2015 SUPER FORMULA

無限MUGEN

TEAM MUGEN

Rd.2 OKAYAMA

2015年5月27日

TEAM無限、4位入賞を果たし、
選手権ポイントを重ねる。

シリーズ名:2015全日本選手権スーパーフォーミュラ第2戦
大会名:2015全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ第2戦 岡山国際サーキット
距離:5.807km×43周(249.701km)
予選:5月23日(土) 晴れ・観衆:4,000人(主催者発表)
決勝:5月24日(日) 晴れ・観衆:7,000人(主催者発表)

5月23日(土)〜24日(日)、岡山県の岡山国際サーキットで2015年全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ第2戦が開催された。

岡山国際サーキットで国内トップフォーミュラの公式戦が開催されるのは7年ぶりのこと。当時、 排気量3,000cc自然吸気V型8気筒エンジンを搭載したフォーミュラ・ニッポンのコースレコードは1分15秒808であった。現代の規格に基づいて開発された排気量2リッター直列4気筒直噴 ターボエンジンを搭載したスーパーフォーミュラは、すでに開幕前に同じ岡山国際サーキットで行われた合同テストで、このコースレコードを破る速さを見せていた。

なお、燃料瞬間流量リストリクターは、前回の95kg/hから今回は90kg/hへと絞られている。決勝レース中に用いることができるオーバーテイクシステム(OTS)を働かせると20秒間にわたって流量制限は90kg/hから100kg/hに増えパワーアップする。このシステムはレース中、5回用いることができる。

5月23日(土)

フリー走行1回目
#16山本 3位 1分14秒047

前回のレースで#16 山本選手は、ポールポジションからスタートし決勝でも上位を快走しながらレース終盤ターボ系のトラブルに見舞われてレースを終えてしまった。今回岡山国際サーキットに持ちこまれたHR−414Eは、制御系を見直し信頼性を高める改良を受けた仕様である。

23日土曜日9時30分から1時間にわたり、ドライ路面でフリー走行が行われた。#16 山本選手は、持ち込みユーズドタイヤを装着してコースインしたが、数周のうちに各車とも、これまで残っていた国内トップフォーミュラ(フォーミュラ・ニッポン)のコースレコードである1分15秒808をはるかに上回るラップタイムで走り始めた。#16 山本選手も、そのうちの一人である。

セッション終了20分前頃から各車ピットへ戻り、公式予選に向けたタイムアタックのシミュレーションに入った。#16 山本選手は、トップから0秒056遅れの3番手でフリー走行セッションを終えた。

公式予選
#16山本
(Q1:1位 1分13秒104 R / Q2:2位 1分13秒109 R / Q3:3位 1分12秒695 R)

3回のセッションにわたるノックアウト方式の公式予選は午後1時40分から20分にわたってドライコンディションで行われた。午前中のデータを基に、予選用セッティングを施したマシンに乗った #16 山本選手は、前半はタイムアタックのシミュレーションを行いながらコンスタントに周回を 重ね、8番手で一旦ピットへ帰ってきた。

セッション残り7分となったところでタイムアタックのため各車コースイン、 #16 山本選手は最後尾近くに自分のポジションを取ってタイムアタックのためのウォームアップに入った。#16 山本選手はセッション終了を告げるチェッカーフラッグが提示された直後にコントロールラインを通過、1分13秒104を記録してトップに立ち、Q2進出を決めた。#16 山本選手のタイムは午前中に行われたフリー走行で記録されたコースレコードを上回るタイムだった。

午後2時10分から7分間のQ2が始まった。ところが各車コースインしてタイヤを温めタイムアタックに入ったタイミングで、1台の車両がコース上に停止したため、セッション開始5分35秒 時点で赤旗が提示された。#16 山本選手はタイムアタックを中断してピットに帰還した。

セッションは午後2時24分から残り2分30秒として再開された。計算上、1周でタイヤをウォームアップしタイムアタックに入らなければならないが、#16 山本選手は1分13秒109を記録し、2番手でQ3に進出した。

予定より10分遅れの午後2時37分、Q3が始まった。インターバルに、#16 山本選手はコースコンディションの変化に合わせてセッティングを微調整し、タイムアタックのポジションを調整して コースオープンから1分30秒置いてコースイン、ウォームアップを開始した。そしてタイムアタックを行った結果、セッティング変更は必ずしも思い通りの結果にはつながらなかったものの、さらに コースレコードを更新する1分12秒695を記録し、3番手でQ3を終えた。

5月24日(日)

フリー走行 2回目
#16山本 14位 1分16秒669

9時10分から決勝レースへ向けたフリー走行2回目が行われた。岡山国際サーキットは曇天。 ときおり日光が雲間から見えるドライコンディション。#16 山本選手は、いつものように決勝レース用セッティングを自分のペースで確かめた。

決勝
#16山本 4位(68周 1時間30分07秒179 ベストラップ1分17秒694)

午後3時の決勝スタートを前に、岡山国際サーキットの上空にあった薄雲が切れ、夏を思わせる日光が射して気温と路面温度が急上昇した。気温は28度、路面温度は45度に達し、この週末 最も厳しいコンディションである。スタート合図とともに、#16 山本選手は加速を開始したが、 わずかにホイールスピンをした。その隙に、後方からうまく加速した2車が#16 山本選手をかわして前に出た。

5番手で第1コーナーへ飛び込んだ#16 山本選手は、前を行くライバルを追い抜こうとバック ストレートでオーバーテイクシステム(OTS)を用いてパワーアップした。しかし#40も同様にOTSを用いて対抗した。OTSは1回につき20秒間しか作動しない。先に起動した#16 山本選手はライバルに迫り、バックストレートエンドのヘアピンでインに飛び込みかかったものの、その時点でOTSは切れており、後から起動したライバルはまだパワーが残っていたため順位を入れ替える には至らなかった。

空力性能を追求したSF14は、前走車に接近するとダウンフォースが抜ける傾向が強く、追い抜きのために接近すると、タイヤを傷めてしまいがちになる。#16 山本選手は前走を追い抜こうにも追い抜けない状況に陥り、乱れのない空気を車体に受けられるよう、一定の間隔を置いて 前走車のミスを待たなければならない状況に陥った。

あとは、ピット作業のタイミングと戦略で順位を入れ替えるしかない。チームは、給油ピットインの際、できるだけロスタイムを減らすために後輪2本のみを交換する作戦を選んだ。一方#16山本選手は、給油量を減らして給油時間を短縮するため、燃費走行を心がけた。

チームは、前走車に先駆けてレース距離の折り返し点の手前である33周目にピットへ#16山本選手を呼び、ピット作業を確実迅速にこなしてコースへ送り出した。ひとつ前を走るライバルはその翌周にピット作業を行ったが、同様に後輪2輪のみ交換の作戦をとりコースに復帰したため、#16 山本選手はライバルとの間隔を縮めたものの、結局順位を入れ替えることは できなかった。

ただし、その前方2番手を走っていたマシンは38周目にピットイン、こちらはタイヤを4輪とも交換作戦をとったのでピットストップタイムが長く、コースに復帰した#16 山本選手は差を縮めることに成功した。

コースに復帰したライバルは交換したばかりの冷えたタイヤでペースが上がらない。そこへ#16山本選手は前を走るマシンとともに迫り。39周目にライバルを追い抜き、4番手へ順位を上げた。ただ、抜かれたライバルもタイヤが温まるに従ってペースを取り戻し、#16 山本選手を追いかけ攻め寄ったが、#16 山本選手はこれを巧妙に押さえ込み、順位を明け渡さなかった。

#16山本選手を追いかける過程でそのライバルはタイヤ消耗を進ませてしまい、追撃の手は弱まっていった。その後#16 山本選手は、4番手のポジションを守ったままレースを走りきり、チェッカーフラッグを受けた。この結果、シリーズポイント4点を加え、開幕戦で獲得したポールポジションボーナスを加えて5点とし、ドライバーズポイントランキング8番手になった。またTEAM 無限は 4点を獲得しチームポイントランキング6番手につけた。

山本尚貴選手コメント

合同テストではあまり良いフィーリングではなかったのですが、この週末走り出してみると良い感触で、それからはポールポジションを取ることしか考えていませんでした。ポールポジションは取れなかったけど、2列目はいい結果かなと思います。

スタートは、前回はクラッチを放しても反応しなくて出遅れていましたが、今回はちゃんと反応したんですが、その後ホイールスピンをさせてしまって結果的に失敗でした。それ以上に後方にいいスタートを切った選手がいて、順位を落としてしまいました。OTSを使うポイントがずれちゃって、ぼくの方が早めに使ったので早めに 切れちゃったんです。野尻選手の方はストレートエンドまで効いていました。今思えばもう1発押してあそこで抜いていれば表彰台に上がれた可能性は高かったので、走りながらずっと後悔 していました。

後輪2本交換は結構きつかったですけど、自分さえよほどのミスをしない限り押さえられると思っていました。鈴鹿のレースペースは悪くなかったんだけど今回はあまり良くありませんでしたね。その原因を良く分析して富士に臨みます。

今回自分たちが持ちこんだクルマは岡山に少し不向きだったのかもしれないですけど、だからといって変にいじって富士に持って行ったらうまくいかなかったとなるのも怖いし、去年の富士は決して悪くはなかったので去年と今年の良いところをミックスしてパッケージングして持って行った方がベストなのかどうか、打ち合わせをします。

富士ではチャンスがあると思います。エンジンは去年に比べれば明らかに戦えるレベルになっていると思うし、予選では前に行ける手応えがあるので、あとは決勝。スタートで前に出る力とレースペースを落とさないことですね。

手塚長孝監督コメント

非常に難しいレースでした。今週末、走り出しの感触は結構良くて、予選3番手に入れました。エンジンの調子も良いし、決勝には期待していましたが、スタートで後のクルマに前へ行かれてしまったのが痛かったです。スタート練習を何度も行い確認はしていたのですが、最良のアドバイスが足りなかったのだと反省します。

決勝では車のバランスが改善されず山本は苦労しながらも繊細なドライビングで持っている力を充分に発揮してくれました。ピットクルーも素早く確実な作業をしてくれて、タイヤ2本交換という作戦を活かせました。改善と練習の成果を発揮してくれました。それで順位をひとつ上げられましたが、コース上で前のクルマを抜くのは空力的な影響もあって非常に難しかったです。

今、我々のいる場所はここではありません。もっともっと詰められる事を解析し、改善改良を惜しまず行っていきたいと思います。次の富士では納得できる結果を出して皆さんに喜んでもらえるよう全力で戦いますので応援をよろしくお願いします。

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