2017 SUPER_FORMULA

Rd.4 MOTEGI

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2017年8月23日

ガスリー、日本初優勝。

シリーズ名:2017全日本スーパーフォーミュラ選手権 シリーズ第4戦
大会名:2017年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第4戦 ツインリンクもてぎ
距離:4.801km×52周(249.652km)
8月19日(土)雨・観衆:14,000人(主催者発表)
8月20日(日)曇り・観衆:18,000人(主催者発表)

2017年度全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第4戦が、栃木県ツインリンクもてぎで開催された。TEAMMUGENは、#16山本尚貴、#15ピエール・ガスリーの2カー体制でこのレースへ参戦した。このレースに向けてHondaはバージョンアップを施した今季2基目のエンジンを投入した。


8月19日(土)
■フリー走行
#16 山本 14番手 1分33秒393
#15 ガスリー 11番手 1分33秒333
土曜日午前9時40分から1時間の予定でフリー走行セッションが行われた。ツインリンクもてぎの上空は曇天で、雨が流れてパラつく状況だが、路面はドライコンディションである。このレースでは昨年同様タイヤの2スペック制がとられ、従来のミディアムタイヤに加えよりグリップが高くその分消耗が早く進行するソフトタイヤが供給される。

レースウィークに使用できるのはソフトが3セット、ミディアムが2セット、前戦からの持ち越し中古タイヤ2セットと制限されており、決勝レースではドライコンディションの場合、ソフトとミディアムをそれぞれ使用しなければならないという規則が適用される。

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フリー走行が始まると、#16山本、#15ガスリーとも順調に走り始めた。#15ガスリーはツインリンクもてぎを走るのは初めての経験だった。しかし前日に行われた練習走行では走り始めてすぐにブレーキの不具合でコースアウトしてクラッシュ、マシンを損傷して4周しか走ることはできなかった。

土曜日のフリー走行が事実上の初走行ではあったが#15ガスリーはピットでマシンの各部を確認しながら走行、徐々にペースを上げていった。

セッション終了10分を切って各車タイムアタックのシミュレーションに入り、#15ガスリーはトップタイムから0秒735後れの1分33秒333で11番手、#16山本はトップタイムから0秒795後れの1分33秒393で14番手につけてフリー走行セッションを終えた。

#16 山本 (Q1:16位 1分44秒858 Q2:出走せず Q3:出走せず)
#15 ガスリー Q1:5位 1分41秒489 Q2:4位 1分32秒345 Q3:4位 1分32秒129)
3回のセッションにわたるノックアウト方式の公式予選は午後3時、20分間のQ1セッションから始まった。ここで参加19台から下位5台が脱落する。ところがツインリンクもてぎの上空には黒い雲が広がり気温が急激に低下して雷の気配がし始めていた。路面はまだドライコンディションである。

各車コースインのためにピットロードに並び始めた頃、コースの一部で雨が降り始めたことを受けてWET宣言が出された。しかし路面はほとんどがドライで全車ソフトタイヤを装着している。

コースオープンとなり各車一斉にコースインしてウォームアップを始めた。#15ガスリーもソフトタイヤを装着、タイムアタックの準備を始めた。一方#16山本はピットで待機、コースオープン1分後にようやくソフトタイヤを装着してコースインした。

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ところがこの頃にはコースで雨が強まり始め、早めにコースインした選手が計測1ラップを終える頃にはメインストレートの路面も濡れ始めコースコンディションは一気に悪化した。コンディションが急変する中、早めにコースインした#15ガスリーは1分41秒489を記録して5番手につけたが、遅めにコースインした#16山本はタイムが伸びず1分44秒858に終わり、さらにタイムアタックを続けようとするがその頃にはすでにコースはウェットコンディションとなっておりドライタイヤではタイムが出せる状況ではなくなっていた。

#16山本は3周を走り終えるとピットへ戻りレインタイヤに交換してコースに復帰、タイムアタックに入った。しかしレインタイヤが水しぶきを上げるコンディションでは1分46秒台が限界で、セッションはそのまま終わり、#15ガスリーはQ2進出を果たしたものの、#16山本はQ2に進出できないままスターティンググリッド16番手が決定してしまった。


その後天候はさらに悪化、落雷も始まったためQ2、Q3セッションはキャンセルされ日曜日朝へ順延されることが決まった。


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明けて20日日曜日、朝9時からまず決勝レースに向けてのフリー走行が10分間行われた後、7分間ずつのQ2、Q3セッションが行われた。前日とは一転、夏の太陽が雲間から射すコンディションで行われたQ2セッションで、#15ガスリーは1分32秒345を記録してQ3セッション進出を決め、Q3セッションでは1分32秒129へタイムを短縮してスターティンググリッド4番手のポジションを獲得した。このタイムは従来のコースレコードである1分32秒321を破る記録であった。

8月20日(日)
■決勝
#15 ガスリー 1位(52周 1時間24分26秒817 ベストラップ1分35秒147)
#16 山本 13位(52周 1時間25分38秒139 ベストラップ1分36秒989)
日曜朝午前9時から10分間のフリー走行が行われた。ドライコンディションで前日から順延されたQ2セッション、Q3セッション前というタイミングだったため、#16山本は決勝に徹した走行、#15ガスリーも決勝セットを確認しながら予選タイムアタックを意識した走行となった。結果、#15ガスリーは1分32秒585で2番手、#16山本は1分35秒104で18番手につけて10分間のセッションを終えた。

Q3セッションが終わったあと、ツインリンクもてぎの天候は急変し、雨が降ってコースは一旦ウェットコンディションとなった。しかし雨はすぐに止み、午後2時10分のスタート前には走行ラインが乾き始めていた。

決勝レースでは規則によってレース中に1回以上のピットインをしてタイヤを交換、1レースでソフトタイヤとミディアムタイヤを両方使用しなければならないので各車の戦略はスタートでソフトを使うかミディアムを使うかで分かれた。

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スタート時点で気温は28度、路面温度は30度と想定温度よりも低いコンディションである。問題は、ソフトタイヤでのロングランはどのチームも経験しておらず、この条件で高グリップのソフトタイヤがその性能を何周にわたって維持できるかを確認できていない点だった。

スターティンググリッド4番手の#15ガスリーは上位3車がソフトタイヤを選んだのに対しミディアムタイヤを選んでスタートすることを決め、スターティンググリッド16番手の#16山本はソフトタイヤでのスタートを選んだ。午後2時13分、スタートが切られて#15ガスリーはポジションを守って4番手でレースを始め、#16山本はスタートダッシュでジャンプして1周目を10番手で終えた。


#16山本はソフトタイヤで11周を走り9番手まで順位を上げたところでタイヤ交換と給油のためにピットへ向かった。一方#15ガスリーはソフトタイヤを装着して前を走る選手がタイヤ交換のためにピットインをする間、ミディアムタイヤで走り続け、9周目には3番手、18周目には2番手と見かけ上の順位を上げていった。

ソフトタイヤからミディアムタイヤに交換した#16山本は追い上げにかかった。ピットストップの影響で13周目には18番手まで見かけ上の順位を下げたものの、15周目には15番手、18周目には14番手、19周目には13番手と順位を上げた。
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ミディアムタイヤでスタートした#15ガスリーはソフトタイヤを装着して首位を走る#18小林可夢偉選手を約15秒の間隔で追いかけ続け、レースの折り返し点を過ぎた28周目、ピットインしてソフトタイヤに交換した。首位を走る#18小林選手はレース後半、ミディアムタイヤで走ることになる。勝負の時である。

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しかし直接のデッドヒートは起きなかった。34周目にピットインした#18小林選手はピット作業で時間がかかり後退してしまったからだ。迅速なピット作業でソフトタイヤを装着しレースに復帰していた#15ガスリーは見かけ上5番手につけたが、#18小林選手がピットで後退した時点で、まだピット作業を終えていない選手に次ぐ2番手、事実上のトップへ浮上した。

レースが残り12周となったところで先頭を走っていた選手がピットインしたため#15ガスリーは見かけ上も首位に立った。後方には13秒の間隔で#18小林選手がついている状態だが、#15ガスリーはソフトタイヤ、#18小林選手はミディアムタイヤを装着しており、2車の間隔はフィニッシュへ向けてじりじりと開いていった。

こうして#15ガスリーは危なげなくレースをまとめ、優勝のチェッカーフラッグを受けた。来日して4戦目にして初めての優勝であった。#16山本は、終盤ペースが上がらず13番手でレースを終えた。

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#15ガスリーはドライバーポイント10点を獲得、通算15点とし、首位と10.5点差のポイントランキング4番手へ浮上した。無得点の#16山本は通算10.5点でランキング8番手につけている。またTEAM MUGENも10点のチームポイントを獲得しトップと6.5点差のランキング3番手となった。

■山本尚貴選手コメント
勝てると思って臨んだ週末だったのですが予選がすべてでした。なかなかうまく(レースを)運ぶことが出来ませんでした。一部コンディションに齟齬を感じてはいましたが、走り出しも悪くなく、(レース)予測も立てられ、予選には自信がありました。

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しかしながら、ミディアムタイヤからソフトタイヤに切り替えている間、他の車両がピットロードに並んでおり、そこに慌てて出て行く必要もないと、チームも僕も判断した結果、悪化する天候も相まって、コースインが遅れてしまいました。

ただ、スタートでは僕の後にいた石浦選手が決勝で4位までタイムを伸ばしているのを観て、決勝における自身のスピード不足を痛感しました。ミディアムに交換してから、期待通りのペースまで乗せる事が出来ず残念でした。

ピエール・ガスリー選手コメント
今回Hondaが導入した新スペックエンジンが素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。それにしても4番手からスタートして、まさか勝てるとは思ってもいませんでした。可夢偉選手がピットで遅れなかったら(結果が)どうなっていたかはわかりませんが。ですが、ソフトを装着したレース後半では、ぼくはブレーキやタイヤをいたわるペースで走っていたので、ペースを上げていれば、もっと面白いレースになっていたかもしれません。

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ツインリンクもてぎを走るのは初めてで、しかも金曜日にはブレーキに問題が生じクルマを壊してしまい、結果ほぼ走らず仕舞いの日となりました。ただ悩んでいても仕方がないので気持ちを切り替え土曜日を迎えました。日本に来て以来今日まで少し苦労も感じてきましたが、この勢いに乗って残りのシーズンも戦いたいです。第5戦が行われるオートポリスサーキットは、ぼく好みのコースなので楽しみです。

手塚長孝監督コメント
優勝できてホッとしています。ガスリー選手のパフォーマンスは素晴らしかったです。チームの皆は決勝に向け車両を万全の態勢に仕上げてくれました。感謝です。応援してくださったスポンサー様、Red Bull様、またファンの皆様、そしてHondaの関係者の皆様にも朗報を伝える事ができ嬉しいです。

Hondaの新スペックエンジンにパフォーマンスの向上を感じました。今後の更なる改良を期待しております。金曜日の車両トラブルに関しては、ガスリー選手に対し申し訳なく思った一方、翌日以降の予選4位、決勝1位の結果を目の当たりにし、彼のメンタルの強さをまざまざと痛感いたしました。圧巻でした。山本選手に関しては、Q1の(コースインの)タイミングが元凶でした。次は必ずやってくれるでしょう。

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今回、チームのメンバーが非常に良い仕事をしてくれました。星エンジニアはこれまで集積した2台分のデータを基にキッチリとセットアップをしてくれましたし、ピットクルーも他のチームに比べ安定したPIT作業をしてくれました。アンダーカットをお見せする事も出来ましたし。

今回のレースで2台体制の良い流れがつかめたような気がしています。次のレースでは山本、ガスリーを揃って表彰台に乗せられるよう皆で力を合わせて頑張ります。引き続き応援をどうぞよろしくお願いいたします。