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2013年8月7日

山本選手が開幕から4戦連続の入賞を果たし、
ポイントランキング3位で前半戦を折り返す!

シリーズ名:2013全日本選手権スーパーフォーミュラ第4戦
大会名:2013 全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ第4戦 もてぎ2&4レース
距離:4.801km×52周(249.652km)
予選:8月3日(土) 晴れ・観衆:9,500人(主催者発表)
決勝:8月4日(日) 曇り・観衆:15,500人(主催者発表)

 全日本選手権スーパーフォーミュラ第4戦が栃木県ツインリンクもてぎで開催された。TEAM無限は、#16山本尚貴選手と#15小林崇志選手の2カー体制でこのレースに臨んだ。第2戦、第3戦と2戦連続で表彰台に上がった#16山本選手は、シリーズポイントランキング単独2番手につけて地元ツインリンクもてぎでのレースを迎えた。

8月3日(土)

フリー走行 1回目
#16山本 6位 
#15小林 16位 

 ツインリンクもてぎの上空は、雲の隙間からときおり真夏の太陽が照りつけるという状況。フリー走行、公式予選ともドライコンディションで行われた。

 午前8時30分から1時間の予定で行われたフリー走行では、#16山本選手が17周を走行してセッション6番手、#15小林選手が19周を走行してセッション16番手のタイムを記録した。

 #16山本選手は今回採用されるスペシャルステージ制の公式予選を意識し、コースイン後1周でタイヤを暖め(通常はさらに1周タイヤのウォームアップに用いる)そのままタイムアタックを行うシミュレーションを行った。

公式予選
#16山本 Q1:4位 スペシャルステージ:6位
#15小林 Q1:12位

 今回の公式予選は通常の形式と異なり、スペシャルステージ方式で行われる。Q1(30分間)は全車が出走し、Q1の上位8名がスペシャルステージに進出、9位以降の選手についてはQ1でのタイム順で9番手以降のスターティンググリッドが決まる。スペシャルステージではQ1で記録したタイムの下位から1台ずつ順に単独でコースイン、ウォームアップの後、1周のタイムアタックを行い、そのタイムで上位8つのスターティンググリッドを決める。

 午後1時5分に始まったQ1では、#16山本選手が開始早々に1分34秒911を記録し暫定の3番手につけるとピットに戻って待機に入った。#15小林選手は1分36秒168を記録してピットに戻った。

 セッション開始後15分、本格的なタイムアタックが始まった。#16山本選手、#15小林選手ともコースインしてタイムアタック。#15小林選手は1分34秒313を記録して暫定の2番手につけた。その直後、#16山本選手は1分34秒172を記録して暫定のトップに立った。その後2車はピットへ戻り待機に入った。

 セッション残り5分で#16山本選手はタイムアタックのためにコースイン、1分33秒421を記録してトップに立った。しかしその後タイムアタックに入った他車がタイムを更新、最終的に#16山本選手は4番手でスペシャルステージへ進出を決めた。

 一方、#15小林選手はセッション残り3分まで待機を続けてコースイン、タイムアタックを行ったが、ちょうどタイムアタックを終えた他車に進路を塞がれる形となってタイムは1分33秒990に終わり、12番手でスペシャルステージ進出はならず、#15小林選手の決勝のスターティンググリッドは12番手に決まった。

 スペシャルステージは、午後1時50分から始まった。#16山本選手の出走は5番目。#16山本選手はコースイン後1周でタイヤを暖め、タイムアタックに入った。記録は1分33秒393で、その時点で3番手につけた。その後、このタイムを上回る選手が現れたため、最終的に#16山本選手のスターティンググリッドは6番手に決まった。

8月4日(日)

フリー走行
#16山本 10位
#15小林 17位

 決勝日を迎えたツインリンクもてぎには真夏の太陽が照りつけた。午前8時50分から30分間にわたって行われたフリー走行セッションでは、#16山本選手が12周、#15小林選手が16周を走行、決勝レースに向けた調整と確認を行った。

決勝
#16山本 8位(52周 1時間25分24秒424 ベストラップ1分36秒535)
#15小林 規定周回数不足(41周 1時間24分59秒462 ベストラップ1分36秒517)

 ツインリンクもてぎ上空の空には、昼頃から雲が広がり、午後3時15分の決勝レースのために競技車両がダミーグリッドに整列する頃にはコース全域で雨粒が落ち始めた。しかし天気予報ではそれ以上の悪化はないという見通しで、出走全車両がスリックタイヤを装着してスタートに臨んだ。

 スタート合図の瞬間、#16山本選手の加速は若干鈍り、後方にいた#40に迫られる展開となった。4コーナーでは#40が先行したが、#16山本選手は90度コーナーでブレーキを遅らせてインに飛び込み、順位を入れ替えた。

 その直後#16山本選手は姿勢を崩したため#40が再び前に出た。しかし#16山本選手は#40の背後につけて、続くビクトリーコーナーのイン側に飛び込んだ。そのとき2車は接触、#40はコースから飛び出して止まり、#16山本選手も速度が鈍って後方からの追い越しを許してしまった。その結果、#16山本選手は1周目を8番手で終えた。

 一方、#15小林選手は3コーナーに左右に他車が並んだまま進入、外側にいた車両と接触してタイロッドを曲げる損傷を受けた。その影響でステアリングが正常に利かなくなった#15小林選手はペースダウンしてピットへ戻ろうと走行を続けたが5コーナーでコーナーを曲がりきれずコースオフ、グラベルベッドに捕まって走行不能に陥った。

 その後、コースマーシャルの手でコースに復帰した#15小林選手はスロー走行でピットへ帰還。ピットクルーはマシンをピットガレージへ引き入れてタイロッド修復に取りかかった。#15小林選手は、ほぼ10周遅れでコースに復帰、レースを再開した。

 8番手の#16山本選手は前車を1秒強の間隔で追いかけるが、追い越しには至らない。16周終了時点で前車が早めの給油ピットインを行ったため、チームは急遽作戦を変更して次の周に#16山本選手をピットインさせ給油を行い、ピット作業での追い越しを計った。しかし結局順位の入れ替えはできず、30周を過ぎて全車が給油ピットインを終えた段階の順位は、8番手のままであった。

 #16山本選手は、順位を上げようと前車を追ったがレース終盤、タイヤ消耗の影響でペースが落ち、前車との間隔は広がりむしろ後方からの追い上げにさらされることになった。選手権ポイントは8位まで与えられる。#16山本選手は選手権ポイントを確保するために後方を意識する走りに切り替え、残り周回を走りきり8位でフィニッシュした。

 #15小林選手も、41周を走ってチェッカーフラッグを受けたが、規定周回数46周には届かず、惜しくも完走扱いとはならなかった。

 このレースの結果、#16山本選手はシリーズポイントを1点加えて18点としたが、シリーズポイントランキングは3番手に後退した。なお、全日本選手権スーパーフォーミュラ第5戦は、8月24、25日に韓国インジェサーキットで予定されていたが中止となったため、現時点では9月28、29日に宮城県スポーツランドSUGOで開催される第6戦が次戦となっている。

山本尚貴選手コメント

スタートをうまく決めることができなくて、伊沢選手と争う形になって接触してしまったことについては、こちらも引くに引けない状態だったし、伊沢選手の言い分もわかるので、複雑な気持ちです。2台で完走できなかったという点では申し訳ないなと思っています。1周目の90度コーナーでは、ちょっと止まりきれないかなと思って、ギヤを1速に入れた瞬間にシフトロックしてクルマが振られてしまったんです。あのまま2速で立ち上がれば良かったかなとは思います。

その後、ペースが思うように上がらなくて苦しいレースになりました。今年に入ってこんなに苦しいレースは初めてです。接触の影響は、なかったと思います。朝のフリー走行では、良い感触だったんですが、タイヤが消耗してきたときのバランスがいまひとつで、リヤのグリップがなくなってペースが落ちてしまいました。その理由を次のレースまでに調べないといけませんね。なんとか1ポイントでもポイントを取れたので、最後にこの1ポイントが効いてたね、と言えるようになればいいなと思います。チームが一所懸命頑張ってくれたのにお返しができなかったのが残念です。

小林崇志選手コメント

3コーナーに3ワイドで入っていって、外側のクルマに当たってしまいました。接触自体はそれほど激しいものではなかったのですが、タイロッドが曲がってハンドルが利かなくなりました。コースに戻してもらい、ピットに帰ったらチームが直してくれて、レースに復帰はできたんですけど、なかなかペースも上げられなくて苦しいレースでした。予選は調子が良かったのでその勢いのまま、と思っていたんですけど残念です。チームも頑張ってくれていいクルマを用意してくれたのに結果で返すことができなくて申し訳ないと思います。

次戦以降は佐藤琢磨選手に変わります。今年は結果を残せませんでしたが、いろんな経験もできて自分としては成長できたと感じているので、そこはポジティブに考えて今後のレースに活かしたいと思います。国内トップフォーミュラで戦って、自分の実力をしっかり見ることができました。そういう意味で、参戦するチャンスをいただいたHondaさんとM-TECさんには感謝しています。

手塚長孝監督コメント

表彰台を目指していたので残念な結果です。山本選手の接触は、レーシングアクシデントということですが、スタートを失敗したようで、挽回するために焦っていたように見えました。本当ならみんな一緒にチェッカーを受けたかったところですから、それも残念です。

山本選手は、(ピットインを)もっと引っ張るつもりだったんですが、序盤ペースが上がらなかったので、前後の車両のピットインに合わせて、早めに入れる作戦に切り替えましたが、ポジションを上げることは出来ませんでした。でも順位が下がることもなかったので、結局は1周目の8番手のままレースを終えたと言うことになってしまいました。特に中盤から後半、タイヤの消耗が進んでペースが上がらなくなってしまったことについては、今回の決勝用セッティングに何か問題があったかもしれないので、原因を調査する必要があります。

小林選手は1周目の接触の影響でタイロッドが曲がってしまったのですが、少しでも勉強をしてもらおうとスタッフが直してコースに戻してくれました。今回のレースは2台とも1周目で決まってしまった感がありました。まだまだ冷静に考えるべきところがあるのだと思います。つくづく難しいなと実感しました。

次のレースに向けて、かなり時間があるので、スタッフも休ませてチームの雰囲気をリフレッシュできたらと思っています。シリーズも残り少なくなってきましたが全力で頑張れるようにしたいと思います。
引き続き皆様の御協力、御支援をよろしくお願いいたします。