2024 SUPER_GT

Rd.1 OKAYAMA

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2017年4月12日

NSX-GT最上位の9位で完走。
選手権ポイントを獲得してシーズン開幕。

シリーズ名:2017 AUTOBACS SUPER GT SERIES ROUND 1
大会名:OKAYAMA GT 300KM RACE
距離:3.703km×81周(299.943km)
4月8日(土)曇り/雨・観衆:9,700人(主催者発表)
4月9日(日)曇り/晴・観衆:17,300人(主催者発表)

#16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐組)は、4月8日~9日に岡山国際サーキット(岡山県)で開催されたSUPER GTシリーズ第1戦GT500クラスに参加した。TEAM MUGENとしてSUPER GTシリーズに参戦するのは、MUGEN CR-Z GTでGT300クラスを闘った2014年以来のこと。 

使用する車体は、2017年度新車両規定に沿って新規開発されたHonda NSX-GT。これも新規開発されたHonda HR-417Eエンジンを搭載、NSX-GTにとって初めてとなるヨコハマタイヤを用いて闘う。

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4月 8日(土)
■公式練習:GT500クラス6位・武藤:1分19秒269 中嶋:1分21秒994

土曜日の公式練習は、雨はやんだものの路面は濡れている状態で始まった。武藤がステアリングを握った#16 MOTUL MUGEN NSX-GTは快調にタイムを縮め上位に付ける。足慣らしを終えた武藤は中嶋にマシンを引き継いだ。中嶋もじわじわとタイムを縮めながら12周を走行し8周目に1分21秒994を記録してピットに帰還した。この時点でトップタイムは1分19秒382。

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GT300クラスの占有セッションを挟んでGT500クラスの占有セッションとなった。武藤が再びマシンに乗り込みコースインした。この頃には路面コンディションも好転の兆しを見せ始めていた。武藤は1分19秒269を記録して3番手につけ、総計18周を走行して公式練習を終えた。その後武藤のタイムを上回るマシンが現れ、#16 MOTUL MUGEN NSX-GTのタイムはHonda NSX-GT勢の中では最上位、参加15台中6番手となった。

 

4月 8日(土)
■公式予選:GT500クラス7位(Q1:7位・1分18秒846、Q2:タイム抹消)

公式予選は参加15台全車が出走するQ1と、Q1のGT500クラス上位8台のみが出走できるQ2でスターティンググリッドを決定する2段階制ノックアウト方式で行われた。決勝のスターティンググリッドは、Q2に進出した上位8台についてはQ2のタイム順、それ以降はQ1のタイム順で決まる。Q1とQ2は別のドライバーが走行しなければならず、タイヤはQ1で1セット、Q2でさらに1セットが使用できる。

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チームはQ1に武藤、Q2に中嶋という組み合わせで公式予選に臨んだ。時折霧雨のような雨が落ちて路面を濡らすため、セッション開始前にWET TRACK宣言が出されるがラインは乾いた状況で、出走車両は全車ドライタイヤを装着してコースインした。武藤は快調にタイムを縮め3周目に3番手につけるとペースを落としてタイヤを冷やし、改めて本格的タイムアタックに入った。

5周目に1分21秒975を記録して4番手につけた武藤は6周目に1分18秒846で3番手に進出、8周を走ってセッションを終えた。その後武藤のタイムを上回るマシンが現れたが、セッション終了時点で #16 MOTUL MUGEN NSX-GTの順位は7番手で、Q2進出を果たした。

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午後4時15分にQ2セッションが始まると中嶋はコースインし、4周目に1分23秒478を記録して4番手につけ、本格的タイムアタックに入ろうとした。ところがここでコースアウト車両を回収するためセッションは赤旗中断となり、中嶋は一旦ピットへ戻り、改めて残り3分のタイムアタックに入ることになった。しかしセッションが再開されてコースインした中嶋はアトウッドコーナーの上りで電装系のトラブルにより走行不能となり、コースサイドにマシンを止めた。この結果セッションは再び赤旗で中断となった。

#16 MOTUL MUGEN NSX-GTはこの時点で予選を終えたが、赤旗の原因車両と判定されてQ2で中嶋のタイムは抹消となり、公式予選結果は7位(8位も赤旗原因車両)と決定した。

 

4月 9日(日)
■ウォームアップ:武藤:1分21秒163 中嶋:1分21秒213

■ウォームアップ:武藤:1分21秒163 中嶋:1分21秒213
今季競技規則が改定され、これまで日曜日の朝に行われていたフリー走行セッションは廃止となり決勝スタート前のウォームアップが20分間に延長された。このセッションで武藤は6周を走り1分21秒163を記録、中嶋は6周を走って1分21秒213を記録した。出走15台中8番手のタイムであった。


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■決勝: 9位(81周 2時間13分19秒821 ベストタイム:1分21秒011)

決勝レースは82周の予定で始まった。スタートドライバーは武藤が務める。ところがパレードラップとそれに続くフォーメーションラップでトラブルにより走行不能になる車両が発生したため走行はスタート前に赤旗中断となり、改めてフォーメーションラップからスタートをやり直すことになった。

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午後2時54分、1周減算の81周レースとして2度目のスタートが切られた。武藤は1周目を5番手で終え快調にレースを始めた。6周目にコース上の停止車両を回収するためセーフティカーによりレースは一旦中断となり11周目から再開された。この時点で武藤は5番手を守っていた。

しかし15周目を迎える頃から武藤のペースが鈍り順位を徐々に落とし始めた。どうやらタイヤがコース上のタイヤカスを拾ってグリップが一時的に低下する現象(ピックアップ)が起きたためらしい。20周目を武藤は前走車に引き離されて7番手で終え、後方から迫られる展開となった。武藤はなんとか耐えながら32周を走り、ピットへ帰還した。

ピットでは前後4輪のタイヤを交換、給油を行って中嶋に交代した。中嶋はコースに復帰、10番手でレースを再開すると、34周目には順位を9番手に上げた。しかしその後は前後の間隔が開き、大きな順位変動がないまま膠着状態で周回を重ねることとなった。

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レースも終盤となる53周目、コース上で発生したアクシデント処理のため2度目のセーフティカーが入った。リスタート後、中嶋のペースは上がったが、膠着状態を抜け出すには至らず、結局中嶋は49周を走り、優勝車から40秒195遅れの9位でフィニッシュした。

この結果、武藤/中嶋は2点(9位)、TEAM MUGENは、チームランキングポイント2点(9位)、走行ラップポイント3点(トップと同一周回完走)の合計5点を獲得して新しいシーズンを始めた。富士スピードウェイでの第2戦では4kgのウェイトハンディが課せられる。

 

 

■手塚長孝監督のコメント

NSX-GTにとって初めてのヨコハマタイヤで、十分なデータがないまま迎えた開幕戦でした。予選では電装系のトラブルが発生してしまいましたが、土曜日の段階でトラブルの原因となったパーツを交換できたので、我々のマシンは決勝レースのスタートからフィニッシュまで問題なく走ることができました。

9位という順位そのものは全然満足できませんが、完走した事で良くも悪くも沢山の情報やデータが取れたことには大きな収穫だったと思います。第1スティントの武藤選手、第2スティントの中嶋選手とも、タイヤの状況がどうだったかクルマの状況がどうだったかについて、いろんな情報とデータを持ち帰ってくれました。この得られた情報を解析して次につなげられるよう、これから精査していきます。第2戦からはもっと上位を走れるよう努力していきます。

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レース中結構苦しい展開もありましたが2人のドライバーが非常によくやってくれたと思います。またヨコハマタイヤの皆さん、チームスタッフの皆も不安を抱えながらの決勝を戦ってくれて感謝します。ポイントもとれたのであとは上に上がっていくしかありません。

応援してくださるスポンサー方々、ファンの皆様には上位で戦う姿を早く見てもらう様に、一同頑張って前進していきます。

 

■武藤英紀選手のコメント

初めてNSX-GTとヨコハマタイヤというコンビネーションで闘うので、まずQ1突破を目標にしました。それがクリアできて、Q2ももう少し行けるかなと思っていたらトラブルが発生してしまいあの順位でしたが、予選では結構良い手応えがありました。問題は決勝で、実は開幕まで1回もレース距離をシミュレーションできず、1セットのタイヤで40周以上走った経験がないままでした。

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それで決勝レースに向けての詰めが十分ではありませんでした。やはり、いきなりぶっつけ本番でピンポイントに合わせるのは難しいです。ペースが上がらなくなった原因は、全部がピックアップだったのかどうかはこれからいろいろデータを解析してみないとわかりません。スティントの最後の方でタイムが上がったりもしていますから他にも何か原因があるかもしれません。

今回新たに課題がいくつか見つかったのでそれをひとつひとつ解析しながらシーズンを闘うことになりそうです。

 

■中嶋大祐選手のコメント

予選では、ぼくが担当したQ2でちょっとトラブルが出てしまいましたが、Q1のタイムは良くて手応えがありました。予選でトラブルが出て対応できたので決勝は問題なく走り切れたというラッキーな面もありました。

決勝では走り出してすぐ、ピックアップがひどくてタイムがなかなか上がりませんでした。でもセーフティカーが入った後、クリアなラインを走るとタイムがポンと上がりました。そのときの感触が非常に良かったので、コンディションさえ噛み合えば速く走れるということが確認できました。

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ただ、その領域の幅が狭いので、どうやってそこに合わせていくか考える必要があります。開幕前にロングランを試すことができないままだったので、今回は無事完走してヒントをつかんだという意味で大きな意味がありました。