Super Formula

Rd.3 FUJI

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2016年7月21日

TEAM無限、トラブルで惜しくもリタイア。 次戦での復活を期す。

シリーズ名:2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権 シリーズ第3戦
大会名:2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権 第3戦 富士スピードウェイ
距離:4.563km×55周(250.965km)
予選:7月16日(土) 雨のち曇り・観衆:12,300人(主催者発表)
決勝:7月17日(日) 曇り・観衆:22,800人(主催者発表)

7月16日(土)~17日(日)、静岡県の富士スピードウェイで2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第3戦が開催された。このレースにTEAM無限は、#16山本尚貴をドライバーとして参加した。

本来、開幕戦から共通供給部品であるブレーキパッドが新仕様に切り替えられる予定だったが、フィーリングに問題があるとして対策が行われ、その間は従来品が用いられていた。ようやく対策が完了したとしてこのレースより新しいブレーキパッドが使われることになったが、従来品とは感触がわずかに異なり、各チーム/選手とも感触を確かめながらの走り出しとなった。

7月15日(金)
専有走行
#16山本 6位 1分37秒571

午前中降っていた強い雨は昼には上がり、路面は乾いていったが、専有走行が始まる午後3時20分を前に再び雨が落ち始め、セッションが始まる頃には路面は完全なウェットコンディションとなった。#16山本はレインタイヤを装着してコースインした。今年、コントロールタイヤ供給がヨコハマタイヤに切り替わって以来、レインタイヤでの走行機会はあまりなく、感触を確認しながらの走行となった。#16山本は22周を走り、ベストタイムは1分37秒571、出走19台中6番手でセッションを終えた。

7月16日(土)
フリー走行
#16 山本 12位 1分47秒680

明けて16日土曜日、午前9時15分から1時間にわたりフリー走行が行われた。雨は弱まり、一旦は広がりかけた霧も引いて、セッションは予定通り行われた。しかし、路面は好転するかと思うと雨で再び濡れるという不安定な状況で、セッティングを追求するのも難しい。#16山本のタイムは伸び悩み、23周を走ったが走19台中12番手のタイムに終わった。

公式予選
#16 山本(Q1:12位 1分44秒909 / Q2:14位 1分45秒239 / Q3:-)

3回のセッションにわたるノックアウト方式の公式予選は予定通り午後2時45分から始まった。雨は止んでいたが路面には水が残り、ウェット宣言が出された。気温は21度と低めで難しい条件である。#16山本はレインタイヤを装着してセッションに臨んだ。

20分間のQ1では、いつもの通り前半は状況を確かめながらの走行が行われた。しかし路面は特に好転せず、各車ともタイムアタックはレインタイヤで行うこととなった。#16山本はセッション残り8分を切ったところで1分44秒909を記録して6番手に付けたが、その後ラップを重ねてもタイムの短縮はならず、順位を落として12番手でQ1を終えQ2へ進出した。

Q2は10分のインターバルを挟んで午後3時15分から7分間の予定で始まった。路面は部分的に乾きかかった箇所もあるが、全体的にはまだウェットコンディションのままである。#16山本はレインタイヤでコースイン、タイムアタックにかかった。しかしQ1同様思い通りの走りができず、タイムが伸びない。#16山本は4周の計測ラップを走り最終ラップに自己ベストを記録したが順位は出走14台中14番手に終わり、Q3進出はならなかった。スターティンググリッドはこの時点で14番手と決定した。

7月17日(日)
フリー走行 2回目
#16 山本 7位 1分35秒189

雨は早朝まで降っていたが、午前8時45分からの30分間のフリー走行前には止んだ。コースはまだ濡れていたため、競技委員会はウェット宣言を出したが、各車まずは次戦への持ち越しタイヤの準備も考慮してスリックタイヤを装着してコースインした。コースは徐々に乾きはじめ、#16山本は、ドライセッティングの感触を確かめつつ走行を続け、1分35秒601を記録して上位につけた。

ここでコース上の停止車両回収のため赤旗が提示され、セッションが一時中断されたが2分の中断を挟んで再開。#16山本は13周を走行し1分35秒189までタイムを縮めてドライコンディションでの決勝へ向けて手応えを確認してセッションを終えた。

決勝
#16 山本 順位無し(40周 1時間25分21秒875 ベストラップ1分26秒417)

フリー走行後、コースは徐々に乾いていき、決勝レース前には完全なドライコンディションとなった。決勝レースに先だって行われたウォームアップ走行で、#16山本は1分26秒269を記録して出走18台中3番手につけ、ドライコンディションでの手応えを確認した。

午後2時、フォーメーションラップが始まり、出走を断念した1台を除く18台の車両がスターティンググリッドについて決勝のスタートが切られた。14番手(実質13番手)からスタートした#16山本は、2周目に12番手に順位を上げ、その後も前走車を攻めたが、ペースは速いもののなかなか前へ出ることはできず、一進一退の展開となった。

12周目に11番手、15周目には10番手と#16山本は徐々に順位を上げポイント圏を視野に入れ始めた。しかし17周目にコース上で停止した車両を回収するためセーフティカーがコースイン、各車続々とピットへ飛び込み、先を急ぐようにタイヤ交換はせず、給油のみの作業を行った。

#16山本もこのタイミングでピットイン、タイヤは予定通り無交換で給油のみを行いコースへ復帰した。しかし若干のタイムロスがあり、コースに復帰した時には順位を13番手に落としてしまった。その後、#16山本は上位陣と同レベルのペースで追い上げにかかり、20周目に12番手、21周目に11番手と順位を回復、さらに順位を上げようと前走車を追った。

ところが24周目、第3セクターに入ろうとした際、シフト系のトラブルが発生してシフトダウンができなくなり、#16山本はスローダウンして第3セクターを走行、そのままピットへ戻った。その後チームは修復作業に取りかかったが走行再開までには大きなタイムロスを強いられ、#16山本はコース復帰を果たしたものの、規定周回数に達することができず完走扱いとはならないままレースを終えた。

#16山本は選手権ポイントを重ねることはできなかったが、第3戦終了時点で依然として選手権トップの位置につけており、ホームコースとも言える次戦ツインリンクもてぎでの巻き返しを期す。

シリーズ第4戦は、8月20日~21日、栃木県のツインリンクもてぎで開催される予定だ。

山本尚貴選手コメント

ウェットの予選から始まって、あまり手応えは良くありませんでした。その中でも少しでも上のポジションを目指していたんですけども、Q2で終わるという結果になってしまいました。Q2で終わってしまったことについては、もうちょっと自分でなんとかできたのではないかと反省するとともに、チームに対して申し訳ないと思っています。

決勝では、ドライコンディションでのクルマの状態に手応えもあったので、スタートを狙っていましたが、思うように決めることができませんでした。ポジションが悪かったこともあるのですが、前へ出るどころかポジションを落としてしまいました。それでも気を取り直して序盤のうちに何台かオーバーテイクでき、ここから、と思っていました。

ですが、そこでトラブルが出てギアが落ちなくなってしまい、戦線から離脱しなければならなくなりました。非常に残念な週末でした。幸いにしてまだポイントリーダーでいられたので、なんとか地元のもてぎではチーム一丸となって頑張って結果を残し、チャンピオンを目指したいと思います。

ドライコンディションの状態も、これでOKというレベルにはまだ達していなかったように感じるので、次のレースまでみんなでいろいろ調べ直して次のレースに備えます。もてぎでの応援をよろしくお願いします。

手塚長孝監督コメント

第1戦で優勝したあと、中盤戦でポイントを重ねなければタイトル獲得は難しいという思いで第3戦に乗り込んだんですが、雨の状況で思わしくないクルマの状態を脱することができないままの予選になってしまいました。

山本には厳しい状況だったと思います。日曜日、ドライコンディションでのフィーリングは好転したので、これなら決勝でも上の方へいけるぞという感触がつかめ、上位入賞を目指すつもりでいました。しかし、セーフティカーが入ったタイミングでの大事なピットストップで給油作業に時間がかかってしまい、順位を落とした事は反省しなければなりません。

その後、山本が追い上げにかかったところで、今度はシフト関係のトラブルが発生してギアが6速でスタックし、シフトダウンができないというトラブルが発生しました。残念な事態が続きました。

規則による新ブレーキパッドも摩耗が酷く、55Lapも走れたかも疑問でした。この富士では天候に合わせられない車から始まり、トラブルや問題も発生するなど、解決しなければならない事項が沢山ありましたが、気持ちを切り替えてここですべての問題を出し切り、トラブルの原因を追及して対策を施して次のレースへ臨みます。

これまで少し苦手にしていた富士でのパフォーマンスにも感触をつかめたので、もう富士でのレースはありませんが、シーズンの今後へ向けて好材料をつかんだと思います。ホームコースである、もてぎでは絶対に勝ちたいと思ってチームは挑みますので、引き続き応援の程、よろしくお願いいたします。