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2011.9.27

全日本フォーミュラ・ニッポン第6戦
TEAM 無限、「菅生の魔物」に最後までもてあそばれる。

シリーズ名:全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第6戦 スポーツランドSUGO
大会名:2011 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第6戦 スポーツランドSUGO
距離:3.704km×68周(251.872km)
公式予選:9月24日(土)晴れ・観衆5,500人(主催者発表)
決勝:9月25日(日)晴れ・観衆:12,700人(主催者発表)

 台風による第5戦の中止によってフォーミュラ・ニッポンは1カ月以上のインターバルをおいての実戦となった。この間、TEAM無限はウィークポイントであったピット作業の練習、コース特性にあわせた事前セッティングを含めた入念な準備の上スポーツランドSUGOへと乗り込んだ。しかし、走行開始直後に持ち込んだセッティングの想定が外れていたことが判明する。急遽、修正を試みながら打開策をさぐりつつなんとか公式予選Q3まで達する。しかしそのQ3でのアタック中に赤旗の掲示に気が付かず不運にも7グリッドの降格ペナルティを科されてしまう。その後も解決の糸口をみつけようとしたが最後まで「菅生の魔物」にもてあそばれてしまった。TEAM無限にとって表彰台はおろかノーポイントの週末となってしまった。


●9月24日(土)
■フリー走行 1回目:9位
 事前に良いと思われる方向にセッティングの上、菅生に車両を持ち込んだが、いざ走り出してみると山本選手からはフィーリングが良くないことが報告される。すぐさまTEAM無限は対応を開始した。いつもならば予選に向けてクルマのレベルを高めていく1時間となるところが、よもやの展開でセッティングの見直しという段階に戻ってしまう。

■公式予選 7位 (Q1:10位 Q2:8位 Q3:7位)
 Q1では持ち込んだセッティングの方向からは逆の方向でクルマを調整して臨んだ。しかしクルマの挙動は向上せず、この時点で山本選手自身は「Q3まで残れないのでは」とまで悲観していた。何をどうしたら良い方向に向かうのか迷いが残ったまま。それでもQ1、Q2を突破、開幕からずっと維持してきたQ3へと進出する。しかし、ここで大きな落とし穴が待っていた。山本選手がアタックしていたタイミングでコース上では赤旗が出されており、これに気づくことなく前を走るマシンを追い抜いてしまい、予選結果より7グリッド降格のペナルティを科されてしまう。一時は混迷から抜け出せたかにみえたTEAM無限であったが日曜日の決勝は今シーズン経験したことのない下位グリッドからスタートということになってしまった。

9月25日(日)
■フリー走行 2回目:13位
 後方グリッドからのスタートということを考慮したTEAM無限は、ここで後方から追い上げる作戦に向け、あえてクルマのセッティングを変更した。30分間の限られた時間の中で、戦略に対応したクルマに仕上げるべく最後の最後まで調整を続けた。

■決勝 11位 (67周 1時間21分39秒255 ベストラップ 1分10秒175)
 山本選手は今シーズン経験したことのない後方からのスタートとなった。混乱に巻き込まれることなくオープニングラップを終えると序盤に1回目のタイヤ交換義務をこなす。ピット作業の練習を繰り返してきたTEAM無限はその成果を発揮して、確実に作業をこなしクルマをコースへと復帰させる。
 しかし、その後の走行ペースは予想していたものよりも遅いままとなってしまう。山本選手の懸命のドラビングに反してクルマのペースは上がらないまま周回は進む。2回目のタイヤ交換義務を果たしたあとには、あろうことか後続車に対して進路を譲れという「ブルーフラッグ」を振られてしまう。
 結局、週末を通じてクルマのレベルを高いところまで引き上げられなかったTEAM無限は13位でチェッカーを受ける。その後、車両検査で失格となった上位車両が2台あったため公式結果上は11位となったが、ピット作業のミスもアクシデントもないなかでのこの結末には誰しもが納得できなかった。

■山本尚貴コメント
 苦しいレースでした。ピットのミスもなくアクシデントもない中で走行ペースが悪かったため、到底受け入れがたい結果となりました。ピット作業についてチームスタッフは過去2戦からプレッシャーもあったと思いますが、ロスなくこなしてくれました。対策してくれたチームに感謝しています。しかし、持ち込みの段階でのセッティングの方向性を見誤った代償は大きく、ポイント圏外での走行となってしまいました。
 シリーズは残り1戦、さらにJAFグランプリを残すのみです。今回の結果はもちろん納得していません。次までのインターバルで原因を解明してクルマを仕上げて、開幕したころ以上の勢いを取り戻したいと思います。この状況ではありますが、決して下を向くつもりもないし前を向いて目標達成に向かっていきます。

■手塚監督コメント
 スポーツランドSUGOに持ち込んだセッティングの方向を間違ってしまい、修正を試みましたが、高いレベルまでもっていくことがかないませんでした。土曜日のフリー走行でのオーバーステア傾向は公式予選のあいだも解消できないままでした。日曜日はセッティングを見直して変更をかけましたが、今度はそれが決勝で裏目にでてしまいました。ただ練習を繰り返してきたピット作業は2回ともミス無くこなせたことは第6戦での収穫です。週末を通じて非常に悔しい思いをチーム全体が感じています。最終戦は必ず巻き返します。

■勝間田エントラント代表コメント
 スポーツランドSUGOの特性にあわせて持ち込んだはずのセッティングの方向性が間違っていたことがすべての原因でした。走り出しとなった土曜日朝のフリー走行からセットの煮詰めに時間を要してしまいました。それでも公式予選は開幕からずっと保っているQ3まで進むことができました。公式予選中もQ1、Q2、Q3の各セッションで随時、セッティングを見直してQ3で7番手を得ました。しかし、赤旗の見落としは痛恨のきわみでした。予期していなかったことにより14番グリッドからのスタートとなってしまいました。決勝レースでは、ここ2戦ピット作業にトラブルがありましたが、スポーツランドSUGOでは2回とも安全にかつ確実に遂行できました。それだけに週末をとおしてレベルの高いところまでクルマをあわせきれなかったことが残念です。

以上