無限MUGEN

CR-Z HYBRID

SUPER GT 2014 TEAM MUGEN

Rd.6 SUZUKA

2014年9月3日

様々なトラブルに見舞われるも8位入賞!
確実にポイントを奪取!

シリーズ名:2014 AUTOBACS SUPER GT SERIES ROUND 6
大会名:第43回インターナショナルSUZUKA 1000km
距離:5.807km×173周(1004.611km)
予選:8月30日(土)晴れ・観衆:25,000人(主催者発表)
決勝:8月31日(日)晴れ・観衆:36,000人(主催者発表)

  #0 MUGEN CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀/道上龍組)は、8月30日〜31日に鈴鹿サーキット(三重県)で開催されたSUPER GTシリーズ第6戦に参戦した。シリーズ第6戦は、晩夏の鈴鹿サーキットでシリーズ最長の1000kmで開催された。TEAM無限では酷暑の長距離レースに備え、第3ドライバーとして今季エグゼクティブ・アドバイザーを務めてきた道上龍を登録してレースウィークに臨んだ。

 #0 MUGEN CR-Z GTは、長いレースに備え、エンジンルーム内の熱害を予防するため、エキゾーストパイプに覆いをつけてリヤフェンダー前端開口部から冷気を導入、覆いからアルミのフレキシブルパイプを伸ばし車両後端まで引っ張って排気し、冷却効率を高める改良を加えた。

 スポーツランドSUGOで採用した夏用グリル、スワンネック式リヤウイングなど新しい空力パーツを引き続き装備している。ウェイトハンディは、前戦に引き続き38kg。JAF-GT300クラス参加条件として、吸気リストリクター径は28.66mm×2、燃料補給装置流量オリフィス(φ27.5mm)、ハイブリッド重量60.1kgが適用されている。

8月30日(土)

公式練習:1位(ベストタイム:2分00秒531)

 ドライコンディションで午前の公式練習セッションが行われた。#0 MUGEN CR-Z GTのコックピットには、まず今回第3ドライバーとして登録した道上選手が座わりコースイン。次いでいつものように中山選手、野尻選手がステアリングを握った。道上選手は3周を走って2分23秒017、中山選手は13周を走り2分01秒542、野尻選手は13周を走り2分00秒531を記録した。野尻選手のタイムはGT300クラスのコースレコードであり、GT300クラストップのタイムであった。

公式予選:2位(Q1:3位 2分00秒424 / Q2:2位 1分59秒639)

 午後、公式予選が行われた。スターティンググリッドは、全マシンが参加するQ1と、Q1の上位13台のみが出走できるQ2の、2段階制ノックアウト方式で決まる。

 チームは、Q1を中山選手、Q2を野尻選手で戦う作戦をとった。中山選手は3周目にタイムアタックを行い、2分00秒424を記録して2番手につけた。ここでコースアウトした車両がでたためセッションは赤旗で中断、セッションは残り5分で再開されたが、中山選手は2度目のタイムアタックを行わずピットに待機したままセッションを終えた。この結果、#0 MUGEN CR-Z GTは3番手でQ2へ進出した。

 Q2は7分遅れの午後2時47分から始まった。セッションのためにコースオープンされても野尻選手はピットに待機し、出走車両の最後尾近くでコースインし、タイムアタックを行った。3周目、1分59秒639を記録、この時点でトップタイムから0秒524遅れの2番手につけた。ここで、コース上で発生したアクシデントを受けセッションは赤旗で中断。午後3時3分、残り4分でセッションは再開されたが、チームはこれ以上のタイム短縮は望めないとし、野尻選手をピットに待機させたままセッションを終えた。スターティンググリッドは2番手で決定した。

8月31日(日)

フリー走行:24位(ベストタイム:2分04秒778)

 午前8時30分から行われたフリー走行セッションでは、中山選手がステアリングを握ってコースインした。決勝用セッティングをまとめるため、中山選手が集中して12周を走り決勝に向けてクルマをまとめた。その後、サーキットサファリの時間に野尻選手がコックピットに座り中山選手のまとめたセッティングを確かめた。セッション終了時にはドライバー交代の練習が行われた。

決勝:8位(158周 5時間39分04秒719 ベストタイム:2分02秒831)

 気温は32度、晴れ。しかし、雨の予報も聞こえる状況でのスタートとなった。スタートを務める中山選手は、ポールポジションの#55の背後につけてレースを始めるが、じりじりと差が開く。それでも6周目にはその時点でのファステストラップ2分02秒831を記録した。

 20周を過ぎて中山選手の操る#0 MUGEN CR-Z GTのペースが鈍り後方から攻められ始めた。予想よりも速くタイヤ消耗が進んだせいだ。28周目、後続車にポジションを譲り3番手、29周目にはさらに後続車の先行を許して4番手となったが、中山選手はそのままピットインし、ドライバー交代、タイヤ交換、給油を行った。

 早めのピットインで#0 MUGEN CR-Z GTは順位を12番手まで落としたが、野尻選手は周回毎に順位を上げ44周目にはトップから3秒687遅れの4番手へと順位を回復した。ところがデグナーでGT500クラスのマシンと接触したとして、ドライビングスルーペナルティの裁定が下された。52周を終える際に野尻選手はペナルティを実施し、順位をトップから1分遅れの6番手へと落とした。

 野尻選手は63周を終えてピットイン、ドライバー交代、タイヤ交換、給油を行った。ところが給油作業中のタイヤ交換が完全に終わらないうちにジャッキを下ろしてしまい、中山選手がコースインしようとエンジンをかけたところで再びジャッキアップが行われたため、ピット作業違反の裁定が下り、一旦コースインした中山選手にドライビングスルーペナルティが科せられた。

 この結果、一旦は7番手にまで上がっていた順位は10番手まで後退してしまった。その後じりじりと追い上げるが順位はなかなか上がらず、7番手に回復したところで野尻選手に交代。ピットインで13番手に下がった順位を野尻選手はハイペースで挽回、126周目には見かけ上の順位を5番手にまで回復して130周目、中山選手に交代した。

 コースに戻った段階で中山選手の順位は7番手。中山選手は少しでも選手権ポイントを獲得しようと力走、6番手のポジションを確保したかに見えたが、残り15周を切る頃からコースの一部でエンジンが失速する症状が現れ、ごまかしながらの走行を強いられることになった。ラップタイムも大幅に低下し、結局後方からの追い抜きを許して8位で1000kmレースを完走して終えることとなった。第3ドライバーの道上選手は決勝に出走することはなかった。

 この結果、TEAM無限は、チームポイントを8位の3点、走行ラップポイント1点(トップの1周遅れ)、合計4点のチームランキングポイントを加算、累計ポイントを34点としてシリーズランキング11番手となった。中山/野尻組はドライバーランキングポイントを4ポイント(700km以上のレース)加算、累計ポイントを23点とし、シリーズランキング11番手となった。

中山友貴選手コメント

残念なレースですね。走り出しは結構良くて、手応えもある中で予選に臨みました。でも同じクルマの#55に結構タイムを開けられてしまいました。手応えはありながらもまだまだ詰めて行かなくちゃ行けない部分があるんだなということを痛感しました。決勝は、長いレースだからミスをせず、アクシデントに巻き込まれないようにするというのがポイントだったんですけど、セカンドスティントで野尻選手がペナルティを受けて、次はぼくが交代したときにスタッフも焦りが出てしまったのか、ピット作業でミスが出てペナルティを受けてしまいました。

残り15周を過ぎた頃、急に2コーナーの立ち上がりでパワーを失うように失速する症状が出て、アラームも何も出ない状態なのでガス欠なのかなと思うと、その後は生き返るんです。でも大きな問題を抱えていたら怖いので少しずつペースを上げていったら特に何もなさそうなので、そのままごまかしながら走ってみようということに決めて走りきりました。症状を出さないように、あまりGをかけないようにして、完走しようと。1000kmはポイントも大きいし、後ろも来ていたので自分でペースを作って走っていました。

野尻智紀選手コメント

予選は2番で結構悔しかったです。でも決勝を考えたらいいポジションかなと思っていたんですが、クルマ的にもドライビング的にも見直さなければならない点もありました。#55の様子を見ているともっと『限界が高いところにあるのかなあ』という感じがするんです。いままでぼくは、『このクルマは結構ピーキーな動きをする』と感じてそれに合わせていたんですけど、タイムを出しに行くのにはドライビングをクルマに合わせていてはだめなようです。

ペナルティを受けた接触は、S字のあたりでGT300クラスのクルマが集団になっていて、それをなんとか抜いているうちに後ろを確認しきれなくなって、デグナーに入るとき、GT500クラスの車に当たってしまったんです。非はぼくにあります。なんであのタイミングで後ろをちゃんと確認していなかったんだろうと思います。これが鈴鹿1000kmの難しさなのかと思い知りました。

熊倉淳一監督コメント

レースウィーク中に決勝セットを上手くまとめきれなかったのが敗因です。決勝日のフリー走行でもタイヤに合ったセットを決めきれずにスタートする事になり、前のクルマに少しずつ離されてしまいました。野尻も初めて鈴鹿1000kmという長い距離のレースを戦うことに対して心構えが足りなかったのか、他車と接触してしまいました。

チーム側としてもピット作業時間を少しでも短縮しようとする焦りからレギュレーションに触れる行為をしてしまうなどミスがあって、余計なペナルティを2度も受けてしまったせいでポジションを下げてしまいました。

残り15周くらいで、あるコーナーでエンジンが失速する症状が起き始めました。裏ストレートのトップスピードは出ていたので、なんとか症状がでるところだけペースを落とせばピットに入れることなくチェッカーを受けられるのではないかと判断し、走行を続けてなんとかポイントを獲得する事ができました。トラブルに関しましては、戻ってから原因を追及し対策していきます。

次戦のタイ大会は、初めてのサーキットですので非常に楽しみです。引き続き応援、宜しくお願いいたします。

© M-TEC Co.,Ltd. All Rights Reserved.