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2010.07.19

全日本フォーミュラ・ニッポン第3戦
“MOTUL TEAM無限、10位完走でレースを終える”

シリーズ名:全日本フォーミュラ・ニッポン第3戦
大会名:2010年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第3戦 富士スピードウェイ
距離:4.563km×44周
予選:7月17日(土)(晴れ ・観6,900人)(主催者発表)
決勝:7月18日(日)(晴れ・観衆:19,000人)(主催者発表)

7月17日(土)〜18日(日)、全日本選手権 フォーミュラ・ニッポン第3戦が、静岡県・富士スピードウェイで開催された。前回の第2戦から2ヶ月のインターバルを経て、開催となったこの大会。今回は日本屈指のハイスピードサーキットでの開催。1.5kmのストレートを有し最高速度は300kmを超え、1コーナーには急減速で進入。スリップストリームの攻防や、ブレーキング勝負が見所となる独特のコースレイアウト。
開幕前、3月25日〜26日にはテストは行っているものの、多くの走行時間は雨にたたられ、我がTEAM無限はセット出しまで至らぬまま、不完全燃焼のままテストを終えている。チームはほとんどデータが無い状態ではあるが、可能な限りの準備を施し、サーキットに乗り込んだ。


■7月17日(土)フリー走行1(9:00〜9:45)
今大会は今までの大会と異なり、7月18日(日)のワンデーで予選・決勝を行う為、この日はフリー走行のみの開催となった。しかしトヨタ自動車主催の「わくわくトヨタ」が開催されているため、朝早くから多くの観衆が来場された。

9:00〜9:45に行われた第一回目の公式フリー走行。朝のうちは曇天模様であったが、開始5分前にサーキットに厳しい日差しが照りつけ、温度は30度近くまで上昇。週の前半のぐずついた天気の様相は微塵もなく、梅雨明けのような真夏日となった。多数のデータを持つライバルとの差を埋めるために、富士スピードウェイのスタンダードなセットから走行を開始した。3周毎にピットインを行い、車高、ダンパー等のセッティングを中心に行い、スタッフが短い時間を使ってマシンを進化させる。手塚監督と井出選手が息を合わせ、セットを進め、結局このセッションは4回のピットインを行い、ベストタイム1’28.126に留った。井出選手はオーバーステアに悩まされ、不完全燃焼のまま13番手でセッションを終えた。


7月17日 フリー走行(1回目)

P
No.
Driver
Team
Engine
Time
Delay
Gap
km/h
1
8
石浦 宏明
Team LeMans
TOYOTA RV8K
1'26.747
-
-
189.36
2
36
アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
1'27.066
0.319
0.319
188.67
3
1
ロイック・デュバル
DoCoMo TEAM DANDELION RACING
HONDA HR10E
1'27.128
0.381
0.062
188.54

13
16
井出有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
1'28.126
1.379
0.349
186.4

タイヤはブリヂストン(BS)ワンメイク



■7月17日(土)フリー走行2(13:50〜14:50)
13:50から開始された公式フリー走行2が60分間行われた。午前のフリー走行で出たセットの粗を出し、再度、セッティングを行ったマシンでコースイン。更なるタイムアップを狙う。正午に梅雨明け宣言が発表され気温も30度を超え、厳しい日差しがサーキットを照りつける。まずはユーズドタイヤでコースイン。序盤はマシンの確認、微調整を行うため、3〜4周毎にピットインを繰り返す。序盤は6番手付近のタイムを刻む。16周目にピットイン。他チームに先駆け、ここでニュータイヤを履き上位を目指す。

19周目にベストタイム1'28.240をたたき出し、11位に進出する。しかしフィニッシュ直前、ライバルチームのタイムアップもあり、トップと1.325秒差の14位に終わる。マシンセッティングに課題を残したまま予選に挑む結果となってしまった。チームは予選までには、戦えるマシンにする為に夜遅くまでマシン整備を行った。


7月17日フリー走行(2回目)

P
No.
Driver
Team
Engine
Time
Delay
Gap
km/h
1
36
アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
1'26.888
-
-
189.06
2
1
ロイック・デュバル
DoCoMo TEAM DANDELION RACING
HONDA HR10E
1'27.113
0.225
0.225
188.57
3
32
小暮 卓史
NAKAJIMA RACING
HONDA HR10E
1'27.222
0.334
0.109
188.33

14
16
井出有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
1'28.240
1.352
0.158
186.16

タイヤはブリヂストン(BS)ワンメイク




■7月18日(日)公式予選(Q1 9:15〜9:35 / Q2 9:45〜9:55 / Q3 10:05〜10:15)
昨日同様、天気は快晴。気温も朝からぐんぐん上がり、予選時間前の9:00にはすでに温度計の数値は気温29度。路面温度は41度まで上昇していた。天気予報は雨の心配は無いものの、この夏一番の暑さになることが予想されていた。

公式予選Q1
9:15から開始された公式予選Q1。厳しい日差しがサーキットを照りつけ、真夏の気候のもと、開幕戦と同様のノックアウト方式で行われた。Q1で上位11台がQ2に進出することとなる。20分間で行われるQ1の開始と同時に、井出選手がニュータイヤを履き2番目にコースイン。序盤から、上位グリッドを狙う作戦を取り5周目に1'26.819を記録し、5番手に浮上。チームは更に上位グリッドを狙う為、ピットインを指示。再びニュータイヤに履き替えて走行を開始。

他ライバルチームも、我が無限チームのピットイン後に続々とピットイン。ニュータイヤに履きかえる。井出選手はタイムをなかなか上げられずに徐々にポジションを落としていたが、予選終了間近のファイナルラップ11周目に更にタイムを縮め1'26.692を記録。7番手に浮上した。この結果公式予選Q1突破に成功。昨日、問題となっていたマシンのリヤの挙動も安定してきたようだ。


7月18日 予選Q1

P
No.
Driver
Team
Engine
Time
Delay
Gap
km/h
1
32
小暮 卓史
NAKAJIMA RACING
HONDA HR10E
1'26.280
-
-
190.39
2
20
平手 晃平
Mobil 1 TEAM IMPUL
TOYOTA RV8K
1'26.292
0.012
0.012
190.36
3
36
アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
1'26.474
0.194
0.182
189.96

7
16
井出有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
1'26.692
0.412
0.034
189.48

タイヤはブリヂストン(BS)ワンメイク



公式予選Q2
9:45〜9:55に行われた予選Q2。僅か10分で8番手以内のタイムを出さなくてはならない難しいセッション。マシンが一斉にコースイン。井出選手はやや後方からのコースインとなった。まずはマシンチェック。路面の状況を感じ取り2周目からアタックを開始。3周目に1’26.411を記録し8番手に進出。この記録は破られることも無くセッションを終了。今期初となるQ3進出を決めた。このセッションはトップから11位までの差が0.763秒差と大接戦の争いとなった。


7月18日 予選Q2

P
No.
Driver
Team
Engine
Time
Delay
Gap
km/h
1
32
小暮 卓史
NAKAJIMA RACING
HONDA HR10E
1'25.841
-
-
191.36
2
8
石浦 宏明
Team LeMans
TOYOTA RV8K
1'25.937
0.096
0.096
191.15
3
20
平手 晃平
Mobil 1 TEAM IMPUL
TOYOTA RV8K
1'26.034
0.193
0.097
190.93

8
16
井出有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
1'26.414
0.573
0.116
190.09

タイヤはブリヂストン(BS)ワンメイク



公式予選Q3
10:05〜11:15に行われた予選Q3。足回りに若干仕様変更を施し、ユーズドタイヤで開始3分後にコースイン。手塚監督からは井出選手に、スリップストリームを使ってタイムを削る様指示が出る。当初からアタックは2周のみと決めていたので、最終の3周目に井出選手がアタックに入る。若干距離があるものの、トムスのマシンのスリップに付き、最高速を稼ぐ。1’26.757を刻み8番手で終えるものの、ユーズドタイヤでのこのタイムは評価すべきものであった。この結果、午後の決勝は8番手グリッドが決定した。


7月18日 予選Q3

P
No.
Driver
Team
Engine
Time
Delay
Gap
km/h
1
1
ロイック・デュバル
DoCoMo TEAM DANDELION RACING
HONDA HR10E
1'25.999
-
-
191.01
2
20
平手 晃平
Mobil 1 TEAM IMPUL
TOYOTA RV8K
1'26.035
0.036
0.036
190.93
3
32
小暮 卓史
NAKAJIMA RACING
HONDA HR10E
1'26.098
0.099
0.063
190.79

8
16
井出有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
1'26.757
0.758
0.379
189.34

タイヤはブリヂストン(BS)ワンメイク


7月18日 予選総合結果

P
No.
Driver
Team
Engine
Q1
Q2
Q3
1
1
ロイック・デュバル
DoCoMo TEAM DANDELION RACING
HONDA HR10E
1'26.539
1'26.285
1'25.999
2
20
平手 晃平
Mobil 1 TEAM IMPUL
TOYOTA RV8K
1'26.292
1'26.034
1'26.035
3
32
小暮 卓史
NAKAJIMA RACING
HONDA HR10E
1'26.280
1'25.841
1'26.098

8
16
井出有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
1'26.692
1'26.414
1'26.75

タイヤはブリヂストン(BS)ワンメイク



決勝(14:45〜15:55)
決勝時刻に近づくにつれ、気温31度、路面温度46度まで上昇。路面からの照り返しにより、実際の温度以上に体感温度は暑く感じられ、過酷なレース展開が予想された。今回は距離が200kmに設定され、今期最短距離による超スプリントレース。更にピットインやタイヤ交換の義務は無いため、チームはノーピット作戦でレースを組みたてる。他チームも同様の作戦を取るようだ。この暑さによるドライバーの体力消耗も懸念される。決勝レースは定刻どおり14:40にフォーメーションラップが開始される。

全車グリッドに整列すると、レッドシグナルのブラックオフとともに、44周回の決勝レースの幕が切って落とされた。ここで早くも波乱が起きる。ポールポジションの#1ロイック選手がエンジンストール、3番手以下のポジションからスタートしたマシンは、1コーナーにかけ激しいポジション争いを起こし、団子状態で1コーナーへ。ロイック選手同様、我がチームの井出選手もスタートで失速。1コーナーまでに5つポジションを下げ、下位のマシンの後塵を浴びることとなる。集団に飲み込まれた井出選手は前を走るマシンを果敢に攻めたてる。

12周目のストレートでオーバーテイクボタンを使い、前のマシンを抜こうと攻めるものの、勢いあまって1コーナーでコースアウト。ポジションを1つ下げ、12位に後退する。しかし17周目、#29井口選手をダンロップコーナーで鮮やかにパス。11位にポジションを上げる。更にペースの上がらない#10塚越選手に対し、周回を重ねるごとに差を縮める。

29周目にストレートでオーバーテイクボタンを上手いタイミングで使用し10位にポジションを上げる。1分30秒台後半から31秒台前半で綺麗にラップタイムを揃えて快走を続ける井出選手。気温も高いことから、手塚監督から井出選手に激励の無線が飛ぶ。その後も安定したタイムを刻むものの、前のマシンを抜くに至らず10位でチェッカーを受けた。

フォーミュラ・ニッポン第4戦の舞台は、Honda陣営のホームコース、ツインリンクもてぎ。8月8日決勝で行われます。皆様の応援宜しくお願いします。


7月18日 決勝

P
No.
Driver
Team
Engine
Lap
Time / Behind
1
20
平手 晃平
Mobil 1 TEAM IMPUL
TOYOTA RV8K
44
1:06'05.040
2
36
アンドレ・ロッテラー
PETRONAS TEAM TOM'S
TOYOTA RV8K
44
12.793
3
19
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
Mobil 1 TEAM IMPUL
TOYOTA RV8K
44
14.89

10
16
井出 有治
MOTUL TEAM 無限
HONDA HR10E
44
53.606

タイヤはブリヂストン(BS)ワンメイク





■井出有治選手コメント
今回、土曜日のフリー走行でクルマのセッティングが出ずに辛い走行が続いたが、スタッフ達が夜遅くまでマシンを修正してくれたので、予選の走り出しはとても良く、Q3まで進出できた。やっといい流れになり、みんなと同じレースが出来るところまで来たといった感じです。決勝スタートで、トラブルなのか加速が上手く乗せられずにポジションを大きく下げてしまい、また前を追いかけるのにオーバーテイクを試みるも、結果的にポジション下げてしまった。しかしラップタイムはコンスタントに良いタイムを刻むことが出来ました。次は頑張ります。応援宜しくお願いします。


■勝間田エントラント代表コメント
今回のレースで、ドライバーに、予選での戦略やタイヤの使い方が把握できたのと、Q3に残れたことが大きな成果であった。決勝は悔やまれる点もあるが、運もあるので次に期待したい。もてぎはホンダのホームコースなので上位に進出してもらいたい。


■手塚監督コメント
今回、第一関門である予選のノックダウンQ3まで残れたことが最大の成果であり、自分も嬉しかったです。これで次のもてぎにいっそう励みとなった。決勝のスタートで出遅れたことは大変悔やまれるが、ドライバーが1コーナーで飛び出すほど、最高速を叩き出し、果敢に攻めてくれたので、見ごたえのあるレースであった。もてぎはセッティングに良い感触を得ているのでとても楽しみです。期待してください。