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2011.7.19

全日本フォーミュラ・ニッポン第3戦
「悔しさ」の残る灼熱の200kmスプリントレース!! 3戦連続のポイント獲得ならず!

シリーズ名:全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第3戦 富士スピードウェイ
大会名:2011年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第3戦
距離:4,563km×44周(200.772km)
フリー走行:7月16日(土)晴れ・観衆:7,000人(主催者発表)
予選・決勝:7月17日(日)晴れ・観衆:15,800人(主催者発表)

 公式予選、2回のタイヤ交換義務のある200kmの決勝レースを日曜日に実施するワンデーレースとなった第3戦。気温30℃を超す富士スピードウェイでTEAM無限はなかなか歯車がかみ合わずに苦戦した。予選は6番手。決勝はスタートで5位まで順位をあげる。3戦連続のポイント獲得を目指すも9位フィニッシュ。不運が重なりあと一歩のところでポイントを逃してしまった。


●7月16日(土)
■フリー走行 1回目6位 2回目5位
 震災の影響による走行時間不足を解消しようと金曜日に追加された公式合同テストと土曜日の2回のフリー走行でチームは予選と決勝に向けた多様なセッティングを試みた。燃料の搭載量によるラップタイムの変化、高速コーナーと1.5kmの長いストレートを持つ富士スピードウェイにあわせた空力セッティングを重点的にこなした。レースウィークでは4セットの新品タイヤが使えるが、この日は使わず。許可されている持ち込みタイヤだけを使って走行した。

●7月17日(日)
■公式予選 6位(Q1:5位 Q2:5位 Q3:6位)
 ピット内の温度計は午前8時の時点で気温は26℃。予選終了間際の午前9時には28℃まで上昇した。この予選で温存した4セットの新品タイヤをQ1、Q2、Q3ですべて投入した。Q1では1セット目で山本選手が記録したタイムは1分25秒934とこの時点でトップ。計測開始後15分から2回目のアタック。ここでも5番手を確保してQ2への進出を決める。Q2とQ3ではQ1からの気温上昇を考慮にいれた変更で臨んだが、クルマには大きな問題も見つからず、山本選手も大きなミスをしていないにもかかわらず、3つのセクターでの僅かな差の積み重なりにより予選結果は6位となった。

■決勝 9位(44周 1時間06分55秒500 ベストラップ 1分27秒864)
 決勝は2回のタイヤ交換義務をふまえ、200kmのレース距離を3つに分割した短距離スティントとみたて、それぞれを予選で数周使用しただけのタイヤで、全開走行を繰り返し上位入賞を目指す作戦をとった。

 スタート直後、山本選手は6番グリッドから第2戦オートポリスと同様に好ダッシュを決めて5番手にあがる。しかし、山本選手よりも数周前にタイヤ交換をして長い距離を走ってタイヤの摩耗が進んでいるはずのライバルに比べて、ラップタイムが伸びてこない。山本選手からクルマのバランスに問題が無いことを確認したチームはペースアップを指示。しかし、特性の違うエンジンを積むクルマや同じHondaエンジンを積むNo.41塚越選手よりペースが上がらなかった。

 この傾向はタイヤを交換しても続いてしまう。14周目に1回目、27周目に2回目のピット作業でタイヤ交換義務を果たし別のセットのタイヤを履いてもペースは思うようにはあがらなかった。悪いことには2回目のピット作業では予定外に手間取りコース復帰後に順位を下げてしまった。それでも終盤、前方の車両に追いつきポイント圏内まであと一歩と迫った。しかし、前のクルマに接近するとダウンフォースが抜けて挙動が乱れる現象に苦しみ、9位で決勝を終えた。



■山本尚貴コメント
 「悔しい」のひとことです。決勝のスタートをうまく決めたのに、その後のペースがあがらないままレースを終えてしまいました。チームとは2回のタイヤ交換義務がある200kmを3つの短距離スティントと考えて、ペースをあげて走る作戦をとっていたので余計にも悔しいです。2回目のピット作業後は一瞬、ペースを落としましたが残り周回数を計算して前のクルマを追い抜くことに集中しました。でも、今日は前のクルマに近づきすぎるとダウンフォースが抜けてコーナーリングスピードが落ちる傾向に苦しんでしまいました。
 次戦のツインリンクもてぎは、自分にとっての地元であるだけでなく、Hondaの地元でもあります。一層の気合を入れて臨みます。

■手塚監督コメント
 金曜日、土曜日をかけて予選と決勝に向けて、いろいろなセッティングを試しました。その結果から、200kmの決勝をタイヤを使いきって全開走行を続けて上位を狙おうという作戦でした。しかし、決勝中は気温が高かったせいもあって前を走るクルマを追い抜こうとするとダウンフォースが減ってしまい追い抜けない状況となってしまいました。これは予想外でした。結局、ピット作業のタイミングで順位が左右され、しかも我々もミスがあり結果に結びつきませんでした。もてぎで巻き返しです。

■勝間田エントラント代表コメント
 富士スピードウェイは昨年11月にテストを実施していました。しかし、気温が低くタイムが出やすい時期のテスト結果を、気温30℃を超す猛暑の中の今大会にはうまくあわせきれませんでした。それとは別に、決勝レース中のピット作業にミスがあったことは猛反省しなければならないことです。次回以降からは決しておきないようにしなければなりません。我々が走らせているフォーミュラ・ニッポンのクルマはセッティングによって挙動が大きく変化します。この部分では他チームに先んじられていることは否めません。今後は気温や路面温度が変化してきてもこれらに左右されないクルマ作りをしていく必要を痛感しています。

以上