Rd.1 OKAYAMA

2013年4月9日

「MUGEN CR-Z GT」
予想外のコンディションの中、
着実にポイントを獲得!

シリーズ名:2013 AUTOBACS SUPER GT SERIES ROUND 1
大会名:OKAYAMA GT 300km RACE
距離:43.703km×82周(303.646km)
予選:4月6日(土)雨 ・観衆: 8,000人(主催者発表)
決勝:4月7日(日)晴れ・観衆:16,000人(主催者発表)

 #16MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴組)は、4月6日〜7日に岡山国際サーキット(岡山県)で開催されたSUPER GTシリーズ第1戦に参戦。昨シーズン第4戦からテスト参戦した#16MUGEN CR-Z GTにとって、初めてのフルシーズン本格参戦になる。
 マシンは昨年のテスト参戦で蓄積したデータや経験を基に、シャシーはZF2をベースとして新たに製作され,ドライバーには昨年から引き続き武藤英紀選手を起用、パートナーには新たにフォーミュラニッポンやGT500での経験を持つ中山友貴選手を迎えた。

4月6日(土)

公式練習 23位(ベストタイム:1分41秒984)

 台風並みの低気圧が接近する影響で天候が崩れ、午前9時からの公式練習セッション開始直前から岡山国際サーキットには雨が落ち始めた。#16MUGEN CR-Z GTのコックピットにはまず武藤選手が乗り込み、スリックタイヤを装着してコースイン、2周を走行してピットに戻った。ピットでは車体各部のチェックを行うとともにタイヤを次のセットへ交換してコースへ復帰。再び2周を走行してピットへ帰還、今度はレインタイヤに交換してコースへ戻った。セッション開始から30分を過ぎた頃には雨が強まって、路面が光り出すコンディションとなっていた。

 レインタイヤを装着した武藤選手はロングランにかかり、ペースを上げてラップタイムを少しずつ縮めていった。しかしコンディションは悪化、コースオフする車両が出てセッションは再三にわたって中断した。武藤選手はウェットコンディションの中、上位車両と同等のペースで周回、23周目には自己ベストとなる1分41秒984を記録した。

 武藤選手は3回目の赤旗中断のタイミングで24周を走り終えピットイン、中山選手に交代した。中山選手は10時18分にセッションが再開されるとコースイン、ヘビーウェット状態のコースで周回を重ね、マシン習熟を進めた。1回の赤旗中断をはさんで中山選手は9周を走行、ベストタイムは1分55秒221であった。

公式予選 20位(Q1:20位、Q2:−)

 今年から公式予選の形式が変更され、全マシンが参加するQ1と、Q1の上位13台のみが出走できるQ2でスターティンググリッドを決定する2段階制ノックアウト方式となった。決勝のスターティンググリッドは、Q2に進出した上位13台についてはQ2のタイム順、それ以降はQ1のタイム順で決まる。Q1とQ2は別のドライバーが走行しなければならず、タイヤはQ1で1セット、Q2でさらに1セットが使用できる。

 チームはQ1に中山選手、Q2に武藤選手という組み合わせで公式予選に臨んだ。天候はますます悪化、10分遅れでセッションが始まった。中山選手は出走車両の最後尾近くでコースイン、水しぶきをあげながらタイムアタックに向けてタイヤを暖めにかかった。しかしタイムアタックに入る前に他車がコースオフしたためセッションは赤旗中断、一旦ピットに戻った。

 セッションが再開され、コースインした中山選手は2周にわたってタイヤを暖め、3周目に1分54秒030を記録した。しかし残り3分の段階で再び赤旗が掲示され、セッションは中断。残り3分でセッションは再開されたが、各車タイムアタックに入る前に三度赤旗中断となり、そこで公式予選は打ち切られた。この時点で中山選手のタイムは20番手で、Q2進出はならずそのままスターティンググリッドが決定した。

4月7日(日)

フリー走行 20位

 日曜日、雲は切れて太陽がのぞき始めたがコースは濡れた状態でフリー走行セッションが始まった。コックピットには武藤選手がついてレインタイヤでコースイン、4周を走ってピットに戻り中山選手へ交代した。コースが徐々に乾いていく中、中山選手も4周を走ってセッションは終わった。

決勝 7位(76周 1時間59分39秒522 ベストタイム:1分30秒670)

  決勝スタートを迎えた岡山国際サーキットの上空には晴れ間が見え日光も射してきたが、気温は14度と低く、さらに強風が吹くというコンディション。スタートは武藤選手が務めた。

 フォーメーションラップが2周に延長されたため、実質レース周回数は1周減算の81周となってレースは始まった。20番手からスタートした武藤選手は、周回毎に順位を上げ6周目までに16番手となるが、7周目パイパーコーナーの立ち上がりで直前を走る2台が接触スピンするアクシデントが発生、武藤選手は急減速してこれを避けたが、その間に後続5台が先行し、19番手まで順位を下げた。

 武藤選手は改めて追い上げにかかり、8周目に18番手、9周目に16番手、10周目に15番手、21周目に14番手、24周目に13番手、33周目に12番手へと順位を回復した。その後ドライバー交代のピットインが始まったため、見かけ上の順位を5番手まで上げ40周を走り終えたところでピットイン、中山選手へマシンを引き継いだ。

 中山選手は武藤選手からマシンのインフォメーションを受けコースイン、11番手からレースを始めた。その後45周目には8番手へと順位を上げたがその後は前走車、後続車と間隔が開いたため、データ収集に重点を置いて周回を続けることになった。最終周に上位走行車両がレースから脱落した結果、中山選手は最終的に7位でチェッカーフラッグを受けた。

 TEAM無限は、チームポイント4点(7位)、走行ラップポイント3点(1周遅れ)の合計7点のチームランキングポイント、武藤選手/中山選手は,4点(7位)のドライバーランキングポイントを獲得した。

武藤英紀選手コメント

この週末は、気温に振り回されてしまった感じがします。テストのときよりはるかに気温が低くて、持ち込んだタイヤがクルマにマッチしませんでした。もうあと5度気温が高ければ、結果がずいぶん違ったものになっていたと思います。クルマ自体は、ハイブリッドシステムも含めて非常にいい仕上がりでフィーリングはいいです。

決勝では当初は10位以内くらいでバトンタッチできればと思っていました。目の前でスピンされたときは危なかったですね。どっちへ行くのかわからない状態だったのでほとんど一時停止してしまいました。今から思えば2台の間をうまくすり抜けられたのかもしれないけれど、レースを走りきるためにはそこまで無理はできませんでした。

そこまで着実に順位を上げていたのに、あれで5台くらいに抜き返されてしまったので残念ではあります。その他、自分でも細かいミスはあって改善の余地はありますが、総合的にはうまく自分のペースで走れたと思います。

中山友貴選手コメント

クルマを引き継ぐまでのタイヤの状態やクルマの状態など、武藤さんからインフォメーションがあったので安心して乗り込めました。予選が良くなかったので、スタートからゴールまできちんと走りきってクルマの状態がどうなるのかについてデータを残すことに専念しました。

走り出して何台かオーバーテイクもできましたが、終盤は前も後も間隔が開いてしまったので、スタビをいじってみたりハイブリッドのマップを調節したりして、それがタイムやシステムにどんな影響を及ぼすのかをチェックしていました。

GT500には乗ったことがありますが、GT500クラスに抜かれるGT300のレースは今回が初めてで、当初は不安でした。でもGT500時代を思い出してGT300がどんなことをしたらイヤか、どんな意思表示をすればうまく抜けるのかを客観的に考えながら走りました。本当はお立ち台まで行きたかったんですが、ポイントは取れたので次につながったと思います。チームには予選で迷惑をかけましたけれど、レースはしっかり終えることができたのでよかったです。

熊倉淳一監督コメント

土曜日の練習では、レインのセッティングを探りました。それなりのタイムが出ると感じていたので、公式予選ではQ2に勝負をかけるつもりで中山選手にQ1をまかせましたが、予想以上にコンディションが悪く、しかも赤旗のタイミングが悪すぎてQ2進出ができませんでした。その結果、スターティンググリッドが20番手となってしまいましたので、まずは決勝でシリーズポイントを獲得することを目標にしました。

クルマには大きなトラブルも起きず順調に走って、目標通りポイントを獲得、その目標を達成しました。武藤選手が、ベテランらしく冷静にアクシデントを避けてくれたのが大きいですね。路面コンディションとクルマの特性に合ったタイヤのチョイスが今後の課題です。今回はあまりにも気温が下がりすぎてしまいました。リストリクタが拡大されたのでFIA-GT3勢との差はもっと縮まると思ったんですが、まだまだ相手は速いです。

今回のコースでそう感じるのですから、次の富士スピードウェイではストレートが長い分、もっと厳しい戦いになりそうです。我々も新しい空力パーツを開発中なので、それを投入してうまく働けば良い結果が出せるだろうと思っています。皆様、ご声援有難うございました。