2018年11月15日
新たなチャレンジも実らず
シリーズ名:2018 AUTOBACS SUPER GT SERIES ROUND 8
大会名:MOTEGI GT 250KM RACE GRAND FINAL
距離:4.801km×53周(254.453km)
11月10日(土)曇り・観衆:21,000人(主催者発表)
11月11日(日)快晴・観衆:37,000人(主催者発表)
#16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/中嶋大祐組)は、11月10日~11日にツインリンクもてぎ(栃木県)で開催されたSUPER GTシリーズ第8戦GT500クラスに参加した。シリーズ最終戦は、ここまで蓄積したウェイトハンディをすべて下ろしてハンディのない状態でレースを 行う規則である。大会名:MOTEGI GT 250KM RACE GRAND FINAL
距離:4.801km×53周(254.453km)
11月10日(土)曇り・観衆:21,000人(主催者発表)
11月11日(日)快晴・観衆:37,000人(主催者発表)
11月10日(土)
■公式練習:クラス9位・武藤:1分37秒564 中嶋:1分40秒258
早朝まで降った雨の影響でツインリンクもてぎの路面は濡れた状態のまま午前8時50分から公式練習が始まった。#16 MOTUL MUGEN NSX-GT にはまず武藤が乗りレインタイヤで走行を開始した。セッション中盤には路面コンディ ションの好転が見込まれていたので、チームはレインタイヤで走行している うちにタイヤ交換やドライバー交代を含むピット作業の練習を重ねた。1時間45分間の公式練習セッションは途中に大きなアクシデントもなく淡々と進んだ。雲が切れて太陽が射し、路面は急速に乾きドライコンディションと なった。#16 MOTUL MUGEN NSX-GTは路面が乾いた段階で今回持ち込んだ新スペックのドライタイヤへ交換、確認と微調整をしながら周回を重ね、後半中嶋が乗り込んで走行を行った。
最終的にベストタイムは武藤が23周走るうちの最後のラップ、タイムアタックのシミュレーションを行い記録した1分37秒564で、15台中9番手となった。中嶋は9周を走り1分40秒258を記録した。
■公式予選:GT500クラス13位(Q1:13位・1分37秒618、Q2:出走せず)
公式予選は参加15台全車が出走するQ1と、Q1のGT500クラス上位8台のみが出走できるQ2でスターティンググリッドを決定する2段階制ノックアウト方式で行われた。決勝のスターティンググリッドは、Q2に進出した上位8台についてはQ2のタイム順、それ以降はQ1のタイム順で決まる。Q1とQ2は別のドライバーが走行しなければならず、タイヤはQ1で 1セット、Q2でさらに1セットが使用できる。早朝は曇っていたツインリンクもてぎだが、午前中のうちに雲が切れ、午後には晴天となった。しかし風が強く気温、路面温度ともに低めである。Q1セッションは武藤が担当した。武藤はコースがオープンした後もピットで待機、15分のセッションが残り8分30秒となったところでコースインするとタイヤをウォームアップしてタイムアタックに入った。しかし記録されたタイムは1分37秒618で全体の13番手となり、Q2進出はならずスターティンググリッドがそのまま決定した。
11月11日(日)
■決勝: 14位(53周・1時間32分16秒776 ベストタイム:1分40秒597)
決勝日は朝から晴れた。スタートドライバーは武藤が務めた。スタートは大きな波乱もなく切られたが、13番手ポジションからスタートした武藤は、グリップ不足を感じオープニングラップの間に2つ順位を下げた。2周目には上位車がピットインしたため繰り上がり、14番手につけ周回を重ねることになった。チームはスタート前、タイヤ無交換作戦の可能性を検討していた。武藤は周回を続けながらマシンの状況を無線でチームに伝え、順位挽回のため作戦の実行に向けてチームと意見交換を行った。その結果、チームはタイヤ無交換作戦に踏み切ることを決め、武藤はできる限り周回を引き延ばすことになった。
レースの折り返しが近づき上位陣がピットインを始めたため武藤の順位は19周目には10番手、20周目には9番手、21周目には7番手、22周目には6番手、24周目には5番手、27周目には3番手へ繰り上がっていった。
武藤は29周を走ってピットへ帰還、中嶋へドライバー交代を行った。作戦通りタイヤは交換せず、給油のみを行って中嶋はコースへ復帰した。レースを再開した#16MOTUL MUGEN NSX-GTの順位は13番手に後退、その後後方から追い上げてきたマシンにオーバーテイクされ14番手となって残りの周回を続けてフィニッシュを迎えた。
#16MOTUL MUGEN NSX-GTはトップと同一周回の14位でレースを終え、武藤/中嶋組は無得点に終わり総得点16点でドライバーランキング15位、TEAM MUGENは完走ポイントを3点加え総得点31点のチームランキング14位で2018年シーズンを終えた。
■武藤英紀選手のコメント
今週は大外ししてしまいました。走り出して、グリップが足りない感じがしてスタートで順位を落としてしまったし、走っていても思うような感じにならず、これならタイヤを交換しないで走り続けた方がいいなとチームと相談してタイヤ無交換を決めました。今シーズン、途中で良い波に乗れたかなと思うこともあったのですが、今回はなぜかまったく噛み合わずに終わりました。この先、どういう方向でクルマとタイヤを仕上げていくか、よく考える必要があるなと思いました。
■中嶋大祐選手のコメント
もてぎには新しいタイヤを持ってきたのですが、どうやらその使い方にも問題があったようで、予想していたようなパフォーマンスは発揮できませんでした。決勝は少しの可能性にかけてタイヤ無交換で少しでもポジションを上げようとしたのですが、そもそもの速さが足りなくて結果に結びつけるコトができませんでした。応援していただいた皆様、スポンサー様には申し訳ないレースになってしまいました。シーズンを振り返ると、涼しくなった時期に上手くタイヤを使えなくなる傾向が出て、レースによって浮き沈みが激しい1年になりました。ぼくらには、まだ経験を積んで理解する必要があるのかなと思いました。
■手塚長孝監督のコメント
今回は表彰台をめざし、クルマにもタイヤにも新しいチャレンジを施し持ち込みました。土曜日にその感触を確認したのですが、予選では全体的に路面に対するグリップ力が不足気味であのような結果に終わりました。13番手スタートということで、周囲と同じ作戦を選択しては順位を上げることは難しいという判断から、タイヤ無交換作戦に踏み切りました。結果として、中嶋選手に交代してからもペースが上がらず、大変不本意な順位でレースを終える事となりました。一生懸命、開発を進めたつもりだったのですが、まだまだやらなければならないことが残っていたということです。
今年を振り返ると、タイでは速さを見せてポールポジションを獲り、スポーツランドSUGOでは表彰台まであと一歩のところまで行っただけに残念です。この悔しさを胸に、来シーズンの勝利を意識し早速スタートを切るつもりです。1年間応援してくださった皆様には心より感謝申し上げます。