Tire

「RR」の大駆動力を余さず伝え切るポテンザRE070。

無限テクノロジーにより15馬力の向上を果たしたエンジン出力。そのパワーを余すところなく路面に伝え、走りに転化することのできるタイヤを。そして採用されたのがこの「RR」専用スペックのポテンザRE070(225/40R18 88Y)である。

シビック TYPE RはFF TYPE R史上最速を目標とし、それを達成したが、実現の大きな鍵として歴代TYPE Rでも最大となった18インチタイヤの専用開発があった。TYPE Rの性能評価がなされるサーキットで従来のFF TYPE Rを凌ぐ速さを生む。

インテグラ TYPE Rより大きく重量を増し、ホイールベースも長くなったシビックのTYPE R化にあたっては旋回速度の向上が重要課題とされ、実現のためには極めて高い接地圧に耐え得る高性能なタイヤの存在が必須とされた。

そこで創られたのがシビック TYPE R専用のポテンザRE070であった。タイヤに作用するコーナリングパワーは荷重が増えるに伴い増大するが、一定の荷重を超えると増大率が減る。車両前後でこの均衡が崩れると旋回性能が落ちる。これに対し、外側の溝比率を少なくして接地面積を多くするとともに、ブロックを大型化して剛性を最大限確保。

一方、内側は溝比率を多くして排水性を高め、優れた耐ハイドロプレーニング性能を確保。この左右非対称パターンや、サイドウォールの高剛性化、高いグリップが得られる超高性能シリカコンパウンドの採用などによって、高荷重に対してもリニアなコーナリングパワー特性を発揮し、それにより旋回速度の向上を実現。

なおかつ初期応答性、ドライ/ウェットとも優れた制動性能を発揮するタイヤとして完成された。「RR」が履くポテンザRE070は、シビック TYPE Rに標準装備しているタイヤとは骨格体のカーカス素材が異なり、サイド部分も異なる補強材を内蔵。高い剛性により、縦横とも高い負荷に持ち堪え、発進・加速時には強大なトラクションをダイレクトに路面へ伝達し、制動時には路面に食いつくような確かな制動力を発生する。

また、「RR」ならではのチューニングとして、ホイールのリム幅拡大がある。シビックTYPERの71/2Jから8Jに変更することにより、接地面積も広げた。タイヤが備える剛性の高さと相俟って、旋回しながらの急制動時でも腰砕けを起こさず、コーナー奥まで粘り、コーナー出口では駆動力の掛かりが良いため、アクセルをより早く深く踏み、抜けて行ける。結果、より早い旋回を可能にするのである。また組み合わされるアルミホイールを鍛造とすることでタイヤ+ホイールで計約10kgもの軽量化を実現。運動性能を大きく向上させるバネ下重量軽減に極めて貢献する足としている。

FF TYPE R史上最速:サーキットでのテスト走行におけるHonda社内比較。
文中の「インテグラ TYPE R」は2001年〜2006年生産型。