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DATE :2003年9月14日(日)
SESSHON :JGTC R6 in TWIN RING MOTEGI決勝
CIRCUIT : ツインリンクもてぎ
例年なら暑さの中にも秋の気配とともに涼しさが訪れる9月半ばのもてぎ。ところが冷夏だった8月とは裏腹に今日は真夏日の天気予報。今回のレースもまた暑さとの戦いになることが予想された。
フリー走行
午前8時20分よりフリー走行が開始された。チームはこのフリー走行で決勝レースを見据えたピットインの練習をすることとした。本番さながらにドライバーにはドリンクボトルを準備させての練習となった。ところがここでアクシデント。伊藤がドリンクボトルを車にセットしたところドリンクホースの中継部分のプラスチックのジョイントが破損していたである。鈴鹿1000kmでも伊藤にはドリンクボトルのトラブルが起きていたためスタッフはすぐさまジョイント部分を新品に交換した。
伊藤は2ラップ計測を終えるとピットイン。ドライバーをコロネルにチェンジするとともにピットクルーもタイヤ交換、給油を本番さながらに行なった。コロネルはガソリンが満タンの状態でトラフィックの中を1分49秒台のラップで走れることを確認すると再度、ドライバーを伊藤に交代。伊藤も決勝用のセッティングを確認したところで朝のフリー走行を終了した
。
決勝
晴れ渡った青空のもと、決勝前フリー走行でも最後のタイヤ交換練習、ドライバー交代練習、給油練習を終えるとピットクルーはG’ZOXNSXに伊藤を乗せてスターティンググリッドへと送り出した。
レギュラーのJGTC戦では久しぶりの前方グリッドに今回はテレビクルーの取材も多く、伊藤は高まる気持ちを抑えながらもにこやかにインタビューに応対していた。そして、グリッド上での華やかなグリッドウォークが終了するころチームスタッフは改良を加えたクールスーツを伊藤に着せ、すべてを伊藤に託してグリッドを後にした。
午後2時。ペースカーの先導でパレードラップが終了し、メインストレート入り口でペースカーが吐けシグナルがブルーに変わるとともに決勝レースがスタートした。
伊藤は後続を牽制しながら3番手をキープしたまま第1コーナーを通過。勢いよく前方の#22GTRまで抜きにかかるが一歩及ばず3番手でアクシデントにも巻き込まれずオープニングラップを終えた。しかしここからすでに伊藤の猛チャージが始まっていた。2周目以降、ぴったりと前を行く#22GTRをマーク。ヘアピンで間合いをつめダウンヒルストレートでスリップに付き90度コーナーで仕留めようと懸命にアタックをかける。#22GTRも意地を見せぎりぎりのブロックでこれに応戦、両者の攻防は9周目まで続く。そして伊藤は9周目のダウンヒルストレートでスリップストリームからいち早く抜け出し、ダウンヒルストレート終了手前で#22GTRのインを並走するとブレーキング競争でも余力を残して90度コーナーをクリアー。鮮やかに#22GTRを抜き去ると今度は前を行くトップの#36スープラを猛然と追い上げ始めた。
伊藤の勢いの良さはモニター画面からも見て取れるほどで14周目には2台の差はメインストレートの半分の距離まで縮まり1台のカメラの映像の中に同時に映る距離となった。なおも追撃の手を緩めない伊藤は18周目には2台の差を3秒1に、20周目には2秒4に、22周目には1秒5まで詰める。25周目にはその差を1秒1まで削り取りもう#36スープラを追い抜くのは時間の問題と思われたころ、ピットは余力を持たせてドライバー交代を早めにすることを決断。26周終了後にG’ZOXNSXをピットに呼び戻すとドライバーをコロネルにチェンジさせた。
ピットクルーもミス無くタイヤ交換、給油を済ませコロネルを載せたG’ZOXNSXをコースに押し戻した。コロネルは猛然とアウトラップを駆け抜けると見かけ上8位でコースに復帰、前を行く#36を追った。そして30周目に#36がピットイン。このときコースを走るG’ZOXNSXがモニターに映し出されるとピットからは「トム、PUSH,PUSH,PUSH!!!!!!」の声が響き渡る。モニターではピット作業を続ける#36スープラと90度コーナーを駆け抜けるG’ZOXNSXが交互に映し出される。ピット作業を終えた#36スープラがタイヤスピンをしながらピットアウトしたときにはコロネルはG’ZOXNSXをメインストレート入り口まで導く。1コーナーからのカメラに2台がサインエリアを挟んで映し出されるとサインガードから興奮したように「PUSH,PUSH,PUSH」の連呼が無線で告げられる。コロネルは目いっぱいのドライビングで#36スープラをホワイトラインに達する前に追い抜くことに成功。マージンを持って1コーナーにG’ZOXNSXを飛び込ませるとここで#36スープラに代わってラップリーダーとなった。
ラップリーダーとなってからのコロネルは終始、安定した走りを見せる。37周目には後ろの#36スープラとの差を4秒5まで広げる。その後周回遅れを抜いてラインを変えなければならいときも冷静に周回。39周目には#36スープラに2秒8まで詰め寄られるもののピットから伝えられるタイム差を考慮しながら無理をせずタイムを刻むクレバーな走りを見せた。49周目以降には周回遅れのスープラに立て続けにラップされるもののコロネルも無理をせずトップの座を堅持。54周目に#36スープラとの差が2秒4までとなったときにはピットから「もっと頑張って差を広げろ!!」の指示が出た以外はコロネルの判断でペースを刻ませてG‘zoxNSXをゴールへと走らせた。56周目に3番手を走っていた#22GTRがコース脇に止まり脱落したときにはコロネルはG’zoxNSXを3秒以上のマージンを持って#36スープラの前を走っていた。
そして62周目にその差が5秒まで開いたとき、ピットにいたメカニック、スタッフは一斉にサインガードに駆け出した。誇らしげなP1の文字が躍るサインボードが待つ中、コロネルは最後まで安定して走りきり誰よりも早くチェッカーフラッグを受けG‘zoxNSXに待望の今季、初勝利をもたらした。
ウイニングラップを終えたコロネルはパルクフェルメにG’ZOXNSXを停めると喜びを隠しきれずルーフの上に仁王立ちしてガッツポーズ。駆け寄った伊藤を呼び寄せ二人でルーフの上で勝利の喜びを爆発させた。
JGTCのシリーズ戦、2003年シーズンの初めての表彰台を優勝で飾ったG’ZOXNSXの全てのスタッフに喜びが満ち溢れた。今までの苦労と努力とが報われた一日となった
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伊藤大輔のコメント
前半、#22GTRは確実に追い越せるとわかっていたので無理はしなかった。ヘアピンで背後についてダウンヒルでスリップについて90度で抜き去るというこちらの計画どおりに追い越せた。ロングディスタンスのセッティングもバッチリ決まっていたので決勝中はどんどんプッシュできた。多分僕が走り続けていてもコース上で#36スープラを追い越せたと思うが、チームの判断でタイヤに余力を残した状態でピットインした。最後はコロネルの走りをモニターで見ながらの観戦となりましたが自分で走っていて優勝するのと違い、相手が走っているのを待ちながらの勝利がこんなにドキドキするものだと初めてわかりました。完璧なピット作業をこなしたメカニック、クルー、全てのスタッフに感謝します。ホンダのサーキットでNSXで勝ててほっとしました。
トム・コロネルのコメント
#36スープラがピットインしてからは無線で「PUSH」としか言われなかったよ。もう怒鳴られて何がなんだかわからないけどアクセルを踏み続けたんだ。その後は自分でマージンを保ちながらペースを作って走ったよ。差を大きくしすぎて気持ちが緩まってミスをしたり、後ろに迫られすぎてあせってミスをすることが無いように注意していたんだ。途中で一回だけピットから「もっと早く走れ、ミラーで後ろを見ろ!」って指示があったんだけどそのとき#36スープラがミラーの中にいたので慌ててまたペースを上げたよ。99年に日本を離れたときにはもう日本ではレースは出来ないかと思い残念な気持ちでいっぱいだったけれど、こうして再び日本のレースに戻ることができてしかも優勝までできて本当に嬉しい。日本に呼んでくれたチームに感謝したい。
監督熊倉淳一のコメント
とにかく鈴鹿1000kmの時から茂木大会で優勝することを念頭において全てを注ぎ込んできました。車両開発を第一に進めてきた結果も確認でき、戦略の部分の細かいつめを見直すことにした。ピット作業の手順の見直しからドリンクボトルのホースの付け方まで改良しました。伊藤とコロネルにも鈴鹿1000kmでの#18NSXとの差が生じた部分、いままでのレースの反省点についての対策を伝えそれができなければ優勝できない!事を説明しました。二人のドライバーはこれをよく理解し実行してくれました。開幕から色々なことがありましたがようやく勝つことができて本当に嬉しいです。応援してくれたスポンサー、ファンにも報いることができてほっとしています。残り2戦はウェイトを積み、難しくなりますがベストを尽くして戦います。 |
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