News & Report
2011.6.7
全日本フォーミュラ・ニッポン第2戦
燃料給油無しの250km! 薄氷を踏む燃費走行で5位入賞!
シリーズ名:2011年 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第2戦
大会名:AUTOPOLIS 2&4 RACE 2011
距離:4.674km×54周(252.396km)
予選:6月4日(土)晴れ・観衆9,100人(主催者発表)
決勝:6月5日(日)雨のち曇り・観衆:13,000人(主催者発表)
レースウィーク直前に義務付け事項に変更のあったAUTOPOLIS。決勝250kmの長丁場をTEAM無限は燃料給油無しで望んだ。6番グリッドからスタートの山本選手はスタートで4番手にジャンプアップ。4周目にタイヤ交換義務を果たすと、その後は、燃費を計算にいれながら着実な走りで順位をあげた。最終ラップの最終コーナーでガス欠症状を起こしながらも5位完走。貴重な4ポイントを獲得した。
●6月4日(土)
■フリー走行 1回目 7位
開幕戦で確認した基本となる車両セッティングを、AUTOPOLISの特性にあわせていく作業を行った。中古タイヤを使用した走り出しの段階では、まだ路面にラバーが載っていない状態であったが、午後の予選では変化することを見据えて車高およびダンパーを調整した。合計5回の調整を終えて空力面も含めたセッティングを終えたところで、4セットある新品タイヤの1セット目を投入。予選シミュレーションをした山本選手はオーバーステアを感じながらも1分32秒874を記録して7番手につけた。
■公式予選 6位(Q1:9位/Q2:7位/Q3:6位)
Q1の最初のアタックでは、午前のフリー走行で使った1セット目のタイヤで午後の路面へのセット確認と調整を行った。2回目のアタックでは2セット目の新品タイヤを投入して9番手を確保した。続くQ2では終盤4分間での1アタックで争う展開となった。山本選手も3セット目となる新品タイヤを投入して7番手を確保して開幕から連続してQ3進出を決めた。
Q3でもアタックは残り時間3分からに集中した。山本選手もQ1とQ2の結果からさらにセットをAUTOPOLISにあわせこみ、最後の新品タイヤとなる4セット目を投入、1分31秒785を記録して6番手を得た。
●6月5日(日)
■フリー走行 2回目 5位
土曜日から一転して雨となったAUTOPOLIS。チームはレインタイヤでの燃費データを確認した。さらに、決勝での天候変化を見越して、この大会の義務付け事項であるタイヤ交換をどのタイミングで行うか、また想定される決勝でのレースペースをもとに燃料給油が必要かどうかを最終確認した。
■決勝 5位(54周 1時間29分24秒496 ベストラップ 1分36秒344)
スタート前、天候はときおり小雨がぱらつく程度の状況となったが、路面は依然として濡れたまま。チームはレインタイヤでスタートすることを選択。グリッド上の全車がレインタイヤでのスタートとなった。
6番グリッドからスタートした山本選手は、前方車両がイン側を取るために互いに牽制しあい、スペースの空いたコースアウト側を一気に加速。1コーナーを大胆に大外から回り込むと4番手まで浮上した。
オープニングラップ終了後からレインタイヤをスリックタイヤに交換する車両が現れはじめる。山本選手は4周目にピットイン。スリックタイヤへと変更してタイヤ交換義務を完了した。12番手でコースに復帰した後は、どんどんと順位をあげていく。7周目には8番手に、12周目には7番手に順位をあげる。20周目以降はNo.7石浦選手と競り合い、23周目の1コーナーでオーバーテイクボタンを作動させながらパス。4番手に浮上するとさらに表彰台に向けての追い上げを続ける。
ところがこの直後から、燃料給油をおこない燃費に余裕のあるNo.1オリベイラ選手が背後に迫る。TEAM無限は燃料給油無しで走りきる作戦を選択したため、オリベイラ選手に再三にわたって攻め込まれる。ゴールまで残り8周となるところまでオリベイラ選手の猛攻をしのぐが、明らかにペースが速い相手を防ぎきることはできずに4番手の座を明け渡した。
この時点で6番手との差もひろがっており5位チェッカーは確実かと思われた矢先、最終ラップの最終セクターのブリッジにさしかかったあたりから、ついにガス欠症状を引き起こす。なんとか車体を左右に振り、残っていた燃料を使いきってチェッカーを受けた山本選手は5位完走で貴重な4ポイントを獲得し、AUTOPOLISでの週末を終えた。
■山本尚貴コメント
開幕戦ではスタートに失敗してしまいましたが、今回はうまく決めることが出来、2コーナーまでに2つポジションをあげて4番手になる事が出来ました。スリックタイヤに履き換える判断はもっと早くチームにリクエストしなければいけなかったと思います。この部分は僕のミスです。タイヤを交換した後はペースも悪くなく走れました。
序盤、石浦選手とのバトルで軽く接触してしまい、マシンの右リアに違和感を覚えながらも何とか走れていました。その後、燃費やタイヤの事を考えながらオリベイラ選手を抑えるという展開が長い間続きましたが、最後は残念ながら抜かれてしまいました。
また、チェッカー目前でガス欠の症状が出てしまい、ゴール出来るかどうか心配しましたが、何とかゴール出来て、貴重なポイントを取ることが出来たことは良かったです。
チームの皆さん、スポンサーの皆さんには感謝しています。次の富士ではさらに上を目指して戦いたいと思います!
■手塚監督コメント
前回の鈴鹿でポール・ポジションをとれたベースセットをもとにAUTOPOLISを走りだしましたが、路面の性格の違いから確認に少し手間取ってしまいました。これがなければもっと予選でも前に行けたと思います。
決勝は朝のレインタイヤでのデータなども踏まえて燃料給油なしの作戦をとりました。結果論から言えばピットインのタイミングはもう少し早いほうが良かったかもしれません。しかし、燃費の厳しいサーキットで、燃料調整をしながら他のクルマと争いながら決勝レースを走りきったことで山本選手も得るものが多かったと思います。
今回、ドライとウェットのデータを含めたいろいろなセットでのデータを取れました。このデータをもとにさらに学びながら次のレースに備えたいと思います。
■勝間田エントラント代表コメント
今回は過去のレース走行データが不十分な状況下、第1戦の鈴鹿仕様からのセッティングスタートを開始しました。そのような中、チームはドライバーの的確なコメントをもとに、セッションごとにクルマは良い方向に行き、短時間で効率良くセットを出してくれました。レースは前回の課題であったスタートも上手く決まり、ウェットからドライへと変わる難しい路面コンデションの中、ドライバーは最後までクルマをコントロールして、無事5位完走が出来、貴重なデータも得ることが出来た事は大きな収穫でした。
次戦富士大会は、昨年暮れに走行テストしているので、更なる好結果を狙いたいと思います。