全の体制でレースウィークを迎えた。

6月3日(金) 天候:晴れ 気温16℃
■プラクティス1回目

#1 ジョン・マクギネス 1位 19分20秒236 平均時速117.07mph(=187.312km/h)
#5 ブルース・アンスティ 2位 19分49秒641 平均時速114.18mph(=182.688km/h)

マン島らしからぬ好天、そしてマン島にしては気温の高い状況が続いているプラクティスウィークのなか、TT Zeroのプラクティス1回目の走行が行われた。TT Zeroのプラクティスは予選も兼ねた練習走行に なっており、合計3回行われる。TT Zeroの決勝出走条件は1周を完走することで、基本的にはゼッケン順のスタートとなる。

マン島は高緯度のため、この時期は午後10時近くまで昼間のように明るい。予定通り午後8時40分にまずは#1 ジョン・マクギネスがスタート。1台挟んで3番目に#5 ブルース・アンスティがスタートした。
#5 アンスティは前日、他クラスのプラクティスで転倒したが、TT Zeroの走行に影響は全く見せず、プラクティスを走り切った。TEAM無限の2台はトラブルなく1周を走り終え、トップ2を独占した。

プラクティス1回目を走ったのは他に#6 ウィリアム・ダンロップ、#9 ジェームス・コートン、#11 ティモシー・モノの3台で、全車完走を果たした。

【TT Zero プラクティス1回目リザルト】

順位 No. ライダー チーム タイム 平均時速(mph)
1 1 ジョン・マクギネス TEAM無限 19'20"236 117.07
2 5 ブルース・アンスティ TEAM無限 19'49"641 114.18
3 6 ウィリアム・ダンロップ ビクトリー 20'03"630 112.85
4 9 ジェームス・コートン ブルーネル大学 24'00"473 94.29
5 11 ティモシー・モノ TMR 30'43"067 73.70
エントリー14台 出走5台 完走5台

6月4日(土) 天候晴れ 気温19℃
■プラクティス2回目

前日に引き続き4日土曜日も良い天気となった。TT Zeroのプラクティスは、スーパーバイクとサイドカーの決勝レース後、スーパースポーツ、ライトウェイト、スーパーストックの3クラスのプラクティスを挟み、午後4時58分から始まる予定だった。しかし、サイドカーとスーパーストックで大事故があり、スケジュールの都合でTT Zeroのプラクティス2回目は中止された。この結果、チームは数少ない走行機会を1回失うこととなった。

6月6日(月) 天候:晴れ 気温23℃
■プラクティス3回目

#1 ジョン・マクギネス 1位 19分04秒307 平均時速118.70mph(=189.92km/h)
#5 ブルース・アンスティ 2位 19分28秒000平均時速116.29mph(=186.064km/h)

週が明けた6日月曜日、決勝レース前の最後の走行となるプラクティス3回目が行われた。
前週のプラクティスウィークから好天が続き、気温はついに23℃にまで上昇。日差しが強いため、体感では夏の陽気を感じる気候だ。

TT Zeroのプラクティスは、当初の開始予定時刻から度重なる変更があった後、午後4時24分に開始された。直前までタイムスケジュールが頻繁に変わるのもマン島TTレースならではだ。

先頭でスタートしたのは#1 マクギネス。3台挟んで5番目に#5 アンスティがスタートした。
#1 マクギネスは好調を維持し、プラクティス1回目の19分20秒236からタイムアップし、19分04秒 307で予選1位となった。#5 アンスティもタイムを上げ、TEAM無限は1位、2位で予選を通過した。 プラクティス3回目を走ったのは他に#6 ダンロップ、#8マシソン、#9 ベンター、#11モノの4台で、全車完走した。

【TT Zero プラクティス3回目リザルト】

順位 No. ライダー チーム タイム 平均時速(mph)
1 1 ジョン・マクギネス TEAM無限 19'04"307 118.70
2 5 ブルース・アンスティ TEAM無限 19'28"000 116.29
3 6 ウィリアム・ダンロップ ビクトリー 19'36"630 115.43
4 8 デイリー・マシソン ノッティンガム大学 23'06"300 97.98
5 9 アラン・ベンター ブルーネル大学 25'50"821 87.58
6 11 ティモシー・モノ TMR 31'21"892 72.18
エントリー14台 出走6台 完走6台

6月8日(水) 天候:晴れ 気温21℃
■決勝

#5 ブルース・アンスティ 1位 19分07秒043 平均時速118.416mph(=190.572km/h)
#1 ジョン・マクギネス 4位 23分50秒538 平均時速94.949mph(=152.806km/h)

プラクティス3回目から1日置いた8日水曜日、TT Zeroの決勝が行われた。天候はほぼ晴天。
電動レーサーはバッテリーやモーターなど、電装部品の温度管理が重要な要素となるが、マン島は例年にも増して高い気温が続き、難しいコンディションとなった。

午後4時10分、予定より15分ほど早く決勝レースがスタートした。スタート直後から#1 マクギネスがレースをリード。2番手に#5 アンスティ、3番手に#6 ダンロップというオーダーとなった。
#1 マクギネスは昨年TEAM無限で自身が記録したラップレコードを上回るハイペースで走行を続け、平均時速120mph越えが十分期待できる走りを見せた。チームメイトの#5 アンスティも数秒差でその後を追う。3位の#6 ダンロップは、一時、#5 アンスティに僅か数秒というところまで迫り、3台による激しいトップ争いが続いた。

しかしレース中盤、トップを快走する#1 マクギネスに突如不運が襲った。走行中にエマージェンシーストップボタンが誤作動するというトラブルが発生し、マシンが突然止まってしまったのだ。重大なトラブルではなかったため、その後レースには復帰出来たが、このトラブルにより#1 マクギネスのポジションは大きく後退した。

#1 マクギネスの後退により、#5 アンスティが代わってトップに立つ。その後に#6 ダンロップ、#8 マシソンと続く。#5 アンスティはチームメイトの#1 マクギネスのマシンが止まっている状況を確認し、同じマシンに乗る自分にもトラブルが起こるかもしれないと判断、僅かにペースを落として確実にゴールするための作戦に切り替えて走行を続けた。

グランドスタンドでは#1 マクギネスが後退したらしいというアナウンスがラジオの実況放送で流れ、観客席がどよめいた。TTレースはサーキットレースとは異なり、トランスポンダーが刻むセクタータイムの数字と、コース途中に設けられたラジオの実況ブースからの情報しか状況を把握する術がない。そんな状況のなか、更にプラクティスから続く#5 アンスティのトランスポンダーの不調でセクタータイムが表示されず、チームには一層の不安が広まった。

スタートから17分を過ぎた頃、空撮用のヘリコプターと共に2番手スタートの#5 アンスティがメインストレートに姿を現した。大勢の観客が見守る中、電動レーサー特有の走行音を響かせながら#5 アンスティがそのままトップでゴールし、TEAM無限が3連覇を達成した。2位に#6 ダンロップ、3位に#8 マシソンが入り、#1 マクギネスはレース復帰後、ハイペースで走行を続け4位でチェッカーを受けた。

【TT Zero 決勝リザルト】

順位 No. ライダー チーム タイム 平均時速(mph)
1 5 ブルース・アンスティ TEAM無限 19'07"043 118.416
2 6 ウィリアム・ダンロップ ビクトリー 19'32"504 115.844
3 8 デイリー・マシソン ノッティンガム大学 22'39"864 99.884
4 1 ジョン・マクギネス TEAM無限 23'50"538 94.949
5 9 アラン・ベンター ブルーネル大学 23'55"383 94.628
エントリー14台 出走7台 完走5台
ベストラップ:ブルース・アンスティ 無限神電伍 TEAM無限 19'07"043 平均時速118.416mph

【#5 ブルース・アンスティ コメント】
とても良いレースとなりました。神電伍の仕上がりもよく、トップでゴールすることができました。
途中、ジョンのマシンが壊れて止まったのを見て、何が起きたのかわからないけど、同じことが起きない ように攻めて走るのをやめ、ちょっとペースを落とし、確実にフィニッシュすることを目指しました。
表彰台にジョンがいなかったのは残念でしたが、再び無限とともにポディウムに立つことができて幸せです。

【宮田監督 コメント】
みなさん応援どうもありがとうございました。
ブルースが優勝、ジョンが4位ということで、記録としては去年を上回ることができませんでしたが、3連覇出来たのは大きな収穫になりました。今年の車両を満を持してレースに持ち込みましたが、結果的に去年の記録を越えられなかったことが残念です。
ジョンのマシンにトラブルが起き、それを見たブルースは、何としてでも勝つ、ということを選択してくれて、マージンをもって走ってくれたことが3連覇につながりました。ブルースの判断は正しかったと思います。

ブルースが優勝してくれたことは非常に喜ばしく、嬉しいと思う反面、ジョンに対しては本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。プラクティスから好調で決勝でも十分優勝と記録更新を狙えるペースで走行していましたが、予想外のマシントラブルで順位を落としてしまいました。

今後の計画は決まっておりませんが、記録を更新できなかったということは悔いが残っている部分です。今年もいろいろ課題が見えました。すべてを新しくした分だけ、課題も多かったのかなと思いますが、そういうところを磨いていけば、記録は確実に更新できると思います。

次のチャンスがあれば、もっと技術力を上げて神電のレベルアップを図り、また優勝、そして記録更新を目指していきたいと思います。

TEAM無限神電公式サイト
http://www.mugen-power.com/shindenproject/

マン島TTレース公式サイト
http://www.iomtt.com/

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