2024 SUPER_FORMULA

Rd.1 SUZUKA

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2018年4月24日

山本、ポールトゥウインで開幕
福住は惜しくもリタイア

シリーズ名:2018全日本スーパーフォーミュラ選手権 シリーズ 第1戦
大会名:2018 NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース
距離:5.807km×51周(296.157km)
4月21日(土)晴れ・観衆:22,000人(主催者発表)
4月22日(日)薄曇り・観衆:34,000人(主催者発表)
2018年度全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ 第1戦が、三重県鈴鹿サーキットで開催された。TEAM MUGENは、#16 山本尚貴、#15 福住仁嶺の2カー体制でこのレースへ参戦した。

昨年FIA-F3選手権にデビューした福住は、国内トップフォーミュラでのレースは今回が初めて。今季もスーパーフォーミュラと並行してFIA-F2選手権を戦う予定でいる。

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4月21日(土)
■フリー走行
#16 山本 (ベストタイム1分38秒371 2番手)
#15 福住 (ベストタイム1分38秒873 7番手)
朝は一旦冷え込んだものの、雲が切れて日差しがコースを暖め始めた午前10時15分からフリー走行が1時間の予定で始まった。前日に設けられた練習走行セッションでは#16 山本は15周を走り1分39秒446、#15 福住は15周を走って1分39秒889を記録、それぞれ10番手、14番手につけた。どちらも土曜日以降の組み立てを重視した足慣らしであった。

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フリー走行のためにコースがオープンすると、2車はミディアムタイヤをつけてコースイン、順調に周回に入った。序盤のうちに5周を走った#16 山本は1分39秒827のトップタイム、#15 福住は1分40秒651で4番手につけるタイムを記録した。

セッション半ばでコースオフ車両回収のため赤旗が提示され全車ピットへ戻って走行は一旦中断となった。その後走行が再開されたが、今度は走行再開後2周目の#16 山本がデグナーカーブでコースオフ、セッションは再び赤旗中断となった。この時点で#16のタイムは1番手、#15 福住のタイムは4番手だったが、残り26分で走行が再開されるとソフトタイヤを装着する車両が増し、タイムの更新が始まった。

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 残り5分となった段階で#15 福住、#16 山本はソフトタイヤへ交換、タイムアタックのシミュレーションに入った。その結果、#16 山本は1分38秒371を記録して一旦下がっていた順位を2番手へ上げ、#15 福住は1分38秒873を記録して7番手へつけてフリー走行セッションを終了した。
 
■公式予選
#16 山本 1位(Q1:2位 1分37秒518 Q2:2位 1分37秒227 Q3:1位 1分36秒911)
#15 福住 2位(Q1:3位 1分37秒559 Q2:3位 1分37秒274 Q3:2位 1分36秒991)
午後3時45分からの公式予選を前に鈴鹿サーキットは気温23度、路面温度33度と初夏を 思わせる陽気となった。20分間のQ1セッションでは規則でミディアムタイヤの使用が義務づけ  られている。#16 山本 はコースインすると快調なペースでタイヤを暖め、計測2周目にはトップ タイムを記録、タイムアタックに入った3周目には1分38秒347でトップの座を固めるとピットへ戻った。#15 福住も順調にタイムを記録、#16 山本 に続く1分39秒159を記録するとさらに もう1周アタックをかけてタイムを1分39秒075まで縮めた。

セッション前半を終え全車がピットへ戻った段階で#16 山本は2番手、#15 福住は4番手につけた。セッション残り6分30秒となったところで、2回目のタイムアタックのため一斉にコースインが始まった。#16 山本は早々に1分37秒518を記録してトップに立った。その後このタイムを更新する車両が1台現れたが#16 山本は2番手でQ2へ進出した。#15 福住は1分37秒559で#16 山本に続き3番手でQ1を突破した。

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 10分のインターバルを経てQ2セッションが午後4時15分から7分間の予定で始まった。ここでは全車がソフトタイヤを装着、待機を経て残り5分となったところでコースインしタイヤのウォームアップを始めた。#16 山本 はこのセッションでも早々に1分37秒227を記録して2番手、#15 福住は1分37秒274で3番手につけた。その直後コースオフした車両を回収するため赤旗が提示されセッションは中断された。

中断の後、残り3分でセッションは再開、多くの車両は2セット目のソフトタイヤを装着してタイムアタックにかかったが、2番手の#16 山本と#15 福住はコースインしなかった。結局2人のタイムを上回る選手は現れず、そのまま2人はQ3への進出を決めた。

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  午後4時40分から7分間のQ3セッションが始まり、Q2でコースオフした車両を除く8台が出走した。#16 山本と#15 福住は残り3分30秒となるまでコースインを遅らせ、後方からのタイム アタックを行った。2台がウォームアップを行いタイムアタックに入ったところでセッション終了を示すチェッカーフラッグが振られ始め、#16 山本は1分36秒911、#15 福住は1分36秒991を記録してコントロールラインを通過して、それぞれ公式予選1位、2位となりTEAM MUGENの2台がフロントローに並んで決勝レースを迎えることとなった。

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4月22日(日)
■フリー走行
#16 山本 (ベストタイム1分41秒316 8番手)
#15 福住 (ベストタイム1分41秒510 13番手)
快晴の空の下、午前8時35分から35分間にわたってフリー走行が行われた。スタートからフィニッシュまで300kmと、通常よりも長い決勝レースに向けてレース戦略を最終的にまとめるため、ロングラン時のタイヤ状況を確かめるための周回が重ねられた。#15 福住は17周を走ってベストタイムは1分41秒510の13番手、#16 山本は16周を走ってベストタイムは1分41秒316の8番手であった。
 
■決勝
#16 山本 1位(51周 1時間29分25秒365 ベストラップ1分42秒678)
#15 福住 リタイア(32周 ベストラップ1分43秒011)
薄く雲はかかるものの、太陽が空気と路面を暖め、気温26度路面温度40度というコンディションで決勝レースが始まった。午後1時54分、スタート合図が下されるとフロントローの#16 山本、#15 福住ともうまく加速して1-2体制のまま第1コーナーに飛び込んだ。2人ともミディアムタイヤを装着し、ソフトタイヤに交換するまでできるだけ周回数を増やして逃げ切る作戦だ。#16 山本は#15 福住をじりじり引き離しながら、オープニングラップのうちに1秒5強の差をつけた。

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  後方では#15 福住が、2ストップ作戦を選んで燃料搭載量を減らし身軽な17号車に追い上げられ、3周目の第1コーナーで3番手へ順位を落とした。続けて#16 山本も17号車のアタックを受け7周目には0秒340差まで間隔を縮められたが踏みとどまり、8周目以降は再び間隔を開き始めた。

17号車は19周目に1回目のピットストップを行ったため後退、#15 福住は再び2番手へ順位を上げ、15秒7差で#16 山本を追いかける形の1-2体制となった。そのまま30周目までTEAM MUGENの1-2体制は続き、31周を終えた段階でまず#15 福住がピットイン、給油とソフトタイヤへの交換を行った。

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  続けて、先行する#16 山本は32周を終えてピットへ向かい、給油とソフトタイヤへの交換を行なってコースへ復帰した。ところが先にピット作業を終えた#15 福住が32周目のヘアピン立ち上がりで突然スローダウン。#15 福住は順位を落としながら徐行状態でピットへ戻ったが、ギヤチェンジができないトラブルによりリタイアすることとなった。

#16 山本がピット作業を終えてコースに復帰すると、首位には先にソフトタイヤへ交換しペースを上げていた#17号車がいたが、2ストップ作戦の#17号車は34周目に2回目のピットインを行って順位を下げたため、#16 山本は再び首位に復帰した。

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  36周を終えたとき、#16 山本の11秒6後方2番手には#19号車が走っていた。19号車はTEAM MUGENとは逆の、ソフトタイヤからミディアムタイヤへ交換する戦略を採り、レース終盤追い上げにかかった。ソフトタイヤを労りながらトップを走っていた#16 山本との間隔を少しずつ縮まり始めた。

しかし#16 山本は安定したペースを守り1秒720差で51周のレースを走りきり、ポールトゥフィニッシュを飾った。#16 山本にとっては2016年開幕戦以来の優勝、TEAM MUGENにとっては、昨シーズン第5戦でのピエール・ガスリー以来の優勝であった。

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■山本尚貴選手コメント
開幕前テストではソフトタイヤをうまく使えなかったこともあって、公式予選でポール ポジションを獲れると思っていませんでした。

決勝では、戦略の違いもあって最後はかなり追い詰められたので、勝ち方としては心の底から喜べませんが、素直に嬉しく思います。スタート直後、17号車の塚越選手はきっとなにか戦略的に仕掛けてくるだろうとは予想していました。走り出して相手の燃料が軽いことがわかり、もし一旦前に行かせても負けることはないと思いました。

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  でも、前を走られるとこちらのタイヤを傷めることにもなるのでそれは避けようと1コーナーで押さえたのが今回のレースのハイライトです。終盤追い上げられ、プッシュしようとしたらあまりタイヤが残っておらず余裕はありませんでした。
 
福住仁嶺選手コメント
フリー走行からの流れを考えると正直なところ公式予選で2番手にいけるとは考えていませんでした。

決勝では、序盤(山本)尚貴さんに少しずつ離されていくとき、自分なりにプッシュしたかったんですがプッシュしてタイヤを傷めてしまってもイヤだなと思い、限界を探りながらタイヤを労って走って後半ペースを上げていくつもりでした。でもピットアウトしたらヘアピンの進入で急に何かが起きて、アクセルを踏んでもアラームが出てゆっくり走るだけになってしまいました。

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  せっかくそこまで頑張って走ってきたのにと悔しかったです。今日はポディウムの可能性も十分にあったし、ポイントを獲ってTEAM MUGENのチームチャンピオン獲得に貢献できたかも知れないのに、もったいないレースになってしまいました。でも今日のぼくでは尚貴さんに勝てなかったと思います。
 
手塚長孝監督コメント
16号車が優勝できて嬉しいです。山本選手がとにかく頑張りました。15号車のトラブルはとても残念でした。福住選手には申し訳ないです。

チーム全体の評価としては、厳しいですが点数で言うと50点。練習走行ではコンディションが悪い中、しっかりと落ち着いてセットアップが出来ました。実際大きな変更もなく予選に臨むことが出来ました。

予選では必ずQ3に行ける確信していましたが、1-2を取れるとは、感動しました。福住選手はルーキーとは思えない走り、そして洞察力で大いにチームに貢献しました。16号車と15号車の共有化が良い方向に働いたと思います。

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  決勝は1-2スタートでしたので、ギャンブルは出来ませんでした。また、レース距離が300kmで、山本選手はトップ死守のプレッシャーもあり、過酷な心境に苛まれていたようです。優勝できてホッとしています。

応援してくだるスポンサー様、ファンの皆様、関係協力会社様に喜んで頂けたかと思うと、やはりホッとしております。改めてありがとうございました。そして、次戦こそが本番です。チーム全員気を抜くわけにはいきません。皆様の応援が何よりの力になります。