Interior

人と車両の緊密な一体感、そして走りに寄与する軽さも追求した高機能空間。

シビック TYPE Rが据えたインテリアの開発目標は「類い稀なる一体感の創造」である。高次元なサポート性能を持ち、車両の動特性に合致するチューンも施されたシートほか確実なコントロールへの創意が尽くされた操作系、また、高回転領域におけるエンジン回転数の目安を光の点滅で直感的に伝えるi-VTEC/REVインジケーターなどによってあたかも身体の一部のように扱え、高速走行時でも安心すら感じ得る操縦空間を実現している。

「RR」はその一体感の深化を図るとともに、運動性能に寄与するべく軽量化も徹底。軽さというパフォーマンスまで含め、機能性を追求した。その意図のもと生まれたのが、RECARO社との共同開発により完成したフロントセミバケットシートである。シェル材にカーボンコンポジットを採用。あらゆる状況でドライバーの体重をしっかり受け止める高い剛性を持ちつつ、シビック TYPE R比で1脚当たり3.5kgもの軽量化を実現している。

RECARO最上級のモデルをベースとしながらも、サポート形状、ウレタン材の硬度・厚みなど骨格以外の部位については、「RR」との最適化を目指して幾度も試作と走り込みによる検証を重ね、専用に創り上げたオリジナルである。サーキットにおけるホールド性能と公道でのサポート性能、クッション性能を高度に両立。シート高はシビック TYPE Rより-5mm※ローポジションとして低重心化を図るとともに、サーキット走行時には取付ボルト位置を変更することによってさらに20mm低くできる上下2段階調整機構を採用。腰部が低く沈み込む座面の設計は、ハードブレーキング時の腰の前ズレを効果的に抑制する。

またドライビングポジションの自由度と快適性を高めるリクライニング機構を備えたほか、表皮材にはシビック TYPE Rと同様、滑りにくく風合いも上質、リアシートとの統一も考え、ラックス スェードRを採用した。

シフトレバーについてはノブをシビック TYPE Rよりもやや大きいφ50mmの本革仕様とすることで一層手に馴染みやすくし、レバーのショート化とあわせてそのトップ位置を25mm下げ、ローポジション化したシートに対応。レバー比変更による操作移動量の低減と取付剛性の向上により、クイック感、ダイレクト感をさらに 高めている。

加えて、視認性の高いセンターコンソール上部に水温計/油温計/油圧計から成る3連アシストメーターを装備。タコメーターと統一感のあるデザインとし、夜間の走行に配慮して透過照明も備えている。ペダルも専用設定。

フットレストも含めアルミ製とし、摩擦係数の高いニッケルクロームの発泡金属をブレーキペダル、クラッチペダル、フットレストのストッパー部としてほぼ全面に貼り込んだ。

そして、ドアを開きコクピットに収まる際にはシートバックの、ステアリングを握った際にはタコメーター内のロゴタイプ、「無限MUGEN」の文字が、特別な一台を所有することの歓びを、この上なく増幅させる。


シフトストロークの短縮により、手首の返しだけでスッと決まる操作フィールを実現したクイックシフター。