2022 SUPER_FORMULA

Rd.4 FUJI

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2018年7月10日

山本、しぶとくシリーズポイントを加算

シリーズ名:2018全日本スーパーフォーミュラ選手権 第4戦
大会名:2018年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第4戦 富士スピードウェイ
距離:4.563km×55周(250.965km)
7月7日(土)雨、曇り・観衆:10,600人(主催者発表)
7月8日(日)曇り・観衆:20,800人(主催者発表)
2018年度全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第4戦が、静岡県富士スピードウェイで開催された。TEAM MUGENは、#16 山本尚貴のパートナーとして、前戦に続き#15ダニエル・ティクトゥムを起用し2カー体制でこのレースへ参戦した。#15ティクトゥムは、昨年のマカオF3勝者である。

7月 7日(土)
■フリー走行
#16山本 12番手 1分38秒372
#15ティクトゥム 4番手 1分37秒995
週末の富士スピードウェイは、停滞する梅雨前線の影響で不安定な天候となった。金曜日の専有走行、土曜日朝のフリー走行ともにウェットコンディションとなった。午前9時10分に始まったフリー走行セッションには全車がレインタイヤを装着してコースイン。雨はほぼ止んではいるものの、走行すると水しぶきが上がる状態である。

セッション前半、#16山本は上位で周回を続けた。残り10分となったところで、それまで下位にいた#15ティクトゥムがペースアップ、上位へ食い込んできた。2車は快調に周回を重ね、#15山本は21周を走り19周目に記録した1分38秒372で12番手、#16ティクトゥムは22周を走り最終ラップに  記録した1分37秒995で4番手につけてフリー走行を終えた。

■公式予選
#16山本(Q1:2位1分24秒181Q2:7位1分24秒197Q3:2位1分38秒289)
#15ティクトゥム(Q1:19位1分25秒553 Q2:出走せずQ3:出走せず)
午後2時30分、公式予選セッションが始まった。朝まで降った雨はほぼ上がり、サポートレースはドライ・コンディションで行われた。ところがQ1セッションが始まる直前になって雨粒が空から落ちだし、難しい状況となった。競技長からはWET宣言が出されたが路面は濡れきっておらず、出走全車がまずミディアムのスリックタイヤを装着してコースインした。

#16山本は快調にタイムを縮めるが、今大会初めてスリックタイヤで走る#15ティクトゥムは感触の確認を優先し、2セット目のタイヤでタイムアタックを行う心づもりで走ったのでタイムは伸びない。コースインした車両はセッション前半を走り終えてピットに戻り2セット目のタイヤを使ったタイムアタックに備えた。しかしこの頃から雨が強まってしまった。

もはやスリックタイヤで走行してもタイムの出る状況ではなくなり、ほとんどの車両はタイムアタックをあきらめてピットへ戻った。Q2進出がかかった車両は雨の中走行を続けたがタイム短縮は無理な状況だった。2番手だった#16山本はQ2進出を決めたが、セッション前半、タイヤ習熟に集中してタイムを記録しなかった#15ティクトゥムはQ1最下位に終わり、Q2進出はできなかった。

10分間のインターバルに雨はまた弱まったが路面は濡れており難しいコンディションとなった。Q2セッション出走車は、レインタイヤ勢とドライタイヤ勢に分かれた。#16山本はレインタイヤを装着してコースインした。

しかしコースを走行してみると、まだスリックタイヤの方が有利な状況だったので#16山本は1周でピットに戻りタイヤを交換する決意を下した。TEAM MUGENはレインタイヤをミディアムのスリックタイヤへ交換、#16山本をコースへ送り返した。基本グリップの高いソフトではなくミディアムを選んだのは、すでに熱を入れていたミディアムの方が短時間にグリップを発揮してくれるだろうという判断であった。

#16山本は次の周にタイムアタックを行い、1分25秒157を記録した。この時点では2番手だったが、後方から続々とタイムアタックに入る選手がいてタイムは更新されていく。#16山本は最終ラップに2回目のタイムアタックに入り、タイムを1分24秒197に短縮して7番手に食い込み、きわどいところでQ2突破を果たした。

Q3セッションを前にして雨が強まってきた。路面は徐々に濡れていく。タイヤ選択が難しいコンディションの中、#16山本を含むほとんどの車両はソフトのスリックタイヤを装着してコースインした。しかし1周走るうち、スリックタイヤではタイムアタックが不可能なコンディションであることがわかり、全車ピットへ戻ってレインタイヤへの交換を始めた。

Q3セッションはわずか7分間。タイヤ交換のために余分なピットインを行えばタイムアタックの時間がなくなってしまう。TEAM MUGENは迅速な判断を下し#16山本をピットに迎えるとピットクルーが短時間のうちにタイヤを交換して#16山本をコースへ送り返した。そこからタイヤを暖め、タイムアタックを行うのにギリギリのタイミングであった。これがQ3の結果を左右した。

#16山本は迅速なピット作業の結果、チェッカーフラッグが振り下ろされる直前にコントロールラインを通過して1分40秒279を記録しその時点で3番手につけた。しかしその後タイムアタックに入った選手たちが#16山本のタイムを更新していき#16山本の順位は落ち始めた。

ところが後続車はタイムアタックが終わった時点でチェッカーフラッグを受けていのに対し、#16山本はその前にコントロールラインを通過しており、タイヤが暖まった状態でもう1周タイムアタックを続けることができた。その結果、最後の最後で1分38秒289を記録、スターティンググリッド2番手のポジションをもぎ取ることに成功した。#15ティクトゥムのスターティンググリッドは最後尾19番手となった。

7月 8日(日)
■フリー走行
#16山本 10番手 1分25秒713
#15ティクトゥム 14番手 1分26秒006
日曜朝午前9時から30分間のフリー走行が行われた。天候は曇りながらコースはドライ・コンディションとなった。金曜日の専有走行、土曜日のフリー走行、公式予選セッションを含め、完全なドライ・コンディションで走行できるのはこの週末初めてのこと。

#16山本は決勝レースに向けた調整、#15ティクトゥムは富士スピードウェイをスリックタイヤで走ることの習熟をテーマに周回を重ねた。途中、ピットインとマシンの調整を挟みながら#16山本は15周、#15ティクトゥムは17周を走り、#15ティクトゥムは1分26秒006、

#16山本は1分25秒713を記録してそれぞれ14番手、10番手でセッションを終えた。

■決勝
#16山本 8位(55周 1時間21分53秒798 ベストラップ1分26秒797)
#15ティクトゥム 11位(55周 1時間22分18秒112 ベストラップ1分27秒262)
朝は残っていた雲から時折小さな雨粒が落ちることもあったがその後天候は回復、決勝レース前には薄い雲から太陽が差し込んで、レースはドライ・コンディションで行われることになった。決勝レース前のウォームアップで、#15ティクトゥムは5周を走って1分26秒856を記録、#16山本は6周を走って1分26秒899を記録、それぞれ5番手、6番手で走行を終えた。

チームは決勝レースに向けて、#16山本については燃料を満タンにしてソフトタイヤでスタート、レース距離の半分まで引っ張ってミディアム・タイヤへの交換と燃料追加を行うというオーソドックスな作戦で闘うことにした。一方グリッド最後尾からスタートする#15ティクトゥムについてはソフトタイヤでスタートする際に燃料をあまり積まず、身軽な状態でレース前半に追い上げをするという作戦を立てた。

午後2時15分、決勝レースのスタートが切られた。フロントローに並んでいた#16山本は、動き出しは悪くなかったがその後後方の選手に並びかかられ、第1コーナーでは5番手まで後退した。しかしオープニングラップのヘアピンで前走車のインに飛び込み、4番手に順位を上げた。

その後#16山本は3番手の選手を2秒弱の間隔で追いかけた。しかし1番手、2番手のペースは速く、周回毎にその差は広がっていった。#16山本は4番手を守り周回を重ねたが、徐々にタイヤの摩耗が進みペースダウンを余儀なくされていった。27周目の1コーナーで#16山本は後続車の追撃を耐えることができず順位をひとつ落とした。そこで、その周を走り終えたところでタイヤ交換のためピットイン、給油とミディアム・タイヤへの交換を行った。


身軽な状態でスタートした#15ティクトゥムは1周のうちに順位を3つ上げて16番手、2周目には14番手、5周目には13番手、6周目には12番手、7周目には11番手、9周目には10番手と、自力で着実に順位を上げていった。その後、ピットインする選手もいたため見かけ上の順位を5番手まで上げた#15ティクトゥムは30周を走ってピットイン、給油とミディアム・タイヤへの交換を行った。

コースに戻った#16山本は8番手まで順位を落としていたが、ミディアム・タイヤでのペースが上がらず、挽回は進まない状況に陥った。むしろ、ミディアム・タイヤでスタートしレース後半をソフトタイヤで走っている後続車に追い上げられ防戦することになった。36周目には後続車にテールトゥノーズの状態へ持ち込まれ第1コーナーでは並ばれたが、#16山本は必死で8番手のポジションを守った。

その後後続車はタイヤ摩耗も進みオーバーテイクシステムも使い果たしたため追撃の手を緩め、#16山本は1秒強の間隔で自分のポジションを確保した。その後大きな順位の変動は起こらずチェッカーフラッグが振られた。#16山本は8位でフィニッシュ、シリーズポイントを1点加算した。#15ティクトゥムは最後尾スタートから11位まで順位を上げてレースを完走した。

この結果#16山本はシリーズポイントを22点とし1点差でランキングトップの座を守った、またTEAM MUGENも1点のチームポイントを獲得し21点同点ながらランキングトップの座を守った。

■山本尚貴選手のコメント
予選は荒れたコンディションの中で2番を獲得できて良かったけれど、多分に運が味方してくれた結果ではありました。決勝に関してはドライタイヤをちゃんと履いたのが日曜日朝のフリー走行になってからで、結果論ですが、やったことが裏目に出てしまったかなと感じます。レースペースが良くなくて守ることで手一杯で、苦しいレースでした。

レース前半、タイヤが終わっていたのでもう少し早くタイヤ交換をしたかったんですが、ミディアム・タイヤに履き替えてもペースはあまり良くなかったので、どんな戦略をとっても順位は変わらなかったでしょう。1ポイントを獲ったのは良かったですけど、1番勝たれたくない相手に勝たれてしまって、なんとかポイントリーダーではあるけれどもう差はないに等しいと思っています。

■ダニエル・ティクトゥム選手のコメント
ウェットコンディションの土曜日フリー走行では4番手につけて良い調子でしたが、公式予選ではドライ・コンディションになったので、まずミディアム・タイヤでコースインしましたが、非常に難しい状況でした。

セッション後半にタイムアタックのタイミングを待っていたら、不運なことにタイムを出す前に雨が強まってしまい失望する結果に終わってしまいました。サーキットのことをあまり知らず、コンディションの変化を予測することは困難でした。

決勝ではソフトタイヤでスタートして各所で格闘し、最下位から11位まで順位を上げることができました。自分としてはこの週末を楽しみましたし、2戦ではあったけど日本でのレースもいい経験になったと思います。きっとまたここへ帰ってくるつもりです。

■手塚長孝監督のコメント
山本選手の予選2位は、チームの力と山本選手の集中力が相乗効果として現れた結果です。ティクトゥム選手に関しては、Q1で初のドライタイヤとなり、1セット目は手探りの状況でのアタックでした。2セット目が勝負だと分かっていましたが、残念な事に雨が降りだし充分なアタックが出来ませんでした。厳しい言い方ですが、1セット目でもう少しタイムを出しておくべきでした。

決勝では先行した2台が速すぎました。当初、燃料が軽いのでは、と考えたのですが、実は同じだけ燃料を積んでいたので驚きました。山本選手はソフトタイヤでもっと走りたかったのでしょうが、ペースが上げられないまま摩耗が進んでしまいました。

この点に関しては、全体的なクルマのパッケージングが劣っていたのだと思わざるをえません。ティクトゥム選手はスタートが良かった事、また複数回のオーバーテイク、250kmの完走など、自信につながる結果を残したのでは、と思います。今レースの良い面、悪い面、双方から多くを学び、次のレースでは優勝できるよう準備致します。