無限MUGEN

CR-Z HYBRID

SUPER GT 2014 TEAM MUGEN

Rd.8 MOTEGI

2014年11月20日

TEAM無限、最終戦を13位完走でフィニッシュ!
シリーズランキング9位でシーズンを終える。

シリーズ名:2014 AUTOBACS SUPER GT SERIES ROUND 8
大会名:MOTEGI GT 250km RACE
距離:4.801km×53周(254.453km)
予選:11月15日(土) 晴れ・観衆:15,500人(主催者発表)
決勝:11月16日(日) 晴れ・観衆:32,000人(主催者発表)

 #0 MUGEN CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀組)は、11月15日〜16日にツインリンクもてぎ(栃木県)で開催されたSUPER GTシリーズ第8戦に参戦した。シリーズ最終戦となるこのレースでは、開幕以来積み重ねてきたウェイトハンディを原則として全車下ろし、開幕時点の車両重量でレースを戦うことになる。

 TEAM無限は、このレースをCR-Z GTの集大成で戦おうと、これまでテストを続けてきた新たなエンジン制御システムを搭載したマシンを持ちこんだ。

11月14日(金)

フリー走行:8位(ベストタイム:1分50秒019)

 年間スケジュールの都合で、最終戦もてぎのための合同テストが行われなかったため、代替として金曜日午後1時から午後4時15分まで3時間15分にわたってフリー走行枠が設けられた。昨年のもてぎ戦のデータ、今年気温が低い季節に開催された岡山戦のデータを基に、気温が低下したときの課題に対応したタイヤを準備してテスト走行で車体・エンジン制御等のセッティングを確認した。

 新たに実戦投入したエンジン制御システムの効果は認められた。しかしブレーキ系にトラブルが発生し、前後のブレーキバランスがうまく取れず、テスト走行セッションを車体セッティングに十分に使い切ることができなかった。

 中山選手が32周、野尻選手が22周を走行してセッションを終え、タイムは出走22台中8番手にとどまった。

11月15日(土)

公式練習:12位(ベストタイム:1分49秒496)

 快晴の空の下、午前9時15分から30分間にわたってドライコンディションで公式練習セッションが行われた。#0 MUGEN CR-Z GTは前日のブレーキ不調に対応、改めて走行状態を確認するため、コックピットにはまず中山選手が座り、野尻、中山、野尻の順で乗り換えて走行を行った。

 ブレーキバランス、エンジン・車体セッティングなどの状況を確認しつつ中山選手は21周、野尻選手は13周を走り、ベストタイムは1分49秒496で12番手であった。

公式予選:5位(Q1:7位 1分48秒776 / Q2:5位 1分48秒583)

 午後1時30分から快晴の秋空の下で公式予選が行われた。スターティンググリッドは、全マシンが参加するQ1と、Q1の上位13台のみが出走できるQ2の、2段階制ノックアウト方式予選の結果で決まる。

 チームは、Q1を野尻選手、Q2を中山選手で戦う作戦をとった。野尻選手は4周目に1分48秒776を記録、15分のセッションを途中で終え、7番手でQ2進出を決めた。

 午後2時17分から15分間の予定で始まったQ2は中山選手が担当した。中山選手は計測3周目に1分48秒583を記録、クールダウンしてピットへ帰還した。その結果、スターティンググリッドは5番手と決まった。

11月16日(日)

フリー走行:18位(ベストタイム:1分51秒232)

 午前9時15分から30分間にわたって行われたフリー走行セッションでは、まず中山選手、次に野尻選手がステアリングを握ってそれぞれ7周、8周を走行した。だがユーズドタイヤで燃料をフルに搭載して走ると、タイヤが路面のタイヤカスを拾ってグリップが低下するという症状が顕著であることが判明、決勝に向けて最後の対応を行った。

決勝:13位(49周 1時間34分01秒165 ベストタイム:1分51秒337)

 ツインリンクもてぎは快晴、気温13.5度、天候悪化の予兆もない絶好のコンディション。スタートは中山選手が務めた。

 スターティンググリッド5番手からレースを始めた中山選手は、ポジションを守って序盤を闘うが、レコードライン外を走るとタイヤカスを拾ってグリップが低下するという問題に苦しみ、さらにレギュレーション上、動力性能に勝るFIA-GT3勢に攻め寄られて9周目に6番手、10周目に7番手、12周目に8番手へと順位を下げていった。

 中山選手は20周を走ってピットイン、野尻選手に交代した。チームは、給油を行うと共にリアタイヤ2本のみを新品に交換、ピットストップ時間を短縮して順位を引き上げる作戦を採った。野尻選手がコースに復帰した段階で、見かけ上の順位は18番手。その後、周囲がピットストップを行えば順位は向上していく見通しであった。

 計算通り野尻選手の順位は25周目には17番手、28周目には16番手、31周目には14番手、32周目には13番手と上がっていった。しかし同時に#0 MUGEN   CR-Z GTの駆動系に一部トラブルが発生し、野尻選手は本来のラップタイムを維持することが難しくなった。

 その結果、作戦通りに順位を上げることが出来ず、42周目には逆に順位を落とさざるをえなかった。結局野尻選手は前走車の後退により順位をひとつ取り戻し13位で49周を走りきりレースをフィニッシュした。

 TEAM無限は1周遅れ完走の3点をチームポイントに加算、合計44点でシリーズランキング9位となった。中山/野尻組はドライバーランキングポイントを加算できず累計ポイント26点で、シリーズランキング10位でシーズンを終えた。

中山友貴選手コメント

フリー走行を終えた段階では不安もあったんですが、予選にはチームが対応してくれました。Q1を野尻選手が行い、そのコメントを聞いて、不安のある中でもQ2では踏み込んでアタックができました。

決勝に関しては、ロングランを想定した各部の確認が日曜日の朝になってしまったのが残念です。走り方を工夫して対処したんですが、耐えながらのレースになってしまいました。新エンジン制御システムは、よく効いてストップアンドゴーのコースで低速からの加速という意味ではかなりヘルプしてくれました。

今年はドライバーとしての立場が変わって責任が問われる中で仕事をさせてもらって、自分がどういうふうにチームを引っぱっていけばいいのかを勉強させてもらったシーズンでした。クルマにとっては、レギュレーション的に厳しい1年になってしまいましたが、その中でも得たモノは大きかったと思います。

野尻智紀選手コメント

(金曜の)走り出しは思わしくない状態でした。そこからトラブルを直して、予選はそれまでと比べるとかなり良い状態で走れました。ぼくがQ1を走った後、クルマの状態は攻められる状態になっていますと中山さんに伝えました。

でもレースではタイヤが拾うゴムに悩まされました。とはいえゴムを拾ってコントロールしにくくなっても自分でなんとかできるようにならなくてはいけない。まだまだぼくの力が足りていない部分です。

去年はあれだけ良いレースをしていたチームなのに、今年は1勝もできなかったのが申し訳ないです。実際、シーズン序盤はうまく走れなかったので、ぼくが入ったことによって迷惑をかけた形になってしまいました。もっと序盤戦からクルマを乗りこなせていたら勝つこともできたのかなと思います。大きな反省点が残りました

熊倉淳一監督コメント

金曜のフリー走行ではブレーキにトラブルが発生してしまいましたが、通常のレースウィークであれば、もっと時間的に厳しいことになっていたと思うので不幸中の幸いでした。

もてぎは、ストップ&ゴーが多くブレーキング時のスタビリティ―が重要なコースということで、それを考慮したセットアップで車両を持ちこみました。これまでテストしてきたエンジン制御システムを搭載したのもその一環です。

今回は、ここまで開発したCR-Z GTの集大成の形です。リアタイヤのみ交換は、昨年のデータや練習走行の状況から見通しはついていました。今年は性能調整によりFIA-GT3車両よりストレートスピードが10km/h以上遅い状況で、シーズン通して非常に厳しい戦いを強いられましたが、我々に出来ることはやり尽くしたと納得しています。

サポートしていただいた皆様、並びに応援して下さいましたファンの皆様、1年間ありがとうございました。

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