2024 SUPER_GT

Rd.2 FUJI

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2017年5月 9日

苦闘の完走
第3戦へ向けデータを収集

シリーズ名:2017 AUTOBACS SUPER GT SERIES Round 2
大会名:FUJI GT 500KM RACE
距離:4.563km ×110周(501.930km)
5月3日(水・祝)晴れ・観衆:34,100人(主催者発表)
5月4日(木・祝)晴れ・観衆:58,000人(主催者発表)
#16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐組)は、5月3日~4日に富士スピードウェイ(静岡県)で開催されたSUPER GTシリーズ第2戦GT500クラスに参加した。前回第1戦で9位に入賞した結果、ウェイトハンディが4kg課せられ車両重量は1,053kg以上となっている。

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5月 3日(水)
●5月3日(水)
■公式練習:GT500クラス14位・武藤:1分30秒997 中嶋:1分30秒428
3日の公式練習は、薄雲は流れているものの快晴の空の下、ドライコンディションで行われた。#16 MOTUL MUGEN NSX-GTは、武藤がステアリングを握って走り始めたものの、思うようにタイムが上がらず持ち込みセッティングを確かめる作業に入った。

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武藤は18周を走行して中嶋に交代した。1時間45分間にわたるセッション終盤、中嶋がステアリングを握っているときにコース上でアクシデントが発生、走行は赤旗で中断された。この段階で#16 MOTUL MUGEN NSX-GTのタイムは武藤が11周目に記録した1分30秒997で、トップタイムから約2秒遅れの13番手である。

混走セッションはこれで打ち切りとなり、#16 MOTUL MUGEN NSX-GT はGT300の専有走行セッションを挟んで10分間の専有走行を行った。ここで中嶋はタイムを1分30秒428まで短縮し、通算14周を走って走行を終えた。公式練習セッションでの#16 MOTUL MUGEN NSX-GTのタイムは参加15台中14番手であった。
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■公式予選:GT500クラス13位(Q1:13位・1分29秒281、Q2:出走せず)
公式予選は参加15台全車が出走するQ1と、Q1のGT500クラス上位8台のみが出走できるQ2でスターティンググリッドを決定する2段階制ノックアウト方式で行われた。決勝のスターティンググリッドは、Q2に進出した上位8台についてはQ2のタイム順、それ以降はQ1のタイム順で決まる。Q1とQ2は別のドライバーが走行しなければならず、タイヤはQ1で1セット、Q2でさらに1セットが使用できる。

チームはQ1に武藤、Q2に中嶋という開幕戦と同じ組み合わせで公式予選に臨んだ。路面コンディションはドライ。コースインした武藤はタイヤを暖めアタックのシミュレーションをした後、一旦クールダウンして改めてタイムアタックにかかった。

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その結果、タイムは公式練習を上回る1分29秒281にまで短縮できたが、Q2進出には1秒225及ばず、この時点でスターティンググリッドは13番手と決定した。
 
5月 4日(木)
●5月4日(木)
■決勝: クラス15位(93周 17周遅れ ベストタイム:1分32秒193)
決勝レースは通常より長い500km、富士スピードウェイを110周の予定で始まった。気温は20度、路面温度は30度を超えさらに上がろうとしている。スタートドライバーは武藤が務めた。武藤はスタート直後、タイヤを十分暖めてグリップを引き出すまでに背後からのオーバーテイクを許し、GT500クラス最後尾から追い上げにかかった。

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タイヤが暖まってからは武藤のペースも上がり、前走車との間隔を縮める展開となった、しかし10周目を過ぎる頃から武藤はエンジン不調を感じ始め、無線でピットと連絡を取りながら対応するが、走行続行は難しいと判断し18周を終える段階で緊急ピットインを行った。

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マシンはそのままガレージへ入り不調の原因と考えられるパーツを交換してほぼ8周遅れでレースに復帰した。このピットイン時に中嶋へドライバー交代、給油も行った。コースに戻った中嶋は上位とほぼ同等のラップタイムで周回を始めたが、必ずしもマシンは本調子ではなく、本来のパフォーマンスでは走れない状況だった。チームは、すでに大きく周回遅れとなっていたこともあり、順位回復よりもデータ収集に重点を置いたレースへと戦略を変更することに決めた。

中嶋は順調に周回を重ね、58周を終えてピットに戻った。ここでドライバーは武藤に交代、タイヤ交換と給油を行った。コースに戻った武藤も中嶋同様、データ収集のための走りに徹したが、レース終盤になって振動を感じ始めたため、ピットと相談のうえピットに戻った。チームは、この時点で完走義務周回数を満たしていたので、シーズン中盤に向けエンジンライフを温存することも考えて走行を打ち切ってレースを終えた。

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この結果、武藤/中嶋組は無得点でシリーズポイントランキングは15番手、TEAM MUGENは完走ポイント1点を獲得しチームポイントランキングで11番手につけてオートポリスでの第3戦を迎えることとなった。
 
■手塚長孝監督のコメント
非常に残念な結果でした。走り出しからペースが上がらず、予選で上位に行けなかったので、決勝はじっくり戦おうという作戦でした。ところがスピードがどんどん遅くなってしまったため危険回避のために早めにピットに入れることにしました。エンジンセンサー系トラブルでした。

修復に時間がかかって8周近く遅れてしまったので、ドライバーが交代してからはタイヤのテストを含めてしっかりデータ取りをしようという方針に切り替えて走行を続けました。最後は振動が出だしたためピットに入れました。悪いにせよ93周ほど走れたのでデータ情報の収集が出来た事を前向きにとらえて次に向けて準備していきたいと思います。

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ヨコハマさんや、関係スタッフ、ドライバーは一生懸命やってはくれているものの結果に結びつけなくて残念ですし悔しいです。スポンサー様、応援してくださった方々には申し訳ない気持ちですが、このデータを基に残りのレースで結果を出すよう頑張ります。
 
■武藤英紀選手のコメント
この週末は走り出しから厳しいなという感じでした。何をやってもあまり良い反応が得られなくて、クルマのセットアップでもあまり良いものが見つからなかったうえに、タイヤとクルマのマッチングもあまりうまくいきませんでした。

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決勝ではスタート直後にエンジンにトラブルが出たので予定より早くピットに入りました。そこからは、タイヤのデータを集めようということで、いろんなことを試しながら走ることにしました。ここで集めたデータが結果につながるよう、チームとも力を合わせて次のレースに臨みます。
 
■中嶋大祐選手のコメント
全体的に厳しい週末でした。決勝は、タイヤ本来の性能を引き出せないコンディションになってしまい、アンダーステアも出るしオーバーステアもでるしトラクションも良くないしという状況になって苦しいことになりました。良いときはすごく良いんですが、今回はそこには合わないコンディションだったようです。そのうえクルマにもトラブルが出て、勝負権のないところで走らざるをえませんでした。

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ぼくが乗っているときにもトラブルの症状は出ていて、ピットへ戻るほどではありませんでしたが、すでに性能は通常より落ちた状態でした。でもそんな中あきらめずに、今後へ向けたテストとして違ったマップを試してみたりしながら周回を重ねました。第3戦のオートポリスに向けて収穫はあったと思います。