SP JAG GP.

2013年11月27日

武藤選手が第1レースで6位、
中山選手が第2レースで5位に
それぞれ入賞。総合6位で終える。

シリーズ名:JAF Grand Prix SUPER GT & SUPER FORMULA FUJI SPRINT CUP 2013
距離:第1レース 4.563km×22周(100.386km)
距離:第2レース 4.563km×22周(100.386km)
予選 / 決勝第1レース:11月23日(土) 晴れ・観衆:23,000人(主催者発表)
決勝第2レース:11月24日(日) 晴れ・観衆:39,000人(主催者発表)

 #16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴組)は、11月23日〜24日に富士スピードウェイ(静岡県)で開催されたJAFグランプリ 富士スプリントカップに出場した。静岡県富士スピードウェイで開催されたこのレースは、シーズンを締めくくる特別戦である。

 特別戦のこのレースでは、予選と決勝をそれぞれ2回行い、それぞれのレースは1人のドライバーがドライバー交代をせずに担当する。各レース結果にポイントが付与され、合計したポイント数順に総合順位を決めるという変則的な競技規則となっている。

 2013年度SUPER GT GT300クラスのシリーズチャンピオンとなった#16 MUGEN CR-Z GTは、ボンネットにチャンピオンマークを誇らしく描き込んだうえで富士スピードウェイへ搬入された。

 ウェイトハンディは科せられないが、吸気リストリクターやリアの車高を含む特別性能調整はシリーズ最終戦と同じ条件となっている。ABSの許されているFIA-GT3勢に対して、JAF-GT300規格の#16 MUGEN CR-Z GTにはABSは装備できず、しかも特別性能調整によってリアの車高を8mm上げられているため、コーナー進入での安定性の面では大きなハンディを負っての戦いになる。

11月23日(土)

公式予選:第1レース(武藤選手)6位(1分37秒965)
公式予選:第2レース(中山選手)4位(1分37秒646)

 富士スピードウェイは晴天に恵まれたが、第1レースの公式予選は午前8時5分から20分間という異例の時間帯に行われた。コースコンディションが読みにくい中、チームはASIAN LE MANSで優勝を遂げたときのデータを基本に、コーナリング重視のハイダウンフォース仕様のセッティングを施した。

 ステアリングを握るのは武藤選手。長いストレートのある富士スピードウェイではFIA-GT3勢のストレート速度が高く、#16 MUGEN CR-Z GTのタイムは伸び悩む。最終的に武藤選手はコースレコードに迫るタイムを記録するが、6位でセッションを終えた。

 続けて8時50分から第2レースの公式予選が行われた。こちらを担当するのは中山選手。中山選手もFIA-GT3勢の速さに苦しみ、1分37秒646という従来のコースレコードを破るタイムを記録したが予選順位は4位に留まった。

決勝第1レース:6位(22周 36分58秒674 ベストタイム:1分39秒697)

 第1レースの決勝レースは午後2時5分から行われた。チームは、コーナリング性能を低下させてもストレートでのトップスピードを伸ばした方が決勝では戦いやすくなるとの判断から、ロードラッグ仕様のリヤウイングへ交換、スタートに備えた。

 通常のシリーズ戦ではローリングスタートが行われるが、今回のイベントではGT300もスターティンググリッドからのスタンディングスタートを切る。武藤選手はスタート合図でうまく加速、一旦3番手争いをするが、1周目の1コーナー及びダンロップコーナーで逆襲を受け6番手へ順位を戻した。

 その後レースは膠着状態に入る。武藤選手はコーナーでは前走車に近づくが、メインストレートへ帰ってくるとその差を一気に引き離されるという一進一退の攻防を続ける。だが次第に後方からの追い上げを許し、11周目には7番手へ後退した。その後上位を走る車両がトラブルでレースから脱落したため、武藤選手は6位でチェッカーフラッグを受けた。

11月24日(日)

決勝第2レース:5位(22周 36分53秒291 ベストタイム:1分39秒228)

 前日と同じ午後2時5分に第2レースの決勝が行われた。今回のレースを担当するのは中山選手。富士スピードウェイは前日に引き続き快晴である。中山選手は、スーパーフォーミュラの決勝レース22周を戦った直後、休む間もなく#16 MUGEN CR-Z GTのコックピットに収まるという、非常に厳しいスケジュールとなった。

 中山選手は、スタンディングスタートでうまく車速が上がらず、ひとつ順位を落として5番手でレースを始めた。その後も後方からFIA-GT3勢に攻められ、4周目の最終コーナー前で6番手へ順位を落とした。ただしその直後上位を走る車両がペナルティを受けて後退したため、順位は5番手を守る。

 その後6周目にはストレートで後方のFIA-GT3車に並ばれ第1コーナーで先行を許した。しかしレース後半、上位車両がトラブルでピットインしたため、順位が再び繰り上がり中山選手は5番手を守ることになった。結局中山選手の操る#16 MUGEN CR-Z GTは5位でレースを終えた。

 第1レースで武藤選手が5ポイント、第2レースで中山選手が6ポイントを獲得し、#16 MUGEN CR-Z GTの合計ポイントは11ポイントとなり、総合順位は同ポイント6位となった。

武藤英紀選手コメント

予選はクルマの調子は良かったんです。選択したタイヤが路面に合わなかったせいで、本来ならもう少しパフォーマンスを見せられるところだったんだけど、このような結果になってしまいました。ストレートの速さはどうしようもないですね。

決勝スタートは良くて4番手を追い抜けそうだったんだけど、相手が外にはらんできたので当たりたくないなと思って外へ避けて、結局順位を落としてしまいました。でもその後、コース後半で4号車と接触してしまいました。ステアリングを切っているときだったし、結構衝撃があったのでサスペンションに影響が出たかも知れません。

その後フロントに振動も出るようになって、ペースが上がりませんでした。(FIA-GT3勢に対しては)ブレーキで頑張れないので、抵抗することも出来ずに淡々と走るしかありませんでした。ドラッグの低いリヤウイングの効果はあったと思いますが、前に追いつくのは無理でした。最後のレースなのでもう少し良い感じで締めくくりたかったけど、精一杯でした。

中山友貴選手コメント

今回は非常にFIA-GT3勢が速くて厳しいレースでした。以前のデータを元に、予選ではハイダウンフォースのセッティングで臨んだんです。コーナリングでのクルマのパフォーマンスは非常に良かったし、早朝のセッションだったので路面も悪いであろうと思ったんですが、ちょっと読みが足りなかったかもしれません。

でもアタック自体は自分では満足行く出来だったし、結果的に4番手でスタートできました。決勝では、直前に乗ったスーパーフォーミュラの感覚が残っていて、序盤の数周は自分の感覚とクルマの限界にズレが生じてしまい、クルマなりの走らせ方を取り戻すまで時間がかかってしまいました。

序盤はそれで思ったようにペースが挙げられなくて2台にかわされてしまったんですけど、中盤以降のペースは周囲と変わらなくなったので、残念です。でも来年に向けたクルマ作りについては、クルマの面でもハイブリッドシステムの面でも得たものがあったので、それを来年に向けて活かせればいいなと思いました。

熊倉淳一監督コメント

今回のレースはシリーズ戦ではなかったので、シリーズ戦ではできなかった来季に繋がるテストを兼ねた事も試そうと考えて臨みました。

その一つとして、レースを戦い切るには厳しいかもと思われるところまで攻めた新しいスペックのタイヤを使ったりもしました。やはりテスト不足等の影響もあり予選では十分なパフォーマンスを示す事はできませんでした。

でも路面温度の低いレースを想定したタイヤなので、更に開発が進めばきっと来年の開幕戦岡山国際サーキットでのレースなどでは、十分パフォーマンスを発揮できるのではないかと期待しています。シリーズチャンピオンは獲得できましたが、来期に向けた開発は、すでに始まっています。

今年一年間ファンの皆様、ご声援ありがとうございました。

来年も引き続き応援よろしくお願いいたします。