Special Article
2011.7.11 フォーミュラ・ニッポン選手権 第3戦 富士スピードウェイ プレビュー
路面状況と天候に合わせた臨機応変のセッティングが鍵となる
梅雨明け宣言が出され暑い夏が到来しました。
フォーミュラ・ニッポンは富士スピードウェイにて第3戦を迎えます。今回はレーススケジュールと決勝での義務付け事項に変更があります。土曜日はフリープラクティスのみとなります。そして日曜日朝にノックアウト方式の公式予選をおこない、午後に2回のタイヤ交換義務(4輪同時交換)を含む決勝レースが行われます。
決勝の特別規則としては、オートポリス大会とは異なりタイヤ交換作業と同時の燃料給油作業が認められます。このことから決勝ではバリエーションに富んだ戦略が予想されます。
以上を踏まえてTEAM無限の手塚監督とドライバーの山本尚貴選手に、高速コースである富士スピードウェイでの第3戦の見どころを語ってもらいまいた。
Q1:決勝ではタイヤと燃料給油に関していろいろな戦略が予想されますね。レースウィークで使える4セットの新品タイヤでどのように公式予選の3セッション、決勝での2回のタイヤ交換による3スティントをどのように戦いますか?
【手塚】勝つ!ための戦略を考えて戦います。現時点では、秘密です。確実なのは決勝では2回ピットに入り4本同時のタイヤ交換をすることだけですね。もちろん雨が降れば、タイヤ交換義務がなくなりますからタイヤ無交換で走りきるというのも選択肢の中に加わります。
【山本】僕はまだ2回タイヤ交換義務のあるフォーミュラ・ニッポンのレースを経験したことがありません。給油の際の燃料量もあわせると、バリエーションは増えてくると思います。金曜日と土曜日の走行結果から日曜日の公式予選と決勝の戦い方が見えてくると思います。

【手塚】コースの全部を速く走れるようにします!というのがもちろんベストですね。ただ100R、ヘアピンを含むセクター2は高速向きに、シケイン形状のコーナーを含むセクター3は中低速向きに、と欲を言えばきりがありません。もちろんストレートスピードも気にしなければなりません。これらをその日の路面状況、天候も加味しながら総合的にセッティングをしていきます。
【山本】セクター1と2は同じような性格のドライビングで対応できますが、セクター3は曲がりくねった登りが特徴の独特のキャラクターを持つ区間です。どちらに向けてセッティングを振るかはレース・ウィークにチームと相談して決め込みたいと思います。
Q3:昨年末に開催されたJAF GPでの表彰台以降、昨年末のテスト〜鈴鹿の開幕でのポール・ポジション獲得とチームの流れが良くなってきているように感じますが?
【手塚】2010年シーズンに蓄積したデータが活きて来ています。このデータを今年のドライバーのドライビングスタイルに合わせて変更したことで結果に結びついていると思います。若い山本選手の持つスピードとチームが持つ経験とがうまく組み合わさった結果だと思います。

【手塚】季節に関係なくクルマに搭載している電子機器(ECU、GCUなどのコンピューター機器)には冷却風をうまく当てるように工夫しています。あとはタイヤの温め方にも気を使っています。またドライバー用のレーシングスーツも今年は軽量化した涼しいタイプのものを用意しています。
【山本】普段のトレーニングでは重ね着をして汗をかきやすくしています。普段の生活から暑さの負荷に慣れるようにしていますね。
チームの対策は万全のようです。7月15日(金)から始まる公式テスト走行から皆さまの応援をよろしくお願いいたします。7月の富士スピードウェイは日中の気温が34℃以上に達することもあります。ファンの皆様におかれましてもサーキットにお出かけの際は充分な熱中症対策と、雨天などの変わりやすい天候に備えてのご用意もお願いします。
TEAM無限では鈴鹿・オートポリスに引き続き、ピット内からLive MovieをUSTREAMでお届けします。ご声援をよろしくお願いいたします。